STEP2 学力の壁を超える②
早慶
基礎固めの早期完了は大前提
具体的な目標設定と逆算の学習計画で演習する
「早慶を目指す受験生は、とにかくやることが多い。授業の取りこぼしがなく、各科目の基礎が固まっていることが大前提です」と立崎先生。早い段階で基礎を固め、標準的な難易度の問題集に取り組めていないと、難易度の高い早慶の過去問演習に進むことができないのだ。
また、立崎先生は学習計画の重要性も指摘。「学習計画は、取り組むテキストの範囲と期間を具体的に決めるように指導しています。2か月くらいの中期的な目標から逆算し、1~2週間ごとの内容をカレンダーに書き込むなどして管理しましょう」と指導内容を明かす。
理系は早慶とMARCH間に東京理科大の壁が在在する
首都圏の私立大学の難易度は、おおむね早慶、MARCHの順だが、理系だとこの間に東京理科大の壁が存在する。理系の幅広い学部・学科を備えており、研究などの実績も確かで、ブランド力もある。立崎先生は「受験生にとって東京理科大は、理科1科目で受験できるのが大きいです。早慶だと2科目必要になります」と解説。また、英語の力が早慶の水準に及ばない受験生にとっても、目指しやすい目標となっている。
岡本先生は、学部の観点から東京理科大の存在感を実感。「MARCHの学部は、理系学部の選択肢が比較的少なめなので、意欲のある受験生は東京理科大を目指します。そのため、MARCHより難易度の高い東京理科大が壁となるケースもあります」と説明する。
MARCH
複数の科目の知識が問われる融合的な問題に注意
受験科目以外にも目配りを
岡本先生は、「MARCHは奇をてらった問題は少ない印象です。ただ、傾向として、MARCHの中でも難易度の高い大学・学部では、複数の科目の知識が問われる融合的な問題を見かけます」と説明する。文系なら、世界史や日本史など地歴の問題の中で公民の知識が必要となったり、英語でも地歴や公民の知識が重要となる問題が出題されているという。
「文系の国公立大学志望者は、共通テストのため公民も学習している人もいます。MARCH志望者なら、個別試験の受験科目以外もある程度目配りできていると安心です」と対策を語る。
早慶・MARCH合格には授業や日々の学習が不可欠
この記事で紹介した先生方のお話から、主要な私立大学群受験に必要な学力レベルとして、いわゆる日東駒専は教科書レベルの基礎知識をしっかり押さえていること、MARCHはそれに加えて読解力や論理力が必要になってくること、早慶はさらに難易度の高い問題に取り組める力やアウトプットの力が問われることがわかってもらえると思う。逆に言えば、これらの学力を備えていない人は、現時点では合格が遠い状況かもしれない。
先生方から壁を超えられる人の共通点として挙がったのが、「授業で学んだ内容を落とさないこと」や「コツコツ真面目に積み上げること」だ。これまで基礎を大切にできていたか、授業を大事にして真面目に学習を積み重ねてきたか、自分に問いかけてみてほしい。