地理総合、地理探究
代々木ゼミナール 田村 誠 先生
地理入試での高得点獲得をサポートして30余年。「地理は科学だ!」をモットーに、知識偏重型の“前近代的地理”を排し、地理現象を論理的に理解していく指導を心がけている。多数の著書がある。
本番を制する解答戦略は?
解答時間が厳しいので、時間配分をミスしないことが最重要ポイントになる。正誤の判断に迷う設問があったら、ひとまず解答を保留して先に進み、まずは最後の設問まで目を通そう。設問に付された脚注や単位を見落とすと、平易な設問でも難問化する場合があるので、注意したい。また、地理資料の多くが、そのままでは解答に必要な情報を使えないよう工夫されているので、例えば白地図に重要な経緯線を書き込むなど手作業を加えながら考察し、解答しよう。
本番解答術 おすすめ!TOP1
地理資料はそのまま使わずに加工して考察する
統計資料問題は、示された地理資料を加工して考察することがカギとなる。例えば大地形の問題などは、地図に新期造山帯地域や海溝・海嶺を書き込んで考察するとわかりやすくなる。また、気候データの判別問題は、地図に重要な緯線を書き込んで各観測地点の位置を確認し、そこで観察される気候の特色を考察するとよい。このように、統計資料問題では、資料に示されたデータをもとに新しいデータの算出・付加が可能かを確認して考察するようにしたい。
本番解答術 おすすめ!TOP2
グレーな選択肢を除外して検討する
正誤判定問題の多くは、すぐに正誤の判断ができないグレーな選択肢を含む形式で出題される。この悩ましい選択肢にこだわりすぎると、時間的ロスにつながるとともに、誤答する確率が高くなる。こうしたグレーな選択肢への対処方針としたいのが、まずはその選択肢を除いて検討することである。もし、そこでこれぞという選択肢があればそれを選べばいいし、そうでなければグレーな選択肢が正解の可能性が高い。いずれにせよ時間のロスだけは回避しよう。
本番解答術 おすすめ!TOP3
解きやすい解答順序で時間を有効活用
通常、各大問の難易度には大きな差がある。そのうえ、受験生にも得手・不得手の出題分野がある。そこで、試験開始の合図とともに第1問の問1から機械的に解答していくのではなく、“解きやすい解答順序”で取り組むことをすすめたい。「地域調査」の大問は、その場で考えれば容易に正解可能な設問中心の構成となっている場合が多いので、ここから手をつけて時間的ロスを防ぐことも一案であろう。模試や過去問で練習し、要領をつかんでおきたい。
要注意!共通テスト本番の痛いミス
実力的に正解できる問題を時間切れで解き損ねる
正誤判断に迷う設問で時間を浪費する
設問内容を把握せずに早合点して解答する
脚注や単位に注意を払わず、重要なヒントを見逃す
統計資料の考察が不十分な状態で解答を進める
プロのおすすめ!得点が伸びる直前対策はこれ!
TOP1
対策が手薄な国・地域を補強する
世界地誌の領域で攻略に抜かりがあると、大きな失点につながる。漏れがないよう、きめ細かく補強しておきたい。
TOP2
苦手分野を集中的に攻略する
過去問演習や模試の結果を分析して苦手分野をあぶり出し、そこに狙いを定めて集中対策を実行しよう。
TOP3
新傾向問題や特有の出題形式に慣れておく
統計資料問題や会話文型の問題など、新傾向や特有の出題形式に戸惑うことがないよう、十分に練習しておこう。
3つの直前対策を実行して、万全な状態で本番を迎えよう
共通テスト本番までに残された時間で得点力の最大化を実現するために、以下の3つの直前対策に取り組んでほしい。①授業時に作成した講義ノートや要点整理のために作成したノートを再確認するなどして、世界地誌の領域で攻略が不十分だった国・地域をモノにしておく。②解いた過去問や模試の出題を「自然環境と自然災害」「産業」「人口・村落・都市・生活文化」「地域調査」の4つの分野に大別し、得点率の低い分野を検証して重点的に攻略しておく。③各種の予想問題集や模試を活用して、特に新傾向問題に慣れておく。以上の3つについて、「まだ30日ある!」という前向きな気持ちをもって、攻めの姿勢で取り組もう。