河合塾
上住 友起 先生
東京大・京都大などの志望者が受講する世界史論述から共通テスト・私立大の講座まで担当し、大きな支持を得る。『一問一答 世界史 ターゲット4000』(旺文社)など著書多数。近年は実業家としても注目される。
歴史総合では日本と世界の絡みがテーマとなり、世界史探究では日本を除いたテーマがメインとなる。共通点としては、読解力とともに世界を俯瞰できているかを試される問題が増加し、特にヒト・モノ・カネのグローバルな動きが狙われる。歴史的な資料・地図・データや、先生と生徒の会話文などから、国家間の関係やその関係性の変遷などが問われる可能性も大きい。政治史と社会・経済・文化史の関係に関する問題は、センター試験の頃から頻出で、文化史は単に作品と作者を問うのではなく、政治や経済との絡みを考察させる問題となるだろう。
傾向
歴史総合では、19~20世紀末までの日本と世界の関係を中心に問われるだろう。図版・史料・年表・グラフやデータ・会話文などを用いて、読解力・思考力・歴史的知識を複合的に問う問題が予想される。日本史は、政治・経済・文化とまんべんなく出題されるだろう。
対策
世界史の流れの中に日本史をとらえる学習が重要で、政治史だけでなく社会経済史や文化史にも注意が必要。史料や会話文形式に関しては、読み込むことで解答のヒントを見つける力を養うために、一定の演習量を確保したい。グラフやデータに関しては年代的な知識が必要。日頃から教科書や資料集のグラフに慣れ親しみ、歴史の流れの中で事象をとらえる学習を行おう。
傾向
地図・データとパネルから思考力を問う問題が予想される。単に地理的な知識だけでなく、その知識をベースにして歴史的なヒトやモノ・文化などの動きをデータ・パネル・会話文などを駆使しながら問う形式になるだろう。多くの情報を処理する能力も試されることになる。
対策
共通テストは、用語・年代などの丸暗記では太刀打ちできない問題が多く、あらゆる知識を総動員しながら設問にあたる必要がある。その際に求められるのが、読解力や思考力である。したがって、日頃から漫然と教科書の本文だけを読むのではなく、欄外の地図や図版・グラフなどを参照しつつ、歴史的な動きを頭の中でイメージするような学習を心がけたい。
傾向
国家・政治と文化・宗教・社会風俗との関係を史料・図版から問う出題が予想される。文化史は、単に作品と作者を結びつけるだけでなく、時代との関係や、作品の内容が示す文化史的な意味や意義が問われるだろう。さらに、「政教分離」のような概念を問う出題にも注意が必要だ。
対策
文化史は、名称を丸暗記して済まそうとする学習に陥りがちである。文化史的事象の時代との関係、その作品の歴史的意味や意義、他の国や地域への影響、後世への影響や変遷などを意識した学習を心がけよう。概念を問う問題は、文化史に限ったことではなく、政治史でも同じ。類似する事象が他の時代や国・地域にも当てはまらないか意識する学習を心がけてほしい。
傾向
史料・データ・レポート・地図を用いて、歴史的事象に関して複合的な知識を問う出題が予想される。また、史料・レポートに関しては、読解力を試すとともに、そこに年代やデータを絡めて歴史的な動きを論理的な思考で考察させる問題が予想される。時間配分に気をつけよう。
対策
センター試験と比べると圧倒的に「読む量」と「情報を処理する量」が増えているため、迅速に解答できるように演習量の確保は必須だ。データ問題は年代が重要で、データ上の数値の増減の根拠を教科書の記述などから見つける学習は欠かせない。データを読み込んで、教科書に基づいた歴史的な知識をもって解答すればよい。また、地理的な知識の補充も忘れないこと。
演習開始時期:11月中旬~
目標使用量:10回分
2022年の第3問「世界史上の人々の交流や社会の変化に関する問題」は、共通テスト定番の会話文形式の問題だった。空所の前後を読み、入る語を確定させないと解答できないもので、この年から演習を始めよう。共通テストの過去問は、再試験(追試験)も含めて利用したい。センター試験のほうは、形式が違うため時代・地域・用語的知識の確認として使うとよい。
2025年は日本史を含む歴史総合から25点分出題されるため、共通テストの過去問だけではどうしても知識的に不足する。それゆえに、新課程の共通テスト問題集を使用した演習を必ず行おう。演習で間違えた箇所は、必ず教科書に戻って知識の確認を行うこと。同時に図説(資料集)なども使用して、同時代の政治的・経済的・文化的な絡みまで確認しよう。
この続きを読むには
に登録(無料)が必要です
さらに旺文社のサービスで
この他にも便利な機能が!
詳しくはこちら