数ある大学のなかから自分が行きたいと思える大学を探すためには、自分なりの「軸」をもつことが不可欠です。
「軸」を確立するためにはどのような観点で大学を見ていけばよいのか、志望校選びのコツを紹介します。
大学で学びたい学問がある人、ぼんやりとでも興味の方向性が見えている人は、「学部・学科」の観点で志望校を検討しましょう。興味のある学部・学科を軸に、複数の大学を比較するのが基本です。まずは、自分が学びたいことがどこの大学で学べるのか、ざっくりと把握することから始めましょう。大学を探すなら、まずは「パスナビ」で検索。パスナビの大学検索ページでは、「学部系統を選ぶ」のボタンから、学部や学問の条件を絞った検索ができます。
「気になる系統を選んで検索!」
また、興味のある分野や学科についての詳しい情報は、『螢雪時代 4月臨時増刊 全国大学 学部・学科案内号』などでも調べることができます。学部・学科の名称が同じもしくは似ていても、学べる内容やカリキュラムの特色は大学により異なります。また、近年は学部・学科の名称のバリエーションが豊富になり、名称だけでは内容がわからないところもあります。ある程度大学を絞り込んだら、各大学・学部のホームページなどを見て、具体的に何が学べるのか、どのような研究をしている先生がいるのかなどを詳しく見ていきましょう。
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なりたい職業や取得したい資格がある人は、そこから逆算し、その職業に就くために必要な知識や技術を修得できる大学・学部・学科はどこか、資格取得が可能な大学・学部・学科はどこかという観点で絞り込んでいきましょう。特に、医師、歯科医師、看護師、理学療法士、薬剤師などの医療系、小学校教諭、中学校教諭などの教員養成系などでは、大学で所定の科目を履修していることが資格取得や国家試験受験の条件になっています。必ず資格取得のためのカリキュラムが組まれている大学・学部・学科を選ぶようにしましょう。
また、職業養成に特化していない学部・学科系統でも、将来の職業に役立つ資格や免許を取得できるところもあります。興味のある資格や免許がある人は、それを軸に大学を探してみるとよいでしょう。
パスナビでも各大学の「主な就職先・資格」を見ることができます。ぜひ、活用しましょう。
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大学の場所も重要です。家庭によっては、「自宅から通える大学」という条件がある場合もあるでしょう。また、下宿(一人暮らし)をする場合でも、地元の地方都市がよい、首都圏や関西圏など都市圏がよい、憧れの街がよいなど、希望条件がある人もいるでしょう。そういった場合は、エリアを絞って大学を探していくのが有効です。
「パスナビ」の大学検索ページでは、「都道府県を選ぶ」のボタンから、エリアを絞った検索ができます。気をつけなければならないのが、特に規模の大きな大学の場合、学部・学科や学年によりキャンパスの場所が異なるケースがあるということ。東京の大学に通いたかったのに、自分が通うキャンパスは近隣県の郊外だった…というのはよくある話です。志望校を絞り込む際には、キャンパスの所在地まで確認しておきましょう。
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大学在学中に海外留学や語学研修などに参加したいと考えている人は、留学制度や国際交流が充実しているかどうかという観点でも大学を見てみましょう。交換留学など大学独自の留学制度だけでなく、実際にどのくらいの学生が留学しているか、単位互換制度があるか(海外の大学で取得した単位が卒業単位として認められるか)、費用面で補助があるのかなども要チェックです。
また、国際系の学部によっては半年〜1年の海外留学がカリキュラムに組み込まれている(全学生が海外留学をする)ところもあります。授業料とは別に費用がかかるケースもあるので、保護者とも相談してみましょう。
大学のカラーも大事な観点です。学生数・教員数が多い大規模な総合大学なのか小規模な大学なのかにより、雰囲気は大きく異なります。また、大学創立の経緯や建学の理念、私立大であればキリスト教系か仏教系かなどによっても校風が異なってきます。大学のホームページなどで確認し、自分が「いいな」と思うところを絞り込んでいきましょう。
また、大学の設備や環境も、充実したキャンパスライフを送るうえで重要な観点です。大学のホームページやパンフレットだけでは伝わりにくいので、オープンキャンパスで訪れた際に、実際に目で見て確認しておきましょう。
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大学進学を考える際に避けて通れないのが学費のこと。学費は国公立大か私立大かによって、また、私立大のなかでも大学や学部系統(文系か理系かなど)によって、大きく異なります。大学受験にかかる費用や入学後の生活費も含めるとかなりの金額が必要になるので、必ず保護者と話し合っておきましょう。家庭によっては、「必ず国公立大」や「私立大に行くなら地元(自宅通学)」などと条件があるケースもあるでしょう。なお、国公私立大別の学費については、こちら(学費部分)の記事を参考にしてください。
また、学費に関しては、奨学金制度を利用するのも手。各大学や地方自治体、育英団体などがさまざまな奨学金制度を設けています。なかには返済不要の給付型もあるので、要件などを調べてみましょう。パスナビにも各大学の学費や奨学金が載っているので、気になる大学についてはしっかり見ておきましょう。
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大学を選ぶ際に重要になってくるのが、入試の方式や科目、偏差値。近年は入試の方式が多様化しており、一つの大学・学部のなかでも多数の選択肢があるケースがほとんどです。自分の得意や強みを最大限活かせる方式で受験するためにも、どのような入試方式があるのかを事前に押さえておきましょう。主な入試方式には「一般選抜」「学校推薦型選抜」「総合型選抜」があり(参考記事:大学受験の流れをCheck!)、一般的に、一般選抜では学科試験(共通テストや個別試験)が重視され、学校推薦型選抜や総合型選抜では高校時代の成績や活動状況、大学での学びへの意欲などが総合的に評価されます。どの方式が自分に向いているのかを含めて、検討してみましょう。
また、入試科目も要チェックです。私立大文系でも数学が必要な学部・学科などもあるため、どの科目が必須なのか、どの科目が選択できるのかなど、細かく見ていきましょう。『螢雪時代 8月臨時増刊 全国 大学 内容案内号』などでは「駿台&河合塾 偏差値・難易度一覧」「入試科目・配点一覧」「入試結果&学費早見表」といったデータを一覧掲載しています。パスナビでも「一般選抜・共通テスト利用入試 入試科目・配点」「入試結果(倍率)」から検索できるのでチェックしてみてください。
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学びたい学問や希望する職業が未定で、今の段階では学部・学科を絞り込めない……という人は、大学に入学してから学部・学科を選べる大学に進学するのも手です。例えば、東京大学では文科一類〜三類、理科一類〜三類という“大括り募集”で選抜され、1・2年次は教養学部で学んだうえ、3年次に各学部に配属になります。このように、1・2年次は広く教養科目(リベラルアーツ)を学び、3年次に専門(専攻)を選ぶカリキュラムをもつ大学は少なくありません。
また、入学後に専攻に分かれる大学・学部、かつ、多様な専攻のある学部・学科を選ぶのもよいでしょう。
紹介した7つの観点を参考にしても、なかなか大学を絞り込めない人もいるでしょう。そんなときは、とりあえず気になる大学に行ってみるのも手。百聞は一見に如かず、実際に訪れてみて、雰囲気を肌で感じましょう。夏休みなどに大学が行うオープンキャンパスに参加するのがベストですが、多くの大学はそれ以外の日にもキャンパスを開放しています。入試課などに事前に連絡をしておけば、説明をしてくれるケースも。その大学に通っている先輩に案内してもらうのもよいでしょう。
大学へのアクセスやキャンパス周辺の様子を知るためにも、ぜひ足を運んでみましょう。
実際に大学を検索する際には、今回紹介した7つの観点のうち、「これは外せない!」という条件から絞り込んでいきましょう。そして、ある程度絞り込んだら、各大学のホームページなどで情報を詳しく調べ、キャンパスに足を運び、比較・検討してみましょう。高校の先生などに相談し、その大学に進学した先輩を紹介してもらうのもおすすめです。しっかりと調べて、自分で納得ができる大学、「ここだ!」と思える大学を、探し出してください。
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