下記は、敬語を誤用した[誤]と、正しく使った[正]の面接問答例。あなたはいくつ、誤用を見つけられますか?
誤
面接官:
では、提出資料1について説明してください。
受験生:
了解です。説明のほう、始めさせていただきます。こちらが〇〇の資料になります。(以下説明)……。
面接官:
提出資料2について、こちらがコメントした点についてはどうでしょう?
受験生:
コメントを拝見させていただきます。(確認後)この点については(以下説明)……。
面接官:
図Bについて詳しく説明してください。
受験生:
ホワイドボードを使っても結構でしょうか?(以下説明)……。スイマセン。少し説明時間を延長してもよろしかったでしょうか?
正
面接官:
では、提出資料1について説明してください。
受験生:
かしこまりました(または「承知いたしました」)。説明いたします。こちらが〇〇の資料です。(以下説明)……。
面接官:
提出資料2について、こちらがコメントした点についてはどうでしょう?
受験生:
コメントを拝見します。(確認後)この点については(以下説明)……。
面接官:
図Bについて詳しく説明してください。
受験生:
ホワイトボードを使ってもよろしいでしょうか?(以下説明)……。申し訳ございません。少し説明時間を延長してもよろしいでしょうか?
「了解」は上から下へ使うもの
「了解です」「了解しました」は、目上の人が目下の相手に対して承認を伝える言葉です。「わかりました」でも構いませんが、「かしこまりました」「承知いたしました」がベターです。
二重敬語は卑屈な印象に
「させていただく」は、二重敬語になりやすいので注意!「拝見させていただく」「〇〇さんがお話しになられました」などの二重敬語は、面接官が違和感を抱く場合があります。
本来「させていただく」は相手の許可を受けて何かを行い、それによって恩恵を受けたり相手に良い影響を与えたりする場合に使う言葉。「参加させていただく」は〇ですが、「希望させていただく」は一方的な行動なので×です。
言いがちな「なります」は誤用
「~のほう」「~になります」などのバイト敬語もNG!「サッカーを始めて10年になります」など、成長や時間変化を表すのが「~になります」の正しい使い方。「1,000円からお預かりします。お釣りのほう、80円になります」ではなく「1,000円をお預かりいたします。お返しは80円でございます」が正しい敬語です。
時制をそろえて適切な言葉に
「結構でしょうか」「よろしかったでしょうか」もNG!「現在」の状態を確認するのに、言葉が「過去」形になっているため、日本語として不自然です。「よろしいでしょうか」「いかがでしょうか」と言い換えましょう。
咄嗟の謝罪で差をつけよう!
「すみません」「ごめんなさい」は、親しい間柄の人に謝る時に使う言葉です。「申し訳ありません」「申し訳ございません」と言いましょう。
誤
面接官:
〇〇は△△に置換することも可能だということでしょうか。
受験生:
おっしゃられた意味を理解できませんでした。よろしかったら、もう一度言ってもらって大丈夫ですか。
面接官:
△△に置き換えて条件を整理すれば、次の課題が明確になるということですね。
受験生:
なるほど!確かに……。普通にそうかもです。すごく参考になりました。
面接官:
君の△△置換の発想は大変興味深いものでしたよ。
受験生:
本当ですか。ありがとうございます!
正
面接官:
〇〇は△△に置換することも可能だということでしょうか。
受験生:
おっしゃった意味を理解できませんでした。恐れ入りますが、もう一度おっしゃっていただけますか。
面接官:
△△に置き換えて条件を整理すれば、次の課題が明確になるということですね。
受験生:
おっしゃる通りです。そうかもしれません。大変勉強になりました。
面接官:
君の△△置換の発想は大変興味深いものでしたよ。
受験生:
恐縮です。ありがとうございます!
「言う」の言い換えに注意
「言う」の尊敬語は「おっしゃる」です。「おっしゃられる」は二重敬語なのでNG。謙譲語の「申す」と混同して「申してください」もNG。面接官の言葉を聞き取れなかった時は「もう一度おっしゃっていただけますか」が適切です。
「大丈夫」は誤用しがち
状況によっては肯定とも否定とも受け取れる「大丈夫です」も要注意の用語です。そもそも「大丈夫」は「安心できるさま」「間違いがなく確かなさま」という意味。面接官に向かって、間違いないかと訊くのは失礼です。
相槌の打ち方も礼儀を持って
「なるほど」「確かに」と相づちを打つのは避けましょう。これらの言葉は相手を評価したうえで同意する意味合いで、上から目線な印象を与えます。また、「参考になりました」は、相手の考えを判断材料の一部として自分が利用するというニュアンスです。「勉強になりました」と表現しましょう。
差がつく気遣いの一言を
面接では、正しい敬語に加えて、「クッション言葉」を使用すると、印象アップにつながります。「恐れ入りますが」「大変恐縮ですが」「よろしければ」「お手数をおかけしますが」「差し支えなければ」など、相手を気遣う言葉を使いこなせると、大人の印象を与えます。
フランクな敬語はつい出てしまう
「~かもです」「本当ですか」「普通にいいと思います」や、「ていうか」「めっちゃ」「やばい」「マジで」「ガチで」など、学校の先輩と話しているような、くだけた敬語が出てしまわないよう注意しましょう。面接官はあなたの言葉遣いを通して、誠実さやまじめさを見ています。
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