
過去問は、受験勉強の戦略を練るうえで欠かせない分析ツール。過去問を分析して出題傾向と合格への学習課題を探ることで、志望校合格に最短でアプローチできるルートが見えてくる。ここでは英語・数学・国語について、受験生が自ら過去問を分析し、合格直結の学習戦略を練るためのノウハウをプロが伝授する。

駿台予備学校/学研プライムゼミ 竹岡 広信 先生
「英語教育をよくしたい」という熱意で日々全国を飛び回る。教員向けの授業も担当し、後輩の育成に腐心している。『英文法ハンドブック』『基礎英作文問題精講』(ともに旺文社)、『改訂版 必携 英単語LEAP』(数研出版)など著書多数。
過去問は入試の直前にやるものではなく、もっと早い時期に取り組むべきだ。過去問と同じ問題が出題される可能性はかなり低いので、入試直前になって過去問を演習するのは、「試験に出ない問題集」をやっていることになり、あまり意味がない。早い時期から自分が行きたい大学の過去問題を数年分分析し、問題の傾向を研究することが肝心である。そうすることで明確な学習指針が立ち、志望校合格に向けた効率のよい勉強が可能になる。


自由英作文の出題は、「社会問題(ダムや動物園の是非など)の賛否を記述」「個人的な経験(印象に残った本や体験など)を記述」「図表の内容を記述」「イラストや写真の内容を記述」「誰かの悩みなどに対してアドバイスを記述」「英文・和文の英文要約を記述」などに大別できる。過去問を通して、自分の志望校の傾向をつかむことがきわめて重要だ。


内容一致問題(本文内容との合致を問う)の選択肢の英文が、「どの程度本文を言い換えたものであるか」を把握することが肝要だ。「本文の骨格は残しつつ、その語句を少し言い換えただけ」「本文を大幅に言い換えて、原型をとどめていない」など把握しておこう。難関大ほど大幅な言い換えをする傾向があるが、各大学の個性が出る部分である。


下線部和訳問題は、「構造」に重きを置いているタイプ、「文脈把握」に重きを置いているタイプに大別できる。前者の場合には、普段の学習において頻出構文を網羅することが優先される。一方、後者の場合には、普段から文脈を意識して和訳する訓練をしておくことが重要になる。なお、解答に字数制限がある場合には、簡潔に表現する練習も必要だ。


下線部に近い意味の語彙を問う問題は、次の3つに大別できる。(1)標準的な語彙を出題し、その知識を尋ねる問題。(2)標準的であるが多義の語彙を出題し、文脈に応じた語義の分析力を試す問題。(3)受験レベルを超えた難語を出題し、文脈による推測能力を試す問題。志望校がこれらのうちのどれを主に出題するか把握しておくことが重要である。


大学によっては、解答を英語で書くことを要求する問題が含まれることがある。この場合、英語で答えるべき問題を日本語で答えてしまうという単純な間違いが意外と多い。さらに、英問英答の場合、問いが単純な疑問文であっても、疑問文の形式に合わせた解答になっていないことがある。過去問を分析して、解答の方法や型を確認しておく必要がある。

自由英作文の出題傾向
解答の語数は70~100語。2025年入試では「日本政府のインバウンド促進の是非」が問われた。
内容一致問題の言い換え
正解の選択肢は、英文本文の表現からかなり言い換えられている。
下線部和訳問題の狙い
1つは付帯状況を尋ねる問題、もう1つは文脈での意味を尋ねる問題だった。
要約文完成問題の言い換え※
大問4は対話を読んでその要約文の空欄を埋める問題で、選択肢にはかなりの言い換えが見られる。
解答は英語か日本語か
大問3では英問英答が出題される。この問題も本文の言い換えがベースとなっている。
※下線部の言い換えを問う形式の出題はなし。

過去問分析を通して自分の弱点を把握し、学習計画を練り直そう。例えば、過去問の自由英作文で何を書くべきかわからなかったら、まずは過去問の解答を熟読すること。そして、書く手順を理解したら、類似した素材を探して答案を書いてみる。さらに、それを先生やChatGPTに添削してもらい、自分だけの予想問題と解答を作っていこう。一方、語彙力はあるのに下線部言い換え問題が苦手なら、分析力を強化すべき。本文を読みながら各段落の「言いたいこと」をつかみ、理解困難な箇所を重点的に考えるクセをつけよう。

□ 合格に必要な単語の知識が身についているか?
□ 合格に必要な熟語の知識が身についているか?
□ 合格に必要な構文の知識が身についているか?
□ 合格に必要な文法の知識が身についているか?
□ 長文の要旨をつかめるか?
□ 長文の段落ごとに適切なメモがとれるか?
□ 苦戦する設問形式と必要な対策学習は?
□ ミスの原因を分析・把握できているか?
□ 制限時間内に全問解答できるか?

志望校対策を効率化するために、過去問演習はできるだけ早く始めよう。演習は2段階で行う。まずは制限時間内で解答する。ここでは正解を見ない。その後、解けなかった問題などをあらためて時間をかけて丁寧に解き、「これ以上は考えられない」というところまでやり切る。そして、正解を見る。この時期は熟考を習慣化することが非常に大切だ。直前期には、すでに解いた過去問を制限時間内に解き直そう。意外と覚えていないものだ。
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