さらに、2025年からは“新課程”となる。
変更点を確認しておこう!
そもそも“新課程”って何?
高等学校は2022年4月の入学者より、学習指導要領(全国どこでも一定の水準の教育を受けられるよう、文部科学省が定めた教育課程の編成基準のこと)が改訂された。この指導要領に基づいた教育課程が“新課程”と呼ばれている。この新課程は「新しい時代に必要となる資質・能力の育成と、学習評価の充実」を目標とし、「主体的・対話的で深い学び」から、「新しい時代に求められる資質・能力を育成」するもの。情報活用能力の育成も、その1つとされている。
2024年⇒2025年
共テの変更点を確認しよう!
変更点
- 情報を出題教科に追加
- 国語の大問が1増、試験時間10分増
- 地理歴史、公民の出題・選択方法変更
- 数学②(「数学Ⅱ」「数学Ⅱ、数学B」、「簿記・会計」、「情報関係基礎」)が「数学Ⅱ、数学B、数学C」の1科目に変更、試験時間10分増
- 理科の試験時間(“基礎”を付すもの・付さないもの)を統合
- 得点調整の対象教科・科目および実施条件・方法を一部変更
- 追試験を本試験の1週間後(1月25日・26日)に実施
情報
旧課程履修者は2科目の範囲から選択
旧課程履修者(主に既卒生)で「旧情報」を受験する場合、その出題範囲は旧指導要領の科目である「社会と情報」および「情報の科学」の内容になる。両科目の共通部分に対応した必答問題に加え、2科目それぞれに対応した選択問題が出題されるので、試験時間中に選択解答する。
プログラミング言語はオリジナル
プログラミングに係る問題については、初見でも理解できるような共テ用のプログラム表記が用いられる予定。2022年11月に公表された「試作問題」内に例示されている。なお、2024年までの「情報関係基礎」で使用されていたものとは異なる。
情報の得点調整のみ特別対応選択した科目間で、有利・不利が生じないよう、対象教科間(新旧課程間も適用)で「20点以上の平均点差が生じた」、または「15点以上の平均点差が生じ、かつ段階表示の区分点差が20点以上生じた」場合には、得点調整が行われる。受験者数が1万人未満の科目は対象外だが、「情報Ⅰ」「旧情報」の間だけは、受験者が1万人未満でも、前述の平均点差が生じた場合には調整が行われる。
数学
新課程には数学Cが追加
新課程では、時間割の数学②グループが「数学Ⅱ、数学B、数学C」のみに変更となる(旧課程履修者は「旧数学Ⅱ・旧数学B」や「旧簿記・会計」なども選択可能)。複素数平面が加わるなど、出題範囲が広がった。2024年までは全4問の解答だったが、試作問題では全6問の解答だった。
また、新課程、旧課程科目ともに、試験時間が10分増える。
国語
現代文の大問・配点増
2025年からは大問数が全5問となる。現代文が1問増えて計3問110点、古典が90点(古文・漢文各45点)と配点も変わる。試作問題での配点は、下の表のとおり。また、試験時間も10分増えて90分となる。
地歴・公民
出題の極端な変化はない見込み
地歴・公民は、6科目に再編される(旧課程履修者は「旧日本史B」などの選択が可能)。歴史は近現代史からの出題が多くなりそうで、地理も出題内容が広がる可能性が高いが、どちらも教科書の内容が大幅に変わっているわけではないので、出題に極端な変化や難化はないと予想される。
この記事は「螢雪時代(2024年12月号)」より転載いたしました。
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