模試の判定を見て、落ち込んだり喜んだりして終わりでは、受けた意味がない!
最大限に学力を伸ばす模試結果の“見方”とは!?
模試の成績表は、学力に関する貴重な情報の宝庫です。しかし、多くの受験生は志望校判定のアルファベットと科目ごとの偏差値くらいしか見ていません。これは非常にもったいないことです。
模試を受ける意味の1つは、科目や分野の得意・不得意を正しく把握できることです。自分が認識している得意・不得意がそのまま結果に表れることもありますが、実際は自分が得意なつもりの科目でも、模試の結果から思わぬ不得意分野が見つかることがあります。
ここで「今回は調子が悪かったから、たまたまこの分野は得点できなかっただけだ」と考え、結果から目を背ける受験生が多くいます。気持ちはわかりますが、それでは効率的な学力アップは望めません。そうではなく、むしろ「今回たまたま得点できなかった分野にこそ、自分の弱点が潜んでいるのではないか」と、疑いの気持ちを持って模試結果を見ていくことが大切です。模試の成績表から読み取れる自分の不得意に、真摯に向き合うようにしましょう。
教科・科目別成績で確認するべきは、以下の2点です。
● 得意・不得意科目が、自分の認識とズレていないか
● 学校内順位や平均点と、自分の成績の差
まずは、全国での偏差値を見ましょう。得意だと思っていた科目なのに偏差値が高くない、苦手だと思っていたのに得点できた、などがわかります。その要因にまで踏み込んで結果を分析しましょう。
それ以上にチェックしたいのが、学校内の平均点や偏差値です。同じ学校で同じ授業を受けているのですから、同級生と比べて自分だけ得点できていない分野があるならば、それは自分の苦手・弱点なのだと考えられます。
上の図3と同様に、得意科目と苦手科目を確認します。特に図4は、今後どの科目を強化していくかの検討材料になります。
良い判定が出た場合でも、設問別の偏差値や得点率を詳細に振り返ると、より具体的な自分の得意・不得意が把握できます。
仮に英語が不得意な場合、図5の設問別成績を細かく確認することで、英語のどの分野が特に得点できていないか、どの分野から優先して対策すべきかが見えてきます。同じように、得意科目でも思わぬ失点をしてしまった分野があれば、それを対策することでさらに成長が期待できるでしょう。
D・E判定だった人は、アルファベットの判定そのものよりも、志望校別データに注目しましょう。「あと何点で上位の判定を得られるか」は、得点戦略・学習戦略を考えるうえで大変重要な指標となります。図5の設問別成績も参考にしながら、「どの分野で何点取るか→そのために何を勉強するか」を、具体的な得点を参考に考えることができます。
今後、たびたび模試を受ける機会があるでしょう。そのときは「以前の模試で得点できなかった分野を改善できたか」を継続的に点検していきましょう。模試の成績を、苦手分野克服に活用できたか確認してください。
また、模試を受ける際は、前回の反省を踏まえて自分なりのテーマや課題を持てると良いですね。たとえば、「最後まで解き切れない→時間配分を工夫する」などです。
重要なのは、入試本番で志望校に合格すること。そこから逆算して、次の模試はどんなテーマを持って受験するかを考えてほしいと思います。この時期の模試では、思ったような判定は出ないかもしれませんが、だからこそ自分の弱点を見つけ、志望校合格に向けて学習戦略を組み立てる機会にしましょう。
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