低GI食で血糖値の急激な上下を防ぎ集中力や記憶力をアップさせる!
脳をしっかり働かせるには大量のエネルギーが必要
受験勉強には、脳のパフォーマンスを長時間維持することが求められます。脳は人体において2%ほどの質量しかありませんが、消費するエネルギーは体全体の20~25%にも及びます。大量のエネルギーを消費する脳をしっかり働かせるためには、食事がとても重要になります。受験生の皆さんは、大前提として朝食を抜くようなことは避けてください。
食事で摂取する栄養素のうち、最も脳のエネルギーになるのが糖質です。しかし、単純に糖質を含む食品をたくさん食べればいいかというと、そうではありません。
皆さんは、食べ過ぎて満腹になり、食後に頭がぼんやりするという経験をしたことがあるでしょうか。これは、脳が“血糖値スパイク”という状態になっているために起こります。この血糖値スパイクを起こさないような食事をすることで、学習効果のアップが期待できます。そのためにおすすめしたいのが、“低GI”食と呼ばれる食品を取り入れた食事術です。
血糖値スパイクによって脳がエネルギー不足になる
血糖値スパイクについて、もう少し詳しく説明します。食事で糖質をたくさん摂ると血糖値が急上昇し、インスリンというホルモンが大量に分泌されます。このインスリンの働きにより、急上昇した血糖値は急激に下がります。これが血糖値スパイクです(下のイメージ図参照)。
血糖値スパイクにより低血糖になると、脳のエネルギーも不足します。この結果として、眠気や倦怠感が起きたり、不安や苛立ち、空腹感などに襲われたりするのです。せっかく食事でエネルギーを摂ったのに、血糖値スパイクで脳がエネルギー不足になってしまったらもったいないですよね。これを解決する手段になるのが、低GI食を取り入れた食事術です。
GIとは、グリセミック・インデックスの略で、食品を食べた後の血糖値の上昇を示す指標です。この数値が高いほど食後の血糖値が急激に上がり、数値が低いほど血糖値の上昇はゆるやかになります。つまり、受験生の皆さんが集中力や記憶力を上げたいという場合、低GIの食品を取り入れると、血糖値スパイクを起こさずに脳にエネルギーを供給できます。
また、糖質の摂り過ぎがよくないのはこれまで説明してきた通りですが、糖質をまったく摂らないのもよくありません。脳は糖質不足で血糖値が下がり過ぎると、アドレナリンというホルモンを分泌し、無意識のうちに攻撃的になってしまいます。血糖値スパイクを起こさないように糖質を摂る低GI食によって、脳のパフォーマンスを向上させていきましょう。