共通テスト
国語8割を目指すには
笠井先生は、共通テストの国語で8割を取るためのポイントを紹介。共通テストの国語は苦手な人も多い。ベテラン先生の解説をもとに対策を練ろう!
青森県立青森中央高等学校 笠井先生の解説
ポイント1
古文と漢文の基礎を固める
共通テストの国語で8割を目指すなら、古文と漢文の基礎が固まっていることは必須です。国語で高得点を目指したい人は、まずはそこから着手してください。そもそも、国語は満点を取るのが難しい科目です。現代文は題材となる文章との相性があるため、国語が得意な人であっても、現代文で失点することで9割に届かないことはよくあります。国語が得意な人でも得点を限りなく9割に近づけるためには、処理スピードや設問文理解が必要になるのです。
一方で、古文と漢文は高得点を狙えます。古文と漢文に苦手意識があるとしても、単語や文法など基礎知識を覚えれば、共通テストの問題には歯が立つようになってくるはずです。そうなれば、国語はある程度安定した得点が望めるようになります。
ポイント2
2次試験にも通じる本文の読解力を磨く
共通テストの国語では、2種類の読解力が求められます。具体的には、通常の本文の読解力と、共通テスト特有の設問を理解するために必要な読解力です。ポイント2では前者をメインに触れ、後者はポイント3で説明します。
特に難関大を目指す受験生は、2次試験の対策を中心に勉強している人が多いと思います。本文の読解力は、共通テストでも2次試験でも、現代文の問題では同じように必要です。本文の読解力は、志望校を問わず磨きましょう。
効果的な共通テスト対策をするために、2種類の読解力を意識しながら共通テスト形式の問題を解くことをおすすめします。本文の趣旨を理解する読解力なのか、共通テストの設問を理解する読解力なのか、どちらが求められているのかを意識しながら問題を解いてください。
ポイント3
共通テストならではの設問理解
共通テストの国語の大きな特徴として、探究学習のような場面設定のもとで出題されることが挙げられます。どのような設定を踏まえて問題を解く必要があるのか、共通テストではこの設問理解の力を鍛えることが必要です。この点は、前身であるセンター試験とも2次試験とも異なる、共通テスト特有の要素です。共通テストの国語に苦手意識のある人は、この設問理解に手間取っているのかもしれません。
ポイント2でも触れた通り、演習や復習をする際に「共通テストならではの設問理解が求められている」と意識しながら解くことが大事です。具体的には、リード文は問題の前提や根拠になる部分なので、演習や復習でも読み飛ばさないように注意しましょう。設問の状況を理解し、ブレない視点で解答できるようになることが高得点につながっていきます。
志望校の配点にもよりますが、「共通テストで絶対に高得点を取りたい」という人は、本番直前の時期はいったん2次試験対策を休み、共通テスト対策に専念してもいいと思います。過去問は必ず活用しましょう。
ポイント4
2025年に加わる新設の問題への対策
2025年の共通テストは新課程入試となり、各科目でいくつか変更点があります。国語では、近代以降の文章(現代文)に新傾向の大問が1題加わって全5題となり、試験時間も10分延長されて90分となります。国語で8割を目指すなら、この新設された問題への対応は避けて通れません。
新しい問題なので、対策に活用できる材料は多くありません。大学入試センターがホームページで公開している2題の試作問題には、ぜひ取り組んでください。試作問題を解いてどのような力が求められるのかを理解したうえで、予想問題などに取り組むことをおすすめします。本番も試作問題と同様の形式で出題されるとは限りませんが、試作問題が基準となるのは間違いありません。
試作問題を見る限り、データやグラフを分析する視点と、複数のデータなどを組み合わせてその意味や価値を解釈する視点との、両方が必要とされるようです。ただ漫然と問題を解くのではなく、求められる視点を意識しながら演習を重ねるようにしましょう。