歴史や考古学が好きで、昔から博物館によく通っていました。歴史的な展示物に囲まれて過ごす時間は、私にとって幸せを感じるひとときであり、将来私もこの場所で働きたいと思い、学芸員※をめざすようになりました。高校生のときに初めて手にした考古学の本が、専修大学の歴史学科で教鞭をとられていた先生の著書だったことがきっかけで、進学先のひとつとして専修大学を調べていくうちに、学芸員の資格を取得できる「学芸員課程」もあることを知り、ぜひ進学したいと思うようになりました。
※学芸員:博物館・美術館などで実物資料の収集、保存、展示、社会教育活動、研究などに携わる専門職
日本の歴史の中で私が最も興味を持っているのは、古墳時代です。なかでも、古墳からの出土品に惹かれます。中国大陸や朝鮮半島から伝わってきたと思われるものもあり、出土品からその当時の様子や人々の暮らしなどを想像することが好きです。文献を読むことも勉強になりますが、私の場合は実際に発掘された埴輪(はにわ)や土器などの「現物」に思い入れがあります。群馬県での古墳発掘調査の実習に参加して、土器のかけらを見つけたときの感動は忘れられません。大学に進学したからこそ体験できたことだと感じています。
人の多さにはなかなか慣れませんが、交通の便がいいのでどこへ行くのにも快適です。ひとり暮らしは、マイペースに生活できるのがいいですね。そのぶん、スケジュール管理もしっかり身につきました。また、東京には博物館が多いので、時間があるときはよく出かけています。私の好きな古代日本の展示だけでなく、絵画や美術品の展示も、学芸員になるための勉強を兼ねて行くようにしています。以前は展示物を単に見学するだけでしたが、学芸員課程の勉強を通じ、いまでは展示方法や照明の当て方、説明書きの書き方にも注目するようになりました。視点が変わってきたことに自身の成長を実感しています。
また勉強の話になってしまうのですが、いまは卒業論文に向けて少しずつ準備を進めています。私がテーマにしようと考えているのが、古墳から出た副葬品の「鏡」についてです。鏡といっても現代のようなものではなく、主に青銅でつくられ、捧げものや祭祀の道具として使用されたものだといわれています。鏡は日本全国で数多く発掘されており、私は地元の東北地方で見つかった鏡にスポットを当てようと考えています。アルバイトでは発掘調査や中近世の遺物整理にも関わっていて、学業もプライベートも大好きな古墳を堪能しています。