共通テスト
数学8割を目指すには
ここでは小川先生が、共通テストの数学で8割を取るポイントを紹介。ベテラン先生の解説をヒントに、共通テストで8割を目指そう!
愛知県立西春高等学校 小川先生の解説
ポイント1
明確な苦手分野を作らない
明確な苦手分野があると、数学で8割に到達するのは難しいでしょう。苦手分野の大問を1つ丸ごと落とすと、それだけで20~30点失点することになります。さらに、苦手分野の大問以外でも、誘導にうまく乗れなかったり計算ミスをしたりして失点する可能性があります。苦手分野の大問で20点落とし、計算ミスなどで10点以上落とすとしたら、それだけで得点は8割以下になってしまいます。手も足も出ないような明確な苦手分野が存在しないことは、8割に到達するためにはとても重要です。
もちろん、「この分野は7割くらいしか取れないけれど、その代わりあの分野で満点を目指そう」といった戦略はありです。ただし、本番直前期は別として、余裕があるうちは苦手分野の対策に時間をかけましょう。
ポイント2
共通テストならではの難しさに慣れる
共通テストならではの傾向や形式に慣れることが必要だとお伝えしましたが、これは2次試験では見かけない形式の問題が存在するからです。難関大志望者にも、2次試験形式の問題は得意でも、共通テスト形式は苦手な人がいます。
共通テストの数学では、実生活を題材にした事象を数学的に解く問題がたびたび出題されています。そうした問題は基本的に初見の問題となるため、これらの初見問題への対応力を磨いておかないと高得点を獲得できません。共通テスト形式の問題に苦手意識がある人は、予想問題集などを解いて慣れるのがいいでしょう。その中でもし明確な苦手分野が見つかった場合は、教科書に戻って復習することを忘れないでください。共通テスト形式の問題をある程度解くことで、少しずつ自信もついてきます。
ポイント3
問題の見極め力や時間配分を身につける
数学に苦手意識がある人の場合、8割を目指すなら問題を見極める力も必要になります。見極めとは、大問の後半で「これ以上考えても解答できなさそうだ」と判断できたら、割り切って次の問題に移ることです。
数学が得意な人でも満点を取ることは難しいので、苦手な人ならなおさら見極めが大事です。難しい問題にこだわり、時間不足に陥って解けるはずの問題まで落とすより、他の問題を確実に得点して8割を目指しましょう。問題の見極め力は、問題演習を通じて身につきます。
また、問題の見極めとも関わりますが、共通テストに対応した時間配分を身につけることも必須です。センター試験から共通テストに変わってから、解答時間はかなりシビアになっています。予想問題などを活用して、自分なりに時間配分を工夫しましょう。
数学の予想問題を解く際、必ずしも本番通りの70分の解答時間ですべての大問を解く必要はありません。自分なりの時間配分をもとに各大問の解答時間の目安を設定し、個別に大問を解く形でもよいと思います。
ポイント4
余白をうまく使い、字をきれいに書く
共通テストは問題文も長く、時間との戦いになります。共通テストで8割を目指すために、処理スピードや時間配分が重要なのはお伝えした通りですが、同時に意識してほしいのが「余白をうまく使うこと」と「計算などの字をきれいに書くこと」です。
どうしてもスピード勝負なので、字をきれいに書くことが難しいと感じる人もいると思います。しかし、余白に書いた字が汚いと自分でも混乱してしまい、マークミスにもつながりかねません。
数学など理系の科目では、文字だけでなく式を書いたり、自分で図を描いたりすることもあります。余白のスペースをうまく使って、読み間違えないようなきれいな字を書くことは大切です。ただし、字をきれいに書くことに集中し過ぎて問題を解けなければ意味がないので、解答のスピードとの両立が求められます。
マークミスの防止は多くの受験生が意識すると思いますが、字をきれいに書くことは意外と軽視されがちですので、8割を目指すならぜひ意識してほしいと思います。