
京都大学理学部を卒業後、同・大学院理学研究科物理学・宇宙物理学専攻(高エネルギー物理学)修士課程を修了。欧州原子核研究機構で研修後、東京大学理科Ⅲ類に合格。現在は、予備校や中高一貫校で情報科、大学で統計学・確率論の講師として教鞭をとるほか、官公庁・金融機関でデータサイエンス研修や分析業務などを行っている。
導入2年目を迎える2026年の共通テスト「情報Ⅰ」。初年度の“準備運動”が終わり、「難化」を予想する受験関係者も少なくありません。そこで今回は、2026年の出題を大問別に予想します。目的は、直前期の限られた時間で、みなさんが効率的に対策を進めるための指針を示すこと。前回までのAIを利用した出題分析も踏まえ、2年目は「情報Ⅰ特有の知識」や「より込み入った情報処理力」が本格的に問われ始めると想定して分析しました。記事と連動した動画と併せて活用し、試験本番での得点アップにつなげてください。

第1問は、いわゆる「小問集合」形式。しかし、2026年は、単なる用語知識だけでなく、一歩踏み込んだ「計算」や「仕組みの理解」が問われることで、難化すると予想します。特に「情報量計算」(浮動小数点数の表現方法など)や、2025年に手薄だった「ネットワーク」関連(TCP/IP、DNSの役割)は、出題の有力候補です。試験までに確認しておきましょう。「コンピュータの仕組み」(CPU・論理回路)にも要注意。「情報Ⅰ」特有の知識・考え方を要求されます。


2025年試験で出題された“独自ルールの読解と思考(モデル化とシミュレーション)”の傾向は、問題文の長文化・複雑化という形でさらに強まるでしょう。加えて、「音・画像・動画」といったメディアの「デジタル表現」が、ここで応用的な読解問題として出題される可能性があり、警戒すべきです。「標本化・量子化・符号化」のプロセスや「データの圧縮(可逆・非可逆)」のアルゴリズムを、長いシナリオの中で読み解かせる形式は、難度を上げる手法として非常に有力です。


第3問は「プログラミング」からの出題。「情報Ⅰ」最大の関門ですが、ここは難化しすぎないと予想します。2025年試験では「関数」の使用が見られませんでした。2026年は、説明文とともに提示される“定義済みの関数”を読み解き、その動作をトレースする、読解力重視の問題が予想されます。難化する場合、繰り返し処理をより複雑にするネスト(入れ子構造)が、「ソートアルゴリズム」(例:バブルソート)の読解という形で出題される可能性が高く、警戒が必要です。


2026年は、各統計グラフの“得手・不得手”についての理解が問われそうです。特に「分散(データの散らばり)」の扱いに焦点が当たると予想。「箱ひげ図」は四分位範囲と外れ値から、「ヒストグラム」は分布の形状から分散の具合を視覚的に読み取れます。一方で「箱ひげ図」から平均値は直接読み取れません。各グラフが表現する「分散」や「代表値(平均値、中央値など)」の違いを意識して演習しておきましょう。次点で「時系列データ」(移動平均など)の読解も要警戒です。

“守りと攻め”を意識した
得点戦略を立てよう!
高得点を目指すには、やみくもな演習ではなく得点戦略が必須です。まず、“守り”の戦略として、第1問の知識ベースの問題と第4問のグラフ読解で、とりこぼしをゼロにすること。次に、“攻め”の戦略。成否を分けるのは、難化が予想される第2問と第3問です。第2問「デジタル表現の読解」、第3問「関数」「ソート」などは、類題を解いて解法パターンに慣れておきましょう。最後に、時間を計って過去問を解き直し、第2問・第3問の読解と試行錯誤に使える時間を見極め、自分なりの時間配分を体に染み込ませることが、最大の武器となります。
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