基礎知識
2024.04.30
かつて「推薦入試」の名称で実施されていたが、入試改革に伴い2021年に「学校推薦型選抜」と改称。学力試験を必要としない形式も多く、また一般選抜と比べて早期に合格を確保できるという魅力で年々志願者数を増やしてきた。現在では、私立大において一般選抜を経ての入学者数は半数を割っており、多くの受験生が「学校推薦型選抜(公募制、指定校制)」を視野に入れている。
ポイント
主に受験生の在籍する学校長による推薦を主とした選抜方式で、全国どの高校からでも出願できる「公募制」、出願できる高校が大学から指定されている「指定校制」の2つの種類がある。
公募制推薦は、出願資格の内容などから「一般推薦」と「特別推薦」に分けられる。一般推薦では調査書に記載される「学習成績の状況」(以前の評定平均値)を主とする学業成績が重視され、特別推薦では部活動や取得資格など各種活動の実績に主眼が置かれている。
出願は原則として11月1日以降。先生に調査書や推薦書などを書いてもらう必要があり、また国公立大では1つの高校から出願できる人数に制限があるケースも多く、出願に先立って学内選考があったりするので、出願直前になってあわてることのないよう、スケジュールや必要書類などを早めに確認し、先生にも相談するようにしよう。
指定校推薦は私立大を中心に実施され、大学が指定した各高校の生徒が対象。受験するためには校内選考に通る必要がある。
学校推薦型選抜は、国公立大では原則、合格した場合に入学を確約できる「専願者」のみが出願できる。私立大も専願者のみとする大学が多いが、関西地区を中心に「併願可」の大学もある。
一般推薦における学業成績の要件は主に調査書の「全体の学習成績の状況」や学習成績概評で示される。「数学4.3以上」などのように、教科・科目別の成績を条件とする場合もある。
ポイント
学校推薦型選抜の選考方法は、上記のようなパターン・組み合わせで行われる。最も多いのは2のパターン。国公立大では共通テストを課したり、英語外部検定を出願条件や評価対象としたりする大学も多い。
現役生は、自分の志望大学・学部の成績基準がどうなっているかを進路指導室に置いてある資料などで調べ、あわせて現時点(2年まで)における自分の学習成績の状況を先生に確認しておこう。その数値が志望校の基準値に届かなければ、3年1学期(前期)の中間・期末テストでがんばってクリアすること。特に期末テストは「学習成績の状況」数値アップの最後のチャンスだ。
出典:『2024年度入試対策用螢雪時代4月臨時増刊より』
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