歴史総合、世界史探究
河合塾 上住 友起 先生
東京大・京都大などの志望者が受講する世界史論述から共通テスト・私立大の講座まで担当し、大きな支持を得る。『一問一答 世界史 ターゲット4000』(旺文社)など著書多数。近年は実業家としても注目される。
本番を制する解答戦略は?
共通テストでは、リード文が長文であったり、解読すべき史資料が膨大な問題が多く、これらをすべて読み込むと時間不足に陥る。そこで、設問から先に目を通し、どの部分に注目して読むべきかを事前に把握しておこう。地図問題では、地理的な情報から思考力を試す問題もあるので、知識がないからとあきらめてはいけない。データやグラフに関する問題は、年代的な知識で解答できたり、リード文にヒントが隠されているケースもあるので、冷静に判断しよう。
本番解答術 おすすめ!TOP1
リード文・史料・図版から、時代と国や地域を判断する
共通テストでは、ストレートに年代を問われることはないが、リード文などから何世紀のどの国(地域)に関する事象なのかを押さえておく必要がある。また、同時代の他地域の出来事や、その時代の前後の歴史事象に関する設問も多いので、リード文や史料が示している時代や国を取り違えると、当然大きな失点につながる。図版については、たとえ十分に読み解けなくても、その図版に関する説明などから時代や国を特定することで対応できる場合が多い。
本番解答術 おすすめ!TOP2
地図問題は地理的情報+世界史の知識の両輪で思考
地図に関する問題では、細かな地名や地図上の微妙な位置を問われることはないが、地図に示されたある地域間のヒトやモノの動きから歴史的知識を問うなど、さまざまな地理的情報から歴史事象を考察させる問題が多く出題される。こうした問題では、たとえ地名などを覚えていなくても簡単に見切りをつけてはいけない。頭を切り替え、地図から読み取れる地理的情報と世界史の知識を結び付けて考えてみよう。思考する努力を惜しまないこと。
本番解答術 おすすめ!TOP3
会話文は真偽が未確定。取り扱いに注意する
会話文や史資料を用いた問題で解答不能に陥ったときは、「会話文や史資料の中にヒントが隠されていないか?」を再確認しよう。ただし、会話文の場合は、罠として歴史的に誤っていることを言わせていたり、会話文自体の正誤を判定させる設問もあるので、注意したい。また、データやグラフに関しては、顕著な変化を示す年代や数字に注目し、その理由を歴史的事象と結び付け、そのうえで会話文を読んで初めてヒントだとわかるケースもある。
要注意!共通テスト本番の痛いミス
正文選択と誤文選択を取り違えて失点する
実は単純な設問なのに、深読みしすぎて失敗する
リード文・史料にある国や時代を読み違える
リード文・史料をすべて丁寧に読み、時間不足に陥る
設問の趣旨を勘違いして選択肢を絞り切れない
プロのおすすめ!得点が伸びる直前対策はこれ!
TOP1
弱点や盲点の発見・克服に注力する
演習量を確保しつつ、弱点・盲点を発見して確実につぶしていこう。地道な作業だが、得点アップに直結する。
TOP2
教科書や資料集で日本史関連を見直す
日本史が絡む出題に備えて、教科書を見直しておこう。図版付きの資料集でイメージを強化するのもおすすめだ。
TOP3
時代や世界を俯瞰する視座をもって学習する
複数の時代にまたがる変遷の問題や、グローバルな視点で世界を俯瞰する問題は頻出なので、対策しておきたい。
弱点・盲点に焦点を絞って、タテ+ヨコの視点で最終確認
演習問題や模試などを通じて、弱点や盲点となっている分野を把握したうえで、教科書や資料集で最終確認を行おう。貴重な時間を無駄にしないよう、なるべく時代・地域・分野を絞り込み、「この点に注目して見直す」など、課題意識をもって確認すること。その際、地図や図版などにも必ず目を通そう。近現代では、日本史が絡む箇所やグラフ・統計データなどにも注目するとよい。制度や文化などは、その時代だけで理解するのではなく、「その後の時代にどのように影響し、どう変遷したのか?」「他の地域や国にどう伝わったのか?」など、タテ・ヨコの2つの視点をもって確認しよう。背景・経過・結果に注目した問題もよく出されるからだ。