倍率
意味志願倍率は出願段階、実質倍率は合格後の情報
倍率には「志願倍率」と「実質倍率」があります。志願倍率は出願段階で発表される倍率で、「志願者数÷募集人員」で算出されます。自分の出願校にどのくらいのライバルがいるかという指標になります。一方、実質倍率は合格発表後に出る数値で、「受験者数÷合格者数」で算出されます。こちらは実際の入試状況を反映します。また、私立大学では、他大学への流出を見越して、合格者数を募集人員より多く発表する大学が多いです。そのため、図5の青山学院大学の例のように、志願倍率よりも実質倍率が大きくダウンするケースが多く見られます。
活用 国公立大学の前期以外は、志願倍率は参考程度に
国公立大学の前期日程の場合、志願倍率と実質倍率はそれほど乖離しません。したがって、志願倍率はその年の入試難易度のある程度の目安になります。しかし、中期や後期日程は、前期日程合格者や私立大学への進学決定者が試験を欠席するケースも多く、実質倍率は志願倍率よりかなり低くなることが多いです。また、私立大学も募集人員以上に合格者数を発表するため、実質倍率は大きくダウンするケースが目立ちます。その意味で、国公立大学中期・後期日程や私立大学は、その年の志願倍率よりも実質倍率を参考にしたほうがよいでしょう。
隔年現象って何?
実質倍率が1年おきにアップ、ダウンを繰り返すことを「隔年現象」といいます。前年に実質倍率が高いと、受験生は敬遠するため、翌年は志願者数が減少して一気に倍率が下がります。そして、その翌年は、前年の低倍率を見て狙い目と感じた受験生が多く出願して、高倍率に・・・。このような現象は大学入試では珍しくありません。志望順位が同程度なら、あえて前年高倍率の大学を狙うという作戦も考えられます。なお、国公立大学の前期日程では、合格者数は毎年ほぼ一定なので、実質倍率の変化は志願者数の増減に左右されます。私立大学の場合は、変動要因として合格者数の増減も加わるため、国公立大学よりも予想が難しくなります。