九州大・長崎大・熊本大の薬学部で2段階選抜を新規実施。
宮崎大で志願者増、長崎大・北九州市立大で志願者減か。
文中、変更点は24年→25年で表記。学部・学科等の名称は、略称で「学部(学科)」と記載。国公立大は前期日程=【前】、後期日程=【後】、公立大中期日程=【中】、昼・夜間主コース=[昼][夜]、共通テスト=共テ、個別学力検査等(2次試験)=2次、学校推薦型選抜=推薦型、総合型選抜=総合型、共テを課さない(課す)=共テ免除(課す)、実質倍率(受験者数÷合格者数)=倍率、と略記。教科・科目数は「6または7教科8または9科目(科目選択による)=6(7)教科8(9)科目」のように略記。私立大も入試方式・日程等を略記した。
● 九州大
薬(臨床薬)【前】で2段階選抜を新規実施(予告倍率=約3倍)、2次に面接を追加することもあり、志願者減が見込まれる。共テの結果次第で、新規実施の山陽小野田市立山口東京理科大‐薬【前】への志望変更もありそうだ。一方、薬【後】は共テで外国語を50点→200点に配点増、2次から英語を除外、負担減のため志願者増につながりそうだ。芸術工【前】で学科一括募集を20人→5人に削減、2次負担増(面接・志望理由書を追加)もあり、志願者減の見込み。この他、前年の反動から、法【後】・理【後】・薬【後】で志願者増、共創【前】・文【後】・教育【前】・経済【後】・医(生命科学)【前】・農【前】【後】で志願者減が見込まれる。
● 福岡教育大
教育【前】で募集人員増(379人→415人)、同【後】で削減(107人→92人)。【前】は志願者増、【後】は志願者減が見込まれる。また、初等教育の2次は面接を各プログラムの選考方法に変更するのに対し、中等教育の2次は小論文を面接に変更、または除外する専攻が目立つなど対照的。「初等(国語)【前】=面接→国語、同(英語)【前】=面接→英語」「中等(国語・英語・技術)【前】=小論文を除外」は前期の増加要因となりそうだ。
● 佐賀大
前年の反動から、芸術地域デザイン【前】【後】・経済【前】【後】・医(医)【前】・理工【後】・農【後】で志願者増、教育【前】【後】・医(看護)【前】【後】・理工【前】・農【前】で志願者減が見込まれる。理工【前】は募集人員減(291人→283人。推薦型・総合型に女子枠を新設)も要因となりそう。また、医(医)【後】も募集人員減(10人→4人)の影響が大きく、2次から課題論文を除外するものの、志願者減が見込まれる。
● 長崎大
24年は全学で志願者17%増。その反動から、多文化社会【前】・教育【前】・経済【前】・医(医・保健)【前】・歯【前】・情報データ科学【前】【後】・環境科学【前】【後】で志願者減の見込み。情報データ科学【前】は募集人員減(75人→70人。推薦型に女子枠を新設)も要因となりそう。薬は薬学科で後期を募集停止し、薬学科【前】で28人→34人、薬科学科【前】で21人→26人に募集人員を増やすが、薬学科【前】で2段階選抜の新規実施(予告倍率=約5倍)、薬学科【前】・薬科学科【後】の2次変更(ペーパーインタビュー→面接)が敬遠材料となり、前年の反動からも、志願者減か。歯【前】は2次負担増(「数学・理科から1」→数学・理科必須)と、募集人員増(33人→40人)のため、易化は必至。多文化社会【前】も、2次の「総合問題→小論文(全コース)・ペーパーインタビュー(オランダ特別コース以外)」の変更が減少要因となりそう。一方、やはり前年の反動から、経済【後】・工【前】【後】・水産【後】で志願者増が見込まれる。工【前】は210人→198人に募集人員減(推薦型に女子枠を新設)、難化の要因となりそうだ。
● 熊本大
薬【前】で2段階選抜を新規実施(予告倍率=約4倍)し、2次に英語・面接を追加。負担増のため敬遠されそう。工【前】【後】の共テで英語のリーディング・リスニングの配点比率を「4:1→1:1」に変更、志願者減につながりそう。医(保健=看護学)【前】の2次で、国語から古文・漢文を除外し、志願者増が見込まれる。この他、前年の反動もあり、教育【前】・法【前】【後】・情報融合学環【前】で志願者増、医(医)【前】・理【前】【後】・工【後】で志願者減が見込まれる。
● 大分大
前年の反動から、医(看護)【後】・医(先進医療科学)【前】・理工【後】・福祉健康科学【前】【後】で志願者増、教育【前】【後】・経済【前】【後】で志願者減が見込まれる。経済【前】【後】の場合、佐賀大‐経済【前】【後】への志望変更が想定される。理工【前】も募集人員減(267人→257人)が、やや志願者減につながりそう。
● 宮崎大
24年は全学で志願者23%減。その反動から、教育【前】【後】・医(医)【前】【後】・医(看護)【前】・工【後】・地域資源創成【前】【後】で志願者増が見込まれる。一方、やはり前年の反動から医(看護)【後】で志願者減の見込み。農は学科改組(6→2学科に統合)に加え、募集人員を【前】149人→129人、【後】69人→53人に削減(総合型を拡大)。農【前】・地域資源創成【前】の2次で学外試験場(横浜)を新設するが、農【前】【後】とも前年に続き志願者減の見込み。工【前】も募集人員減(240人→200人。推薦型を新規実施)のため、志願者大幅減が見込まれる。
● 鹿児島大
医(保健)【前】で83人→75人、理【後】で25人→13人に募集人員減(推薦枠を拡大)、教育【後】で24人→19人に募集人員減となり、それぞれ志願者減の見込み。また、法文(人文)【後】も15人→10人に募集人員減。法文【前】・同(地域社会・経済、多元地域文化)【後】・農【前】【後】・共同獣医(畜産)【前】【後】で2次に調査書点数化を追加。法文【前】は志願者減となりそう。理【後】で2次を廃止(面接→課さない)。この他、前年の反動から、理【前】・工【後】・医(医)【前】・医(保健)【後】・工【後】・農【前】【後】・水産【前】で志願者増、法文【後】・医(医)【後】・歯【後】・工【前】・共同獣医【前】【後】で志願者減の見込み。
● 琉球大
前年の反動から、国際地域創造[夜]【前】【後】・教育【前】・医(医)【前】【後】・工【後】・農【後】で志願者増、国際地域創造[昼]【後】・理【前】【後】で志願者減の見込み。
また、医(保健)【後】は沖縄県立看護大の後期募集停止が影響、志願者増が見込まれる。
● 北九州市立大
24年は全学で志願者25%増。その反動から、外国語【前】【後】・経済【前】・文【前】【後】・法【前】【後】・地域創生【前】・国際環境工【前】【後】で志願者減が見込まれる。法【前】は学外試験場(広島)の廃止も要因となり、募集人員増(140人→145人)のため易化しそうだ。一方、やはり前年の反動から、経済【後】で志願者増が見込まれる。
● 長崎県立大
前年の反動から、経営【前】・国際社会【前】・情報システム【前】で志願者増、地域創造【前】【後】・情報システム【後】・看護栄養【後】で志願者減が見込まれる。
● 熊本県立大
前年の反動から、文【前】【後】・環境共生【前】・総合管理【前】【後】で志願者減が見込まれる。
● 名桜大
前年の反動から、人間健康【前】【後】で志願者増、国際【前】で志願者減が見込まれる。人間健康では、健康情報学科の募集人員減(【前】35人→30人、【後】10人→5人。総合型を新規実施)も、前期におけるB方式の新規実施(共テ=2または3教科3科目、個別=調査書・提出書類の点数化)も増加要因となりそう。一方、国際【後】は募集人員減(20人→15人)のため、やや志願者減か。
西南学院大・福岡大は特に変動要因もなく、国公立大の併願先として安定した志願状況となりそう。九州産業大は前年の志願者18%減の反動に加え、一般前期の複線化(生命科学が文系、人間科学・経済・芸術が理系を新規実施)もあり、やや志願者増が見込まれる。この他の主な変動要因として、福岡工業大は共テ利用前期をA・Bに複線化。新規実施のB(情報型)は情報が必須。別府大で看護学部を新設。立命館アジア太平洋大は一般前・後期で英語外部検定を新規利用(得点換算)し、共テ利用(共テ方式、共テ併用方式、共テ+面接方式)で英語外部検定の利用方法を「満点と見なす→段階的な得点換算」に変更、共テ+面接方式で共テの基準点(60%以上)を廃止する。
この記事は「螢雪時代(2024年11月号・11月臨時増刊)」より転載いたしました。
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