学習効果をアップする低GI食実践法
低GI食を取り入れた食事術の意義がわかったところで、具体的な低GIの食品について解説する。さらに、受験生も実践しやすい朝食・昼食・夕食も西先生にご紹介いただいた。
うどんよりそばが低GI、食物繊維豊富な食材を食べる
低GIの食品を見分けるポイントを3点お伝えします。まずは「甘過ぎるものは要注意」です。砂糖をそのまま原料に使ったお菓子や、甘過ぎる果物はGI値が高めです。
次に「炭水化物は白いものより黒いものを選ぶ」です。炭水化物に含まれる糖質の量は、食品の色によって異なります。お米なら白米より玄米、パンなら白い食パンより精製されたライ麦パン、うどんよりそばが、低GIとなります。
最後は「食物繊維が多いものを選ぶ」です。野菜は食物繊維が豊富な食材ですが、でんぷん質を多く含むイモ類は高GIの部類になります。食事をするときは、炭水化物の前にまずは野菜から食べたり、お味噌汁を飲んだりすることで、血糖値の上昇を抑えることができます。
朝に1杯の牛乳を飲もう!
朝食におすすめの低GI食品としては、牛乳が挙げられます。牛乳に含まれるカゼインというたんぱく質の効果で、糖質の吸収が抑えられます。朝に飲むとこの効果が夜まで持続するので、朝に1杯の牛乳を飲むのがおすすめです。
また、“幸せホルモン”と呼ばれるセロトニンの原料となるトリプトファンを豊富に含む食品もおすすめです。トリプトファンと糖質を一緒に摂ることで、脳内でセロトニンが作られやすくなります。トリプトファンは、納豆や油揚げなどの大豆製品や、チーズ、卵、ナッツ類などに多く含まれます。シリアルにナッツを入れて食べるなど、朝食に取り入れてみてください。
トッピングを意識しよう
意識してほしい低GI食品はチーズです。たとえば昼食にカレーを食べるとしても、チーズ入りのカレーにしたほうが低GIになります。コンビニなどで昼食を購入する場合は、チーズ入りのドリアやリゾットなどもおすすめです。
そばも昼食におすすめの低GI食品です。ただそばだけを食べるのではなく、とろろそばや天ぷらそばにすると、なおいいでしょう。とろろは食物繊維が豊富ですし、天ぷらは油に血糖値上昇を抑える効果があります。
お昼にラーメンなどガッツリしたものを食べたい場合の裏技もご紹介します。それは、酢をかけることです。低GIの効果が期待できます。
鍋料理は理想的な低GI食
これからの季節におすすめの夕食が鍋料理です。鍋料理は低GIの料理としてとても理想的で、初めに野菜と肉や魚などのたんぱく質を食べ、締めとしてご飯やうどんなどを食べるという順序なので、血糖値が上がりにくいのです。保護者の方にとっても、鍋料理は比較的用意しやすいのではないかと思います。
夕食では、睡眠の質向上につながるアミノ酸・グリシンが含まれている食品を摂るのもおすすめです。これは、イカやタコ、マグロなどの魚介類に含まれています。また、鶏の皮にも含まれるので、鶏の皮の焼き鳥などでグリシンを摂取するのもいいと思います。