何を学ぶ
子どもたち一人ひとりの「伴走者」としてその成長に寄り添い、未来を開いていく―プロとして、専門家としての教師を育てることを使命としているのが教員養成系学部である。

権藤 敦子(ごんどう あつこ)先生
広島大学/名誉教授
1959年広島生まれ。上智大学文学部卒、東京藝術大学大学院修了。博士(学術)。現在、日本音楽教育学会会長、初等教育カリキュラム学会理事。『高野辰之と唱歌の時代』、他執筆。
子どもたちの未来を開くしごと
これまでの皆さんの人生で、もっともリアルにイメージできる職業、それが小学校や幼稚園の先生(教師)ではないだろうか。自分にとってかけがえのない出会いを通して、将来の夢を描くきっかけを得た人も多くいることだろう。そして、子どもとしての皆さんが経験してきたように、数多くの、多様な個性をもった、子どもたち一人ひとりの成長に関わりながら未来を開いていくのが先生の仕事である。
未来を見通しながら人を育てるという、責任のある仕事であり、専門家としてのマインド、高い意識、そして、専門的な技術を備えたプロである。
そのため、先生になるには、幼稚園、小学校、中学校、特別支援学校など、それぞれの教員免許を取得する。
先生を育てることを主な目的とし、免許を取って卒業できるのが、大学のなかの教員養成系学部、教員養成課程である。免許資格として求められることを中心に学び、実際に子どもたちと向き合うための幅広い専門性を身につけるとともに、学習や、教育の本質について学ぶ。
それでは、プロとして、「専門家としての教師」になるには、どんな勉強をするのだろう。ここでは、まず、小学校や幼稚園の先生の専門性について幅広く説明し、次に、教員養成課程でどのようなことを学ぶのか、具体的な事例で紹介することにしよう。
未来を見通しながら人を育てるという、責任のある仕事であり、専門家としてのマインド、高い意識、そして、専門的な技術を備えたプロである。
そのため、先生になるには、幼稚園、小学校、中学校、特別支援学校など、それぞれの教員免許を取得する。
先生を育てることを主な目的とし、免許を取って卒業できるのが、大学のなかの教員養成系学部、教員養成課程である。免許資格として求められることを中心に学び、実際に子どもたちと向き合うための幅広い専門性を身につけるとともに、学習や、教育の本質について学ぶ。
それでは、プロとして、「専門家としての教師」になるには、どんな勉強をするのだろう。ここでは、まず、小学校や幼稚園の先生の専門性について幅広く説明し、次に、教員養成課程でどのようなことを学ぶのか、具体的な事例で紹介することにしよう。
現在と未来の課題に応えられる教員が求められている
今から約150年前、明治時代に学校制度が開始され、すぐに日本の各地に小学校がつくられた。皆さんの出身校のなかにも、創立150周年を迎えたところがあるのではないだろうか。幼稚園もその数年後に開設され、学校とともに発展してきた。教員養成は、学校にさきがけて開始され、学校とともにある長い歴史のある「専門」である。
今の時代に目を向けてみると、子どもたちを取り巻く社会が変化するなかで、一人ひとりの子どもがこれから生き抜いていけるよう学校の役割は絶えず見直されている。そして、変化を前向きに受け止め、子どもたちとともに自分なりに学び続ける先生が必要とされている。
将来、子どもたちの65%が今存在していない職業に就くことになるだろうという衝撃的な予測や、AIが人間の職業を奪うのではないか、といった不安の声も聴かれる。こうした変化が激しく将来の予測が困難な時代にあって、子どもたちが自信を持って自分の人生を切り開いていけるようにするためにも、現在と未来の課題をよく理解して、その成長に寄り添う先生の存在が大切である。
2022年12月には、「『令和の日本型学校教育』を担う教師の養成・採用・研修等の在り方について~「新たな教師の学びの姿」の実現と、多様な専門性を有する質の高い教職員集団の形成~」という方向性が示された。そこでは、子どもたちに寄り添い、全ての子どもたちの可能性を引き出すとともに、先生自身も自分の個性を生かしながら、仲間とともに積極的に学んでいく、そんな姿が求められている。
教員養成系の学部やコースは、単に、「資格としての免許」を取るだけではなく、こうした現在と未来の課題に応えていける教師を育てることを使命としている。そして、皆さんと同じように教師を目指す多くの仲間と出会うことのできる場所である。
今の時代に目を向けてみると、子どもたちを取り巻く社会が変化するなかで、一人ひとりの子どもがこれから生き抜いていけるよう学校の役割は絶えず見直されている。そして、変化を前向きに受け止め、子どもたちとともに自分なりに学び続ける先生が必要とされている。
将来、子どもたちの65%が今存在していない職業に就くことになるだろうという衝撃的な予測や、AIが人間の職業を奪うのではないか、といった不安の声も聴かれる。こうした変化が激しく将来の予測が困難な時代にあって、子どもたちが自信を持って自分の人生を切り開いていけるようにするためにも、現在と未来の課題をよく理解して、その成長に寄り添う先生の存在が大切である。
2022年12月には、「『令和の日本型学校教育』を担う教師の養成・採用・研修等の在り方について~「新たな教師の学びの姿」の実現と、多様な専門性を有する質の高い教職員集団の形成~」という方向性が示された。そこでは、子どもたちに寄り添い、全ての子どもたちの可能性を引き出すとともに、先生自身も自分の個性を生かしながら、仲間とともに積極的に学んでいく、そんな姿が求められている。
教員養成系の学部やコースは、単に、「資格としての免許」を取るだけではなく、こうした現在と未来の課題に応えていける教師を育てることを使命としている。そして、皆さんと同じように教師を目指す多くの仲間と出会うことのできる場所である。
教師として学び続けるために大切なことを身につける4年間
図1は、文部科学省が示した図をもとに、教師として成長していく過程をまとめたものである。大学は「学び続ける教師としての基礎力を身につける時期」にあたる。大学ごとに、その地域の課題に対応するプログラムや、学部と大学院を接続した5年間一貫プログラムなど、特色のあるコースや専攻が準備されている。入試も、プレゼンテーションや小論文、実技試験など、その特色に応じた課題が課されている場合がある。それぞれの大学、コース等で公表されている資料をよく確認してみよう。
図2は、大学での学びについて、広島大学の例を示している。
中学校や高等学校と異なり、小学校では担任の先生が子どもたちと一日をともに過ごし、多くの教科を教える。そのため、どの教科についても、指導論、教育法、学習材の研究や教科の内容についての授業が開講されており、それぞれの教科等の専門家である専任教員のもとで深めていく。また、外国語、道徳、ICT、特別支援教育、学級経営や児童理解、外国人児童の教育、幼稚園や中高など他校種との連携に関わる課題にも対応できるよう、多様な科目が開講されている。さらに、地域の子どもたちを大学に迎えて、仲間と協働し、地域や家庭と連携して活動を運営・サポートしたり、一人ひとりのつまずきに寄り添う実践をしたりする授業も行われている。
大学では、自分なりに大学での学びを組み立て、理論的な学びやものの考え方、視野を拡げ、さらに、系統的な教育実習の科目を通して、先生としての実践的な力を身につける。学校での授業参観、実習観察、そして、3年次の5週間にわたる実習では附属学校の先生方からも密度の濃い指導を受けることになる。インターンシップやボランティアなどに参加したり、大学の海外留学・研修プログラムに参加したり、教育委員会による教師塾などがあればそこに参加したりして、積極的に学ぼう。
3・4年次には、自分なりに組み立てた学びをより専門的な基礎にするために、少人数ゼミに分かれる。卒業研究に取り組みながら、教員採用試験準備、就職活動、そして、各自の深めたい内容に応じた大学院や専攻科進学準備など、ゼミの仲間とともに励まし合う日々である。
大学によって異なるが、幼稚園や小学校以外の免許資格等も取得することができる。保育士資格は個人的に保育士試験を受験して取得することもできる。広島大学の場合は、幼稚園と中高の各教科、学校図書館司書教諭、社会教育主事の資格を取る学生が多い。特別支援学校教諭の免許を取得する人もいる。とはいえ、必要な単位を取ってあれこれ免許状をもらえば先生になれるわけではない。大切なことは、先生の「専門家」としての自分の姿をどのように描くか、先生になって何をしたいかである。教員採用試験合格後、採用期日を延期して大学院を修了するのを待ってくれる県や市の制度も活用できる。
最初に書いたように、教員養成系の学部・学科では先生を育てることを主な目的とし、大学での学びを計画している。学び続ける教師としての自分の成長を長い目で捉えてみよう。そして、自分らしい専門性を身につけることができるカリキュラムやプログラム、進路が選択できる大学、それを保証してくれるしっかりとしたスタッフ、ともに学ぶさまざまな個性の仲間や先輩のいるところに飛び込もう。
図2は、大学での学びについて、広島大学の例を示している。
中学校や高等学校と異なり、小学校では担任の先生が子どもたちと一日をともに過ごし、多くの教科を教える。そのため、どの教科についても、指導論、教育法、学習材の研究や教科の内容についての授業が開講されており、それぞれの教科等の専門家である専任教員のもとで深めていく。また、外国語、道徳、ICT、特別支援教育、学級経営や児童理解、外国人児童の教育、幼稚園や中高など他校種との連携に関わる課題にも対応できるよう、多様な科目が開講されている。さらに、地域の子どもたちを大学に迎えて、仲間と協働し、地域や家庭と連携して活動を運営・サポートしたり、一人ひとりのつまずきに寄り添う実践をしたりする授業も行われている。
大学では、自分なりに大学での学びを組み立て、理論的な学びやものの考え方、視野を拡げ、さらに、系統的な教育実習の科目を通して、先生としての実践的な力を身につける。学校での授業参観、実習観察、そして、3年次の5週間にわたる実習では附属学校の先生方からも密度の濃い指導を受けることになる。インターンシップやボランティアなどに参加したり、大学の海外留学・研修プログラムに参加したり、教育委員会による教師塾などがあればそこに参加したりして、積極的に学ぼう。
3・4年次には、自分なりに組み立てた学びをより専門的な基礎にするために、少人数ゼミに分かれる。卒業研究に取り組みながら、教員採用試験準備、就職活動、そして、各自の深めたい内容に応じた大学院や専攻科進学準備など、ゼミの仲間とともに励まし合う日々である。
大学によって異なるが、幼稚園や小学校以外の免許資格等も取得することができる。保育士資格は個人的に保育士試験を受験して取得することもできる。広島大学の場合は、幼稚園と中高の各教科、学校図書館司書教諭、社会教育主事の資格を取る学生が多い。特別支援学校教諭の免許を取得する人もいる。とはいえ、必要な単位を取ってあれこれ免許状をもらえば先生になれるわけではない。大切なことは、先生の「専門家」としての自分の姿をどのように描くか、先生になって何をしたいかである。教員採用試験合格後、採用期日を延期して大学院を修了するのを待ってくれる県や市の制度も活用できる。
最初に書いたように、教員養成系の学部・学科では先生を育てることを主な目的とし、大学での学びを計画している。学び続ける教師としての自分の成長を長い目で捉えてみよう。そして、自分らしい専門性を身につけることができるカリキュラムやプログラム、進路が選択できる大学、それを保証してくれるしっかりとしたスタッフ、ともに学ぶさまざまな個性の仲間や先輩のいるところに飛び込もう。


