国公立大一般選抜の地区別の確定志願状況と、私立大一般選抜の志願状況をお伝えする。
受験生数の増加、共通テストの平均点アップのため、国公立大の志願者は前年比1%増。
一方、私立大一般選抜は6%増(2月23日現在)で、共通テスト利用方式の増加が目立った。
◎凡例
(1)本文中の表記について
◎前期日程=【前】、後期日程=【後】、公立大中期日程=【中】、昼・夜間主コース=[昼][夜]、共通テスト=共テ、個別学力検査等(2次試験)=2次、と略記。
◎変更点は「2024年→2025年」で表記。
◎学部・学科名は略称で「学部〈学科〉」と記載。
(2)国公立大の志願者増減について
志願者増減は、一般選抜の確定志願者数(2月19日発表)について、2024年の志願者数(2025年に募集しなかった旧学部等・日程を含む)と比較し、%で表示。ただし、専門高校・総合学科卒業生選抜、欠員補充2次選抜、追試験等を除く。
(3)私立大の志願者増減について
志願者増減は、2月23日現在で判明した確定志願者数について、2024年と比較(一部未確定を含む)し、%で表示。
2025年(以下、25年。他年度も同様)の志願者数は、全体で約42万9千人と1%増(別日程の公立4大学を除く)。大学受験生数の増加(約3%増。旺文社推定)、共通テスト(以下、共テ)の志願者約1%増と平均点アップ(=易化)が後押しした形となった。
ただし、自己採点後のボーダーラインも上がったため、基本は「初志貫徹」ながら、現役志向のためやや慎重な出願傾向が見られた。千葉大・横浜国立大・広島大といった準難関校の志願者が増える一方で、中堅校では前年の反動(志願者増減や倍率の変動による)や公立大中期・後期への流出が顕著に見られた。
地区全体で志願者は前年比2%減。北海道大は1%減(以下、大学名・学部名の後のカッコ内に増減を表示)。前期の総合入試(文系・理系の大括りで募集)は文系がやや増加、理系はほぼ前年並みだった。
一方、東北大は5%増。「国際卓越研究大学」正式選定に加え、東京大・東京科学大から志望変更があったものと見られ、文【前】・法【前】・理【前】【後】・工【前】・農【前】の増加が目立った。
この他、前年の反動で山形大(14%増)・福島大(12%増)が大幅増。一方、弘前大(10%減)・秋田大(13%減)・秋田県立大(29%減)が大幅減。また、小樽商科大(7%増)の増加、北見工業大(9%減)の減少も目立った。
地区全体の志願者は3%増。東京大は11%減、5科類で2段階選抜の予告倍率を厳格化したのに加え、学費増額もあり、全科類で志願者が減少。文科三類【前】(14%減)・理科一類【前】(12%減)・理科二類【前】(15%減)の減少が目立った。一方、一橋大は4%増、全5学部の前期で、2次の外国語から聞き取り・書き取り試験を除外したことも要因と見られる。
東京医科歯科大と東京工業大を統合した東京科学大(7%減)は、歯【前】が大幅増、総合型に女子枠を新設し、募集枠を縮小した工学院【前】が大幅減となった。
準難関校では、2段階選抜を全廃した横浜国立大(12%増)、都民の授業料免除制度を導入する東京都立大(22%増)や、埼玉大(16%増)・千葉大(10%増)が大幅増。一方、お茶の水女子大(16%減)・東京農工大(10%減)は大幅減となった。
この他、群馬大(15%増)・新潟大(12%増)・都留文科大(33%増)が大幅増、宇都宮大(18%減)・信州大(10%減)などが大幅減となった。
地区全体で志願者1%増。名古屋大は3%増、2次から国語を除外した理【前】で大幅増。文【前】・法【前】・農【前】の増加、教育【前】の減少も目立った。前年の反動から、富山大(26%増)・富山県立大(24%増)が大幅増。また、愛知教育大(11%増)・名古屋市立大(13%増)や、恐竜学部を新設した福井県立大(15%増)も増加した。
一方、前年大幅増の反動から、福井大(23%減)が大幅減。三重大(18%減)・静岡県立大(15%減)の減少も目立った。
地区全体の志願者は前年並み。神戸大は学部新設(システム情報)、学科増設(医〈医療創成工〉)で2%増。文【後】・国際人間科学【前】・法【前】【後】・海洋政策科学【後】が大幅増、工【前】【後】・農【前】【後】は大幅減となった。一方、京都大は法の後期募集停止のため2%減。文【前】・法【前】・理【前】・医〈人間健康科学〉【前】・薬【前】が増加、総合人間【前】・経済【前】は減少した。また、大阪大も1%減。経済【前】・薬【前】の増加、外国語【前】・医〈保健〉【前】の減少が目立った。
この他、奈良教育大(23%増)・奈良女子大(17%増)・京都府立大(21%増)が大幅増。一方、大阪公立大(1%減)は微減。後期募集停止の京都工芸繊維大(43%減)が大幅減、経済[夜]を募集停止した滋賀大(4%減)や大阪教育大(8%減)・和歌山大(6%減)も減少した。
地区全体の志願者は6%増。岡山大は11%増。教育【前】・医〈医・保健〉【前】・歯【前】・薬【前】・工【前】が大幅増、経済[昼]【前】が大幅減となった。また、広島大は8%増。募集人員増の情報科学【前】や、文【前】【後】・経済[昼]【前】・理【前】【後】・医〈医・保健〉【前】・歯【後】・工【前】・生物生産【前】が大幅増、教育【後】・経済[昼]【後】・薬【前】【後】・生物生産【後】が大幅減となった。
この他、山口大(19%増)・愛媛大(16%増)・高知大(18%増)が大幅増、鳥取大(26%減)・島根大(25%減)・香川大(12%減)が大幅減となった。
地区全体では志願者3%減。九州大は3%減。法【前】【後】・経済【前】が大幅増、文【後】・教育【前】・歯【前】・薬【後】・芸術工【前】・農【後】が大幅減。一方、熊本大は15%増。文【前】【後】・教育【前】・法【前】【後】・医〈保健〉【前】・工【前】【後】が大幅増、理【後】・薬【前】が大幅減となった。
この他、鹿児島大(11%増)が大幅増、宮崎大(6%増)も増加した。一方、長崎大(13%減)・大分大(14%減)・北九州市立大(16%減)が大幅減、佐賀大(7%減)も減少した。
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