段落構成に着目し、論理的に読む力が必要！

 770語の論説文を論理的に読む力が求められます。段落構成に着目し、文脈をたどり、正確に読むことができるかを確認するのに適しています。構文・文法力を問う英文和訳、文脈を正確にたどることやディスコースマーカーの選択を求める空欄補充、語句表現のパラフレーズを問う問題など丁寧な読み取りが必要です。現段階では、語句表現の理解に難を感じながらも、到達すべき目標が見えてくることでしょう。

 論説文の場合は、主題文が来る確率の高い各段落の第１文に着目して読むことです。また、ディスコースマーカーやパラフレーズされている語句には線を引くなどして視覚化しておくと、設問に答える際や再度読む際に時間短縮になります。However, …やIt is true that～, but….など逆接や譲歩の表現の後には、筆者の主張が来ることが多いので、内容理解などの問題になりやすい傾向にあります。意識して読んでみましょう。

背景知識が内容理解を助けてくれる！

 英文が読めてもわかった気がしないという感想を聞くことがあります。それは、その分野に関する知識が不足していることが理由であったりします。ここで取り上げている具体例を踏まえて、文脈をたどりながら適切な表現を選んで空欄を補充したり、同意の語句を選んだり、主題文を完成させたり、内容に合う選択肢を選んだり、頻出の構文を見抜いて語句整序したりと、内容を理解するための典型的な設問に取り組むことができます。

 653語からなる文章ですが、この程度の分量の長文問題を設問にこだわらず最後まで読み通す機会を増やすことです。数多く読むことで、触れる情報が背景知識として蓄積されていきます。入試に出題される文章は論理構成の整ったものが多いので、文脈をたどるにつれキーワードや言い換え表現に気づくようになり、推測力が向上します。わからない単語があっても大意を把握できるようになりますし、解答時間を意識すると実戦対策にもなります。

自分の考えを明確に伝える力が求められる！

 テーマが明確であり、文と文をつないでいく際に、英語と日本語のギャップを実感することになります。一般論ではなく、自分がどう思うかを肯定の立場か否定の立場のどちらかに立って答える問題です。与えられたテーマについて、答えるべき条件（①②③）を押さえながら「①自分の考え」を「②具体例（利点・問題点）を挙げて」、採点者に「③わかりやすくまとめる（論理的に文をつなぐ）」作業を、時間も意識しつつ行うことになります。

 テーマについて肯定か否定か、自分の考えを結論から書き出すイメージを持って構想を練るとよいでしょう。パラグラフライティングを意識して、英文の段落構成としては、①トピックセンテンス（主題文）→②サポーティングセンテンス（支持文）→③コンクルーディングセンテンス（結論文）の流れで答案を作成するトレーニングが有効です。可能なら学校の先生に添削してもらうと、自分では気づかない修正点を発見することもできます。