歴史総合、日本史探究
代々木ゼミナール個別指導 菅野 祐孝 先生
『ココが出る!! 日本史ノート 歴史総合,日本史探究』『タテヨコ 日本史 総整理 テーマ史』(いずれも旺文社)、『日本史図版・史料読みとり問題集』(山川出版社)、『共通テスト日本史〔文化史〕』(教学社)など著書多数。
本番を制する解答戦略は?
各大問には、会話文やリード文のほか、絵図・写真・グラフなどの図版や史料も多くあり、これらの読み込みには一定の時間が必要だ。そのため、1つの設問の解答に2分はかけられない。穴埋め問題については、先に選択肢を見て、そこに示された語句や短文を確認しておくと、解答時間を短縮できる。また、3文の年代配列問題は比較的短時間で解答できる。それぞれの設問のタイプに応じて時間配分をうまく調整し、極力時間的ロスを防ぐことが大切だ。
本番解答術 おすすめ!TOP1
短時間で解ける問題から順に着手して時間を節約
会話文・リード文・史資料の分量が多いだけに、その読み込みにある程度の時間を割かざるを得ない。そのため、解答に行き詰まったら、その問題を後回しにするなど、解答手順を工夫して時間を作ることも大切だ。設問はすべてが思考力を問うものでなく、中には教科書学習で得られる基礎的知識を問う問題や、視覚的判断で容易に解けそうな図版問題もあるので、時間的ロスをできるだけ少なくするために、解答しやすい問題から着手しよう。
本番解答術 おすすめ!TOP2
正誤組合せ問題や4択問題は消去法を駆使する
正誤問題は、正誤の組合せや正文・誤文の4択問題として出題される。その場合、正文・誤文を一発で見定めて解答しがちだが、ケアレスミスを防ぐためにも、できるだけ消去法を活用するほうが賢明だ。特に、誤文と判断する場合は、「どこがどう間違っているか?」に確信をもてない限り、即断は避けたい。正誤の見極めには、年代・人名・場所・因果関係など歴史事象が正しく表記されているかどうか、与えられた文章をじっくり吟味することが大切だ。
本番解答術 おすすめ!TOP3
年代配列問題は年代以外の方法で解く手段も考える
3つの短文を提示した年代配列問題の場合、年代を中心に解こうとしがちだが、例えば「マニュファクチュアに至る江戸時代の生産形態の推移」のように、必ずしも年代だけで解けるとは限らない問題もある。また、「何についての説明文か?」を判断して歴史事象を考え、そこから年代を導いて解く問題もある。さらに、人物名・文化名やおおよその年代など、大雑把な感覚で時代を特定しなければならない場合もある。さまざまな手段を講じて、柔軟に考えよう。
要注意!共通テスト本番の痛いミス
設問文の条件を見落とし、ケアレスミスを犯す
「正文を選べ」なのに誤文を選んでしまう
リード文の中にあるヒントに気がつかない
注を無視したせいで、史料の解釈を誤ってしまう
時間配分を見誤って、全問解答を逃す
プロのおすすめ!得点が伸びる直前対策はこれ!
TOP1
全時代・全分野から弱点を探して質問する
教科書を読み通して「ここが出るとマズい!」という箇所を洗い出し、先生に質問して疑問点を解消すると効果的。
TOP2
年表・コラム・欄外の注などを再確認する
教科書巻末の年表で年代を確認して配列問題に備え、図版のキャプションや欄外の注を熟読して知識強化を!
TOP3
美術品などの文化財を写真で理解する
建築・彫刻・絵画・工芸などの美術品については作品を写真で確認し、文化財に対する視覚的理解を深めよう。
過去問演習を通して、解法の感覚を磨いておく
共通テストでは、時代ごとに特定テーマを立て、史資料を提示しながらさまざまな歴史事象について考察させる問題が出る。会話・調べ学習・討論・発表・板書・まとめのプリント・レポートのほか、スライドやインターネットの活用など、さまざまな授業風景を想定したスタイルをとるため、出題内容は定まっていない。そのため、センター試験を含め少なくとも10年分くらいの過去問を徹底的に解いて、時間配分も含めてその特異な傾向に慣れる必要がある。図版問題・史料読解問題・年代配列問題・正誤組合せ問題は必ず出るので、これまでに学習してきた知識をサブノートや教科書で再確認しながら実戦的トレーニングを積んでいこう。