化学基礎/化学
『螢雪時代』アドバイザー 庄司 憲仁 先生
『全国大学入試問題正解 化学』の解答者であり、『螢雪時代』記事のほか、『10日間完成 文系のための分野別 センター化学基礎』(旺文社)、数研出版の教科書・チャート式など多数執筆している。
本番を制する解答戦略は?
問題を解き始める前に、まず全体に目を通そう。手ごわそうな問題に印を付け、他の平易と思われる問題から次々と片づけるとよい。これによって、手ごわそうな問題の解答時間を確保する。特に「化学基礎」の第2問と「化学」の第5問は、かなりの思考を要する出題が予想されるので、十分な時間を確保しておきたい。なお、見直し時間も5分程度は確保し、手ごわそうな問題に着手する前に一度行っておけば、最後に時間不足になった場合も安心だ。
本番解答術 おすすめ!TOP1 <化学基礎/化学>
単純な選択肢問題→計算問題の順で解き進める
単純な選択肢問題は必ず出るので、それらから先に素早く片づけよう。計算を要する問題や複雑な問題には印を付けておき、後でじっくり取り組む。その際、計算や図解など、問題用紙の余白を積極的に活用しよう。易しい問題を先に処理すれば確実に得点を確保でき、精神的にも時間的にも余裕が生まれ、新傾向問題に十分な時間を割くことができる。数値計算は、選択肢を見て比較的数値が離れていれば、有効数字を気にせずラフにやってよい場合もある。
本番解答術 おすすめ!TOP2 <化学>
難解と思われる問題は、図解して糸口をつかむ
難解で複雑そうな問題は、むやみに迷わず、余白を利用して丁寧に図解し、全体の構造を把握してから解答しよう。頭の中だけで思考を巡らせていると、予期しない考え違いを犯すことがある。手を動かしつつ考えることが大切だ。特に、単純な公式では解けそうもない問題は、図解が必須だ。一見面倒に思えるが、有機分野でも物質相互の関係が明確になり、見直し時にも役立つので、余白に問題番号とともに大きく整然と描く習慣をつけておきたい。
本番解答術 おすすめ!TOP3 <化学基礎>
明らかに不要な選択肢を先に除いて考える
択一式の問題は、明らかに正答となり得ないものを除外し、選択肢を絞ったうえで熟考するのが常套手段だ。例えば、同素体や単体を選ぶ問題ならドライアイスなどの化合物はまず除外できるし、「沈殿」を選ぶべき設問に水溶性のNa+やK+をもつ物質があればすぐに除外できる。また、「塩基」を選ぶべき設問に、水溶液は塩基性だが塩であるNaHCO3を入れて惑わせることもある。このように該当しないと容易にわかる選択肢は、即座に除外してしまおう。
要注意!共通テスト本番の痛いミス
<化学基礎>
最外殻電子と最外電子殻など類似の用語を混同する
<化学基礎>
中和滴定で硫酸を1価の酸として計算する
<化学>
密閉容器内で液体がすべて蒸発すると勘違い
<化学>
気体の平衡移動なのに固体の係数を算入する
<化学>
左辺が目的の単位でないのに、計算を始めてしまう
プロのおすすめ!得点が伸びる直前対策はこれ!
TOP1 <化学基礎/化学>
伸びそうな苦手分野で得点アップを狙う
大幅な得点アップを狙うには、伸びしろが期待できる苦手分野を探し出し、集中的に対策するのが効果的だ。
TOP2 <化学基礎/化学>
効率的な解答手順を検索する
例えば、設問を先に読んで注目点を把握し、条件を箇条書きにしてから解くなど、実戦的な解き方を研究しよう。
TOP3 <化学基礎/化学>
図・表・グラフを用いた多様な問題を解く
図・表・グラフを用いた初見問題が頻出なので、さまざまなタイプの問題をこなして対応力を鍛えよう。
苦手分野を補強するとともに、得意分野も穴を確認する
あれこれ手を出したくなる時期だが、冷静に苦手分野を見極めて補強に努めたい。この直前期に得点力を伸ばすためには、自分にとって効率のよい対策内容・方法を見極めることが大切だ。自分では自信がある分野と思っていても、特に無機や有機の知識項目では、意外と知識の抜けがあったりする。頻出分野で不安な項目については、もう一度詳細に復習しておきたい。「化学基礎」では教科書の表の中の事項が、「化学」では欄外の注にある記述が問われたこともある。また、記述式の個別試験で見るような初見の図・グラフ問題が頻出なので、出くわしたときに焦らず、設問内容を自分の既知の情報に置き換えて考える手法も身につけておきたい。