物理基礎/物理
代々木ゼミナール 中川 雅夫 先生
丁寧で明快な講義と生徒指導での面倒見のよさは定評がある。『物理の良問問題集』『物理 標準問題精講』『センバツ33題 物理』などの著者であり、『全国大学入試問題正解 物理』(いずれも旺文社)の解答者・巻頭言執筆者。
本番を制する解答戦略は?
共通テストでは、会話文を用いるなど出題形式を工夫しながら、身近な現象を扱った問題が出題される。そこで、まず大切なのは、問題の設定や形式に惑わされずに「物理の何の力が問われているか?」を素早く把握することである。さらに、設問のほとんどには選択肢があるので、それを活用して解くという考え方も大切になる。また、できるだけ早く普段の力が出せるように、取り組みやすい問題から着手して調子を上げていくことを意識したい。
本番解答術 おすすめ!TOP1 <物理基礎/物理>
キーワードから問題のテーマを素早くつかむ
問題を攻略するには、まず「物理の何がテーマなのか?」を把握することが先決だ。問題を丁寧に読んで把握するのが基本だが、時間的に厳しい。そこで、問題文からキーワードを見つけよう。例えば2023年「物理」の第1問・問1では、「板の全長を2:1に内分する位置」という記述に着目することで、距離と力の関係、すなわち力のモーメントを考える問題だと把握できた。何を考えるかがわかれば、あとは関連知識を頭から呼び出すことで攻略できる。
本番解答術 おすすめ!TOP2 <物理基礎/物理>
図・グラフ問題は、「点」に着目して突破する
正しい図やグラフを選ぶ問題、与えられた図やグラフをもとに考察する問題など、共通テストでは図やグラフに関する問題が頻出だ。図に関する問題は、例えば2024年「物理」の第4問・問1で「中央に直線の等電位線があるもの」に着目するように、図中から物理の重要部分を探すことが重要だ。また、グラフに関する問題では、概形と現象の特徴をリンクさせたり、「初めの値」「軸との交点」「わかりやすい点」など特徴的な点に着目するとよい。
本番解答術 おすすめ!TOP3 <物理>
条件文や選択肢をヒントとして活用
解法が浮かびにくい問題では、問題文の「~とする」という条件設定が解法の糸口となる。問題中には、こうした解法のカギとなる情報が散りばめられている。手ごわい問題では特に、これらを見逃さないことだ。選択肢からも「何を考えればよいか?」「どのような量で表せばよいか?」など、多くの情報が得られる。実験に関する問題で処理法が思いつかないときは、そこで扱われている物理現象についての知識を活用すれば正答できると確信しよう。
要注意!共通テスト本番の痛いミス
<物理基礎/物理>
丁寧に解くあまり時間をかけすぎてしまう
<物理基礎/物理>
条件を見落として、見覚えのある答えを選ぶ
<物理基礎/物理>
選択肢を確認せず、余計な計算をしてしまう
<物理基礎/物理>
読みにくい字が原因で計算ミスをする
<物理>
難しく考えすぎて、できる問題を落とす
プロのおすすめ!得点が伸びる直前対策はこれ!
TOP1 <物理基礎/物理>
自分専用の直前チェック集を作る
忘れやすい式や法則、ミスしやすいところなどを書き出しておき、試験直前に見直すと効果的。
TOP2 <物理基礎/物理>
頻出の典型計算を集中的に練習する
衝突の計算、光波の干渉の光路差など典型的な計算は、練習を重ねて、本番で自然にできるように準備しておこう。
TOP3 <物理>
問題を解いたら、声に出して解説する
考え方の流れを意識できるように、問題を解いたら、友人などに説明するつもりで声に出して解説するとよい。
過去問を最大限に活用し、実力を発揮するための訓練を
共通テスト本番で確実に結果を出すためには、「実力を発揮するための訓練」が欠かせない。「どのように問題文を読むか?」「どのように解法を思いつくか?」「どのように計算するか?」など、自分に最適な方法を探り、定着させておこう。さらには、選択肢の情報を利用して効率よく解答するテクニックも身につけよう。これらの訓練には、今までに受けた模試の問題や共通テスト問題集も役に立つが、やはり過去問は完成度が違う。追試験の問題も含めて活用し尽くそう。また、知識の最終確認も重要な直前対策だ。それには教科書を使うのが一番。できるだけ集中的に読んで、太字の式や語句、図、グラフを中心に確認していくとよい。