国語担当
青森県立青森中央高等学校 総合学科推進部部長
笠井 敦司 先生
(かさい・あつし)担当は国語。進学校での指導歴20年。最難関大一般選抜のほか、学校推薦型選抜・総合型選抜の対策指導にも取り組んでいる。小論文・志望理由書の書き方に関する個別指導や講演、図表読み取り問題の対策指導も実施。
数学担当
愛知県立西春高等学校 進路指導部
小川 英将 先生
(おがわ・ひでまさ)担当は数学。進路指導歴10年。校訓「真摯・創造・奉仕」のもと、学習に限らず、学校行事や部活動などあらゆる活動を通じて人間力を高めることが、進路の実現には必要不可欠だと考えて生徒を指導している。
共通テストで
8割を目指すには何が必要?
まずは、共通テストで8割を目指すために必要なことを紹介しよう。笠井先生は「すごく苦手な科目がないこと」を挙げる。「共通テストは2次試験に比べて科目数が多いため、配点の高い英数国ですごく苦手な科目が1つでもあると、8割は厳しくなります」と指摘し、「苦手科目の得点が6割だと、全体で8割取るのは難しくなる。苦手だとしても7割は取れるようにすることが大事です」と語る。
小川先生が挙げるのは「共通テストの傾向に合わせた対策」だ。「センター試験から共通テストに変わり、試験の傾向に応じた対策の重要性は上がりました。難関大志望者であっても、共通テストの形式や傾向に応じた演習をある程度やらないといけません」と説明。そのうえで、「知識や公式をただ覚えるのではなく、本質から理解していることが求められます。共通テストらしい問題文の誘導に乗って問題を解く必要があるため、自分のやり方にこだわり過ぎない柔軟さも必要です」と解説する。
共通テスト形式に応じた対策の重要性は笠井先生も指摘する。「国語では、探究学習などの場面設定がされたうえで、問題を解くケースがあります。その場合、本文に没頭しながら読むよりも、問題全体をもう少し俯瞰して見るような読み解き方が必要です。これはシンプルな読解力というより、『問題の場面設定に応じて正解を読み解く力』です」と解説。たとえば、問題の場面設定が複数人で議論しているという状況なら、通常の読解力に加えて、その議論における正解を読み解く力が要求される。
2次試験対策を中心に勉強している受験生も多いと思うが、共通テストの形式や傾向に対応するには一定の時間と演習量が要る。共通テストに応じた対策も軽視しないようにしよう。
難関国立大志望者にとって、共通テスト8割はぜひ達成したいところだ。笠井先生は「最難関の大学は別として、8割取れれば旧帝大にも挑戦できる」、小川先生は「旧帝大志望者にとって8割はボーダー付近に当たる。自信を持って出願できるはず」と語る。
共通テストの配点が高い地方国公立大の場合、共通テストで8割取れると安心できるだろう。小川先生は「余裕を持って2次試験に向かえる。人によっては志望校を1ランク上げてもいい」、笠井先生は「8割取れるといいが、7割は下回らないように」と話す。
共通テスト得点別 到達度と不足点
7割未満
共通テストで7割未満の場合、その受験生の到達度はどれくらいだろうか。小川先生は「7割以上取れるなら基本は概ねできていますが、7割未満だと基本にも怪しい点があります」と説明。「大問の後半になると対応が難しいのではないでしょうか」と話す。
7~8割
共通テストで7割以上8割未満の得点の場合、笠井先生は「7割に達しているなら、国語でいうと古文と漢文の基礎はできています」と到達度を説明。8割に届かない理由として、「時間配分や処理スピードに課題があると思います」と分析する。
8~9割
共通テストで得点が8割に達すると、一般的には高得点といえる。笠井先生は「設問文の趣旨を素早く理解して、ブレない視点で解答できる力が必要です」と解説。また、現代文で満点を取るのは至難の業だとして、「9割以上も相当うまくいった場合」と語る。
9割以上
共通テストで9割以上の得点が取れれば、文句なしの高得点だ。小川先生は「9割以上得点できる人は、数学的な思考力や処理スピード、形式や傾向への慣れなどすべてハイレベルな人です」としたうえで、「ケアレスミスをなくして9割をキープしましょう」と話す。