英語(リスニング)
千葉県・東邦大学付属東邦中学校・高等学校
佐々木 欣也 先生
「英語は口を動かす実技科目だ」をモットーに、「音読」を最重要視した熱い授業を展開中。著書に『共通テスト英語 図表・グラフを含む問題』『大学入試 Basic Lecture 動画でわかる英文法[必修文法編]』(ともに旺文社)など著書多数。
聞きながら解答する「マルチタスク力」が必要
リスニングは従来通り大問6題構成で、テーマ1~3が全体の配点の60%程度を占める見込み。テーマ1・2は2回読みだが、テーマ3以降は1回読みとなる。また、アメリカ人話者だけでなく、イギリス人話者や非ネイティブ話者も含まれる。そのうえで、発話音声を正しく聞き取るだけでなく、聞き取った情報を整理したり、他の表現に言い換えたりする能力が求められるだろう。さらに、イラスト選択問題や、図表の穴埋め問題、ワークシートの完成問題、グラフの読み取り問題なども多数出題され、聴解力と情報処理力が同時に問われることとなる。
● 長いモノローグ(講義)
傾向
試作問題Cの新傾向問題は、従来の内容一致問題ではなく、「グループのメンバーA・Bの発言は講義内容と一致するか?」という問題に再構築されていた。2025年も、聞き取った情報を他者と共有する力や、グラフ資料を総合的に処理する力を問う問題が出題されるだろう。
対策
講義内容は二項対立(対照的な2つの事柄を比較しながら展開する)であることが多いので、講義を聞きながら、どちらの説明なのかを見失わないようにすることが大切だ。判明した情報をワークシートに記入しながら講義を聞くようにトレーニングを積み重ねるとよい。図表問題は、音声が流れる前にグラフの類似点と相違点をチェックして、消去法を最大限に活用しよう。
● 長い対話・会話
傾向
例年、各発話者の主張や要点を把握する問題が出題されている。Aでは、男女2人の話を聞いて、主張と一致させる問題が狙われる。一方、Bは男女4人があるテーマについて賛否を論じる問題であり、発話者の考えの根拠となる図表を選ばせる設問が出題されやすい。
対策
あるテーマに対して賛否を問う問題が多いので、発話者それぞれが賛成・反対どちらなのかを最初に把握しよう。特にBの問題は発話者が4人なので、事前に4人の名前をインプットしておくことで、混乱を未然に防ぐことができる。また、発話者は自分の意見を最後まで貫き通すことが多いので、メモをとりながら、誰がどんな主張をしているのか見極めよう。
共通テスト&センター試験
過去問はこう使う!
演習開始時期:11月上旬~
目標使用量:週に1回分
センター試験は2回読みなので、あえて1回読みにして負荷をかけたトレーニングを週に1回ほど積むとよい。復習時には、本文の表現と正解の選択肢の表現がどのように一致しているかを確認すること。正解の選択肢では、本文の表現が巧妙に言い換えられている場合が多いからだ。さらに、図表で用いられる前置詞や副詞などの用法も細かくチェックしていこう。
教科書の音源を使って、なるべく日本語に訳さずに、英語の語順のまま理解できるようにすることが先決だ。問題集を復習する際は、聞きっぱなしにせず、スクリプトを見ながら自分がどれくらい正確に内容を聞き取れたか確認する作業を行うこと。さらに、聞き取れなかった部分だけでいいので、「オーバーラッピング」や「シャドーイング」をしてトレーニングを積むとよい。