富山大・金沢大・岐阜大・静岡大・名古屋市立大が志願者増、
福井大・三重大・福井県立大・愛知県立大が志願者減か。
文中、変更点は24年→25年で表記。学部・学科等の名称は、略称で「学部(学科)」と記載。国公立大は前期日程=【前】、後期日程=【後】、公立大中期日程=【中】、昼・夜間主コース=[昼][夜]、共通テスト=共テ、個別学力検査等(2次試験)=2次、学校推薦型選抜=推薦型、総合型選抜=総合型、共テを課さない(課す)=共テ免除(課す)、実質倍率(受験者数÷合格者数)=倍率、と略記。教科・科目数は「6または7教科8または9科目(科目選択による)=6(7)教科8(9)科目」のように略記。私立大も入試方式・日程等を略記した。
● 富山大
24年は能登半島地震の影響もあり、全学で志願者19%減。その反動から、人文【前】・教育【前】・理【前】【後】・医(医)【前】・薬【前】・工【前】・芸術文化【前】【後】・都市デザイン【後】で志願者増が見込まれる。工【前】は募集人員増(288人→301人)も増加要因となりそうだ。
一方、やはり前年の反動から、経済【後】・医(看護)【前】【後】・薬【後】は志願者減の見込み。また、教育【後】は共テ科目増(4→8科目)、工【後】は募集人員減(58人→45人)と2次の変更(コースごとに異なる学科試験を小論文に変更・統一)が敬遠材料となり、いずれも大幅減が見込まれる。ただし、経済【後】は共テの数学が1科目のため、小幅な減少に留まりそうだ。
● 金沢大
学類別募集では、前年の反動から人文【前】・経済【前】・地域創造【前】・数物科学【前】・物質化学【前】・理工3学類一括【前】・保健【前】で志願者増、先導【前】・観光デザイン【前】・法【前】・学校教育【前】・地球社会基盤【前】・生命理工【前】・医【前】・薬【前】で志願者減の見込み。また、文系・理系一括入試(学類別募集と別枠で実施)も、前年の反動から文系【前】・理系【前】ともに志願者増が見込まれ、募集人員減(文系72人→68人、理系83人→78人)のため、やや難化しそうだ。
● 福井大
24年は全学で志願者64%増。その反動から、教育【後】・医(医)【前】【後】・医(看護)【前】・工【前】【後】・国際地域【前】【後】で志願者減が見込まれる。特に、工【後】は募集人員減(191人→134人。推薦型・総合型に女子枠を導入)のため、大幅減は必至。富山大‐工【前】・医(医)【前】、富山県立大‐工【前】【後】などへ志望者が流出しそうだ。
● 岐阜大
応用生物科学で2課程→3学科に改組(この他に共同獣医学科あり)し、募集人員を【前】133人→129人、【後】20人→25人に変更。前年の反動から、地域科学【前】・医(医)【前】・医(看護)【前】【後】・応用生物科学【後】で志願者増が見込まれる。医(医)【前】・医(看護)【前】【後】には、三重大‐医(医)【前】・医(看護)【前】【後】からの志望変更が想定される。一方、やはり前年の反動から、工【後】・社会システム経営学環【前】は志願者減が見込まれる。
● 静岡大
前年の反動から、人文社会科学[昼]【後】・情報【前】【後】・理【前】・工【前】【後】・農【前】【後】・グローバル共創科学【前】で志願者増、教育【前】・グローバル共創科学【後】で志願者減の見込み。人文社会科学[昼]【前】も、法・経済の2学科の2次負担増(小論文を追加)で志願者減が見込まれる。
● 名古屋大
理【前】・医(医)【前】で2次から国語を除外。難関校志望者の関心が高く、志願者増に結びつきそう。理【前】は募集人員減(220人→215人)のため、難化が見込まれる。この他、前年の反動から、文【前】・法【前】・農【前】で志願者増、経済【前】・医(保健)【前】・工【前】で志願者減が見込まれる。
● 三重大
前年の反動から、人文【前】【後】・医(医)【前】・医(看護)【前】【後】・工【前】で志願者減、教育【後】・工【後】・生物資源【後】で志願者増が見込まれる。工は定員増に伴い募集人員増(【前】222人→233人、【後】130人→141人)、前期は易化の、後期は志願者増の要因となりそう。また、生物資源(農林環境科学、海洋生物資源学、生命化学)【後】の2次から「数学・理科から1」を除外、負担減となり、これも増加要因となりそうだ。
● 富山県立大
開設2年目の情報工は、前年に低倍率(1.7倍)だった前期が狙われそう。また、前年の反動から、工【前】【後】・看護【前】【後】で志願者増が見込まれる。いずれも共テで情報を課さず、看護【前】【後】は共テの数学が1科目であることも要因となりそうだ。
● 公立小松大
前年の反動から、保健医療【前】・国際文化交流【前】で志願者増、生産システム科学【中】で志願者減が見込まれる。
● 福井県立大
恐竜学部を新設。募集人員は【前】15人・【後】3人と小規模だが、そのユニークさから注目度は高い。ただし、共テの情報の配点比率が高い(前期・後期とも20%)ことと、交通アクセスの不便さが敬遠され、初年度は低倍率になりそう。
この他、前年の反動から、経済【前】・生物資源【前】【後】・海洋生物資源【前】【後】で志願者減、経済【後】で志願者増が見込まれる。看護福祉【後】は看護学科の募集人員減(17人→10人)、生物資源【前】は恐竜学部と同様、共テの情報の配点比率が高い(17%~20%)ことが敬遠材料となりそうだ。
● 静岡県立大
食品栄養科学【後】は募集人員減(14人→7人。食品生命科学科で後期を募集停止)が志願者減に直結し、経営情報【前】は2次負担増(数学・英語から1→数学・英語必須)が敬遠され、志願者減が見込まれる。
この他、前年の反動から、薬【中】で志願者増、食品栄養科学【前】・経営情報【後】・看護【前】【後】で志願者減の見込み。経営情報【後】は募集人員減(15人→10人)も要因となりそう。また、薬【中】は岐阜薬科大‐薬【中】からの志望変更がありそうだ。
● 愛知県立大
前年の反動から、看護【前】で志願者増、外国語【前】【後】・教育福祉【後】・看護【後】・情報科学【前】【後】で志願者減が見込まれるが、情報科学以外は共テの数学が1科目なので小幅な減少に留まりそうだ。
● 名古屋市立大
医学部に看護学部を統合、リハビリテーション学専攻(理学療法学・作業療法学の2コース)を増設し「医学部保健医療学科」に改組。地区内では希少な公立医療系として、看護学科が前年の反動で志願者減となる分をカバーしそうだ。
この他、前年の反動から、医(医)【前】・薬【中】・人文社会【前】【後】・総合生命理【後】で志願者増、経済【後】・芸術工【後】で志願者減が見込まれる。
● 三重県立看護大
前年の反動から、看護【前】【後】とも志願者減の見込み。前期から岐阜県立看護大‐看護【前】への志望変更が想定される。
24年に「志願者減・合格者大幅増」で倍率ダウンした中京大、英語外部検定利用を拡大する名城大はやや志願者増、愛知大・南山大はほぼ前年並みか。名古屋葵大の共学化(名古屋女子大から名称変更)の動向も注目される。以下、志望動向に影響しそうな変更点を紹介する。
金沢工業大で全学的に改編(4→6学部)、一般選抜で「都道府県選抜試験」を新規実施し、一般試験Aを3→2教科に軽減。岐阜聖徳学園大で学部改組(外国語→人文)、一般前期に基礎科目方式を追加する。
愛知大の数学重視型入試で、国語・英語の配点を各100点→50点に低減(数学は200点のまま)。愛知医科大は医で共テ利用後期を廃止する一方、看護で共テ併用型を新規実施。愛知淑徳大で教育・建築の2学部を増設。南山大の共テ利用前期で、理工は5→6教科型に増加(情報を追加)、国際教養は3教科型を新規実施。日本福祉大は工学部を新設、共テ利用方式で全学部出願型(3教科型)を新規実施。名城大は共テC方式前期で、法・農・薬は5教科型を新規実施し、農の4教科型を3教科型に軽減。また、法・外国語・人間・都市情報・農・薬の一般A・F・K方式で英語外部検定が利用可能になる。
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