注意点 4
私立大の共通テスト利用入試には、「合否の分かれ目」がある!
共通テストと個別試験との総合点で合否が決まる国公立大の一般選抜では、「A判定でも不合格」や「D判定でも合格」があり得ます。一方、共通テストの得点だけで合否が決まる私立大の共通テスト利用入試(個別試験併用方式を除く)では、いわゆる「合否の分かれ目」が存在します。「データネット」では、予想される合格最低ラインのやや上に「B判定」の基準を設け、実質、「C判定」の範囲のどこかに合否の分かれ目がくるようになっています。つまり、私立大の共通テスト利用入試を受ける人は、B判定以上なら合格の可能性がきわめて高く、D判定以下は厳しい(C判定なら際どい)…ということになります。判定の意味合いが国公立大とは異なるので、注意してください。
なお、次の注意点に関係しますが、実際は自己採点のミスなどにより、A・B判定で不合格、D判定で合格という場合もあります。
注意点 5
採点&マークミスにご用心!模試では9割近くがミスあり
3社協同で自己採点結果を収集し、その方法もデジタル化されることから、2025年の集計では母集団(参加者)が増え、データの扱いに関する不備が減り、結果として分析の精度が上がることが期待されます。一方、受験生個人が行う自己採点の精度については、実はかなり低いと考えられます。と言うのも、2023年9月実施の「第1回駿台・ベネッセ大学入学共通テスト模試」における既卒生(=本番を経験しているであろう受験生)の自己採点と実際の得点を比べると、完璧に自己採点できていたのはわずか11%。なんと89%の受験生がミスをしており、全体の6割が実際より高めに採点していました。科目では、特に数学で自己採点ミスが多く見られました。「自己採点ミスはおおいにあり得る」という前提に立ち、演習時から「問題を解く→問題用紙に解答を控える→マークを塗る→確認する」という手順を習慣づけ、本番ではしっかり見直しをしてください。
模試における自己採点の誤差の例(既卒生)
2023年9月実施「第1回駿台・ベネッセ大学入学共通テスト模試」より。駿台予備学校高卒クラス 国公立大志望者の集計
正確な判定&万全の出願のために、自己採点のミス防止が不可欠!
この記事は「螢雪時代(2025年1月号)」より転載いたしました。
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