何を学ぶ
化学的に農学の諸問題を解明する研究分野。大きく発展した現在、われわれの生活の食料、健康、環境などを支えるバイオサイエンスとバイオインダストリーのほとんどを包括する。

吉田 滋樹(よしだ しげき)先生
筑波大学/生命環境系/准教授
1962年、東京都生まれ。筑波大学大学院博士課程農学研究科中退。博士(農学)。日本大学助手、筑波大学助手、講師を経て現職。専攻は食品機能化学。著書に『新食品分析ハンドブック』(分担執筆)など。
身近な農芸化学
現在の高校生にとって農芸化学とは、何を学べる分野か今ひとつわからないという印象ではないだろうか。
農芸化学の「芸」とは技(わざ)のことであり、読んで字のごとく、農学における諸問題を化学という技を用いて解明・解決する学問分野である。このように書くと農業に直結する肥料や農薬の研究分野をイメージする人も多いであろう。もちろんそれらも農芸化学の重要な研究分野であるが、農芸化学の研究範囲は驚くほど多岐にわたり、われわれの身近な生活のさまざまな局面に農芸化学の研究対象を見出すことができる。
普段なにげなく口にしている食べ物を例にとれば、野菜や穀物、肉などの素材を微生物の力を借りて酒や醤油、チーズ、ヨーグルトなどの発酵食品に加工する。この発酵などはまさに農芸化学の中心分野の一つである。
また、食品中の栄養成分が人間の体内でどのように代謝され、どのような機能を発揮するのか。この栄養化学あるいは食品機能学なども農芸化学に含まれ、ここからサプリメントや機能性食品などが生み出されている。
一方、応用微生物学の分野では、微生物が生産する抗生物質や抗がん剤、エタノールに代表されるバイオエネルギーの工業的生産、さらに微生物による環境ホルモンの分解や水の浄化などが研究対象に含まれ、まさに人類が目指すべき21世紀の環境型社会の構築に大きく貢献している研究分野と言えよう。
つまり農芸化学とは、われわれの生活における「食料」「健康」「環境」などを支える広範なバイオサイエンス(生命科学)とバイオインダストリー(生命産業)のほとんどを包括しているのである。
農芸化学の「芸」とは技(わざ)のことであり、読んで字のごとく、農学における諸問題を化学という技を用いて解明・解決する学問分野である。このように書くと農業に直結する肥料や農薬の研究分野をイメージする人も多いであろう。もちろんそれらも農芸化学の重要な研究分野であるが、農芸化学の研究範囲は驚くほど多岐にわたり、われわれの身近な生活のさまざまな局面に農芸化学の研究対象を見出すことができる。
普段なにげなく口にしている食べ物を例にとれば、野菜や穀物、肉などの素材を微生物の力を借りて酒や醤油、チーズ、ヨーグルトなどの発酵食品に加工する。この発酵などはまさに農芸化学の中心分野の一つである。
また、食品中の栄養成分が人間の体内でどのように代謝され、どのような機能を発揮するのか。この栄養化学あるいは食品機能学なども農芸化学に含まれ、ここからサプリメントや機能性食品などが生み出されている。
一方、応用微生物学の分野では、微生物が生産する抗生物質や抗がん剤、エタノールに代表されるバイオエネルギーの工業的生産、さらに微生物による環境ホルモンの分解や水の浄化などが研究対象に含まれ、まさに人類が目指すべき21世紀の環境型社会の構築に大きく貢献している研究分野と言えよう。
つまり農芸化学とは、われわれの生活における「食料」「健康」「環境」などを支える広範なバイオサイエンス(生命科学)とバイオインダストリー(生命産業)のほとんどを包括しているのである。
農芸化学の歴史
農芸化学は「agricultural chemistry」と英訳されるが、海外ではagricultural chemistryというと土壌学や肥料学など日本の農芸化学より狭義の農業化学を指すことが多い。言い換えれば農芸化学とは諸外国に類を見ない日本独特の発展を遂げた学問分野である。では、農芸化学という学問分野はどのように成立してきたのであろうか。
日本の科学分野に、農芸化学という種が蒔かれたのは150年以上前、明治初期のこと。1868年、明治政府は日本の近代化を進めるため、ヨーロッパ社会の諸制度を急速に取り入れた。それは教育においても例外ではなく、1874年に農事修学場(東京大学農学部のもっとも前身にあたる)が現在の新宿御苑内に、1876年に北海道開拓のために札幌農学校(北海道大学農学部の前身)が開設され、日本における農学教育の2大源流となった。この農事修学場が駒場野に移転し駒場野農学校が開設され、ここに農芸化学を教えるため、はじめは英国人、後にドイツ人教師が招かれ、彼らが日本の農芸化学の基礎を作り上げたのである。その後、各地に専門学校、また国立大学(当時は帝国大学)に農学部が設立されるに伴い、農芸化学科が設置され、農学部のなかでも特に大きい比重を占めるに至った。
こうして生まれた農芸化学分野からはノーベル賞に匹敵する数多くの研究業績が生まれている。
1910年、鈴木梅太郎は脚気(かっけ)に顕著に効く成分を米糠(こめぬか)から抽出し、アベリ酸、のちにオリザニンと命名した。これはビタミンB1であり、ビタミン研究の先駆をなすものである。そのほかにも高峰譲吉のアドレナリン、タカジアスターゼ、高橋克己のビタミンA結晶性誘導体などが挙げられる。
われわれの日常生活においても、農芸化学の研究成果を数多く見出すことができる。池田菊苗は昆布のうま味成分がグルタミン酸ナトリウムであることを発見し、これが調味料としてきわめて優れていることから、商業的に販売された世界で最初のアミノ酸となった。その後、このグルタミン酸ナトリウムは微生物を用いた発酵法により作られるようになり、現在は広く食品添加物として使用されている。種無しブドウを作る際に利用される植物ホルモンのジベレリンも農芸化学分野の功績であり、そのほか数え上げたら枚挙にいとまがないほどである。
日本の科学分野に、農芸化学という種が蒔かれたのは150年以上前、明治初期のこと。1868年、明治政府は日本の近代化を進めるため、ヨーロッパ社会の諸制度を急速に取り入れた。それは教育においても例外ではなく、1874年に農事修学場(東京大学農学部のもっとも前身にあたる)が現在の新宿御苑内に、1876年に北海道開拓のために札幌農学校(北海道大学農学部の前身)が開設され、日本における農学教育の2大源流となった。この農事修学場が駒場野に移転し駒場野農学校が開設され、ここに農芸化学を教えるため、はじめは英国人、後にドイツ人教師が招かれ、彼らが日本の農芸化学の基礎を作り上げたのである。その後、各地に専門学校、また国立大学(当時は帝国大学)に農学部が設立されるに伴い、農芸化学科が設置され、農学部のなかでも特に大きい比重を占めるに至った。
こうして生まれた農芸化学分野からはノーベル賞に匹敵する数多くの研究業績が生まれている。
1910年、鈴木梅太郎は脚気(かっけ)に顕著に効く成分を米糠(こめぬか)から抽出し、アベリ酸、のちにオリザニンと命名した。これはビタミンB1であり、ビタミン研究の先駆をなすものである。そのほかにも高峰譲吉のアドレナリン、タカジアスターゼ、高橋克己のビタミンA結晶性誘導体などが挙げられる。
われわれの日常生活においても、農芸化学の研究成果を数多く見出すことができる。池田菊苗は昆布のうま味成分がグルタミン酸ナトリウムであることを発見し、これが調味料としてきわめて優れていることから、商業的に販売された世界で最初のアミノ酸となった。その後、このグルタミン酸ナトリウムは微生物を用いた発酵法により作られるようになり、現在は広く食品添加物として使用されている。種無しブドウを作る際に利用される植物ホルモンのジベレリンも農芸化学分野の功績であり、そのほか数え上げたら枚挙にいとまがないほどである。
多彩な研究分野
農芸化学の研究対象は、時代的背景や社会的要請により大きな広がりを見せている。
私見であるが、農業に密接した研究分野であった農芸化学が、現在のような広範な分野を包括するようになった転機は二つある。
最初の転機となったのは第一次世界大戦で、それまでヨーロッパに依存していた医薬品や工業製品の輸入が途絶えた。ちょうどこの時期は日本が農業国から工業国へ大きく変化した時期にあたり、医薬品の製造に農芸化学の一部が協力した。また、発酵が従来の醸造から非食品の化学工業原料の製造も目指すようになった。それ以後、農芸化学は化学工業分野へ急速に広がっていく。
第二の転機は1980年代からの分子生物学の発展である。この40年あまり、遺伝子組換え技術が確立し、分子生物学や細胞生物学での発見が相次いだ。遺伝子操作の最初の対象が微生物であったことから、発酵など微生物研究を得意とした農芸化学者が活躍した。
その後、微生物から植物や動物に研究対象を移した研究者がそれぞれの分野でも活躍している。こうして現在のバイオサイエンスとバイオインダストリーを看板とした総合研究分野となったのである。
では、この農芸化学をさらにいくつかの領域に大別し、それぞれの具体的な研究内容を紹介しよう。
1)生物有機化学—天然物の分離と構造解析、天然物の生物活性、生物活性物質の代謝、生物活性物質の有機合成など。近年、昆虫の脱皮に関連した昆虫ホルモンの構造解析や化学合成法を確立して、害虫駆除に応用することが期待されている。また、植物の二次代謝物質の研究は食品の機能性や医薬品とも深く関連している。
2)生体高分子化学—タンパク質、核酸、糖質、脂質、生体高分子複合体などが対象。生体高分子の性質を明らかにすることで生命の代謝プロセスを解明したり、各種機能性材料を開発する。デンプンから作られる高分子吸収剤は紙オムツなどに利用されている。また食品添加物や医薬品開発への応用例も多い。
3)酵素化学—酵素の精製、酵素の構造と機能、酵素の工業的生産、酵素工学など。チーズ、甘味料などの食品製造にとどまらず、医薬品や洗剤などに利用される酵素を探索し、性質を明らかにする。遺伝子組換え技術を用いて、より酵素の有用性を向上させる酵素工学などが注目されている。
4)微生物学—微生物の分離・同定、微生物生理学、微生物遺伝学、発酵・醸造学など。未知な微生物の機能を見出して、各種食品にとどまらず工業原料の生産、抗生物質や生理活性物質などの医薬品生産も行う。さらに、微生物を利用した環境ホルモンの分解や、工業廃棄物の処理、バイオマスエネルギーへの変換など環境科学でも期待されている。
5)動物学—栄養化学、代謝化学、細胞学、免疫学など。情報伝達のメカニズムや、病原性微生物や各種抗原に対する免疫応答などを個体から細胞まで広く研究する。薬学や医学との関連も深い。
6)植物学—土壌学、植物栄養学、植物生理学、植物細胞工学など。農芸化学の初期から存在した領域で、植物資源の生産に関する諸問題が研究対象。近年は植物培養細胞による有用物質の生産や、環境への適応性の付加なども重要な研究テーマである。
7)食料科学—食品化学、食品安全学、食品工学、食品機能学など。食品に関連する諸問題全般が研究対象であり、食品の成分分析から機能性食品の開発、味覚・嗅覚の感知メカニズムなどが含まれる。
このほかにも環境科学やバイオセンサーの開発など、農学にとどまらず、理学、薬学、医学、工学などの諸分野とオーバーラップした境界農学と呼ばれる分野も含まれている。
私見であるが、農業に密接した研究分野であった農芸化学が、現在のような広範な分野を包括するようになった転機は二つある。
最初の転機となったのは第一次世界大戦で、それまでヨーロッパに依存していた医薬品や工業製品の輸入が途絶えた。ちょうどこの時期は日本が農業国から工業国へ大きく変化した時期にあたり、医薬品の製造に農芸化学の一部が協力した。また、発酵が従来の醸造から非食品の化学工業原料の製造も目指すようになった。それ以後、農芸化学は化学工業分野へ急速に広がっていく。
第二の転機は1980年代からの分子生物学の発展である。この40年あまり、遺伝子組換え技術が確立し、分子生物学や細胞生物学での発見が相次いだ。遺伝子操作の最初の対象が微生物であったことから、発酵など微生物研究を得意とした農芸化学者が活躍した。
その後、微生物から植物や動物に研究対象を移した研究者がそれぞれの分野でも活躍している。こうして現在のバイオサイエンスとバイオインダストリーを看板とした総合研究分野となったのである。
では、この農芸化学をさらにいくつかの領域に大別し、それぞれの具体的な研究内容を紹介しよう。
1)生物有機化学—天然物の分離と構造解析、天然物の生物活性、生物活性物質の代謝、生物活性物質の有機合成など。近年、昆虫の脱皮に関連した昆虫ホルモンの構造解析や化学合成法を確立して、害虫駆除に応用することが期待されている。また、植物の二次代謝物質の研究は食品の機能性や医薬品とも深く関連している。
2)生体高分子化学—タンパク質、核酸、糖質、脂質、生体高分子複合体などが対象。生体高分子の性質を明らかにすることで生命の代謝プロセスを解明したり、各種機能性材料を開発する。デンプンから作られる高分子吸収剤は紙オムツなどに利用されている。また食品添加物や医薬品開発への応用例も多い。
3)酵素化学—酵素の精製、酵素の構造と機能、酵素の工業的生産、酵素工学など。チーズ、甘味料などの食品製造にとどまらず、医薬品や洗剤などに利用される酵素を探索し、性質を明らかにする。遺伝子組換え技術を用いて、より酵素の有用性を向上させる酵素工学などが注目されている。
4)微生物学—微生物の分離・同定、微生物生理学、微生物遺伝学、発酵・醸造学など。未知な微生物の機能を見出して、各種食品にとどまらず工業原料の生産、抗生物質や生理活性物質などの医薬品生産も行う。さらに、微生物を利用した環境ホルモンの分解や、工業廃棄物の処理、バイオマスエネルギーへの変換など環境科学でも期待されている。
5)動物学—栄養化学、代謝化学、細胞学、免疫学など。情報伝達のメカニズムや、病原性微生物や各種抗原に対する免疫応答などを個体から細胞まで広く研究する。薬学や医学との関連も深い。
6)植物学—土壌学、植物栄養学、植物生理学、植物細胞工学など。農芸化学の初期から存在した領域で、植物資源の生産に関する諸問題が研究対象。近年は植物培養細胞による有用物質の生産や、環境への適応性の付加なども重要な研究テーマである。
7)食料科学—食品化学、食品安全学、食品工学、食品機能学など。食品に関連する諸問題全般が研究対象であり、食品の成分分析から機能性食品の開発、味覚・嗅覚の感知メカニズムなどが含まれる。
このほかにも環境科学やバイオセンサーの開発など、農学にとどまらず、理学、薬学、医学、工学などの諸分野とオーバーラップした境界農学と呼ばれる分野も含まれている。
農芸化学の発展的再編
バイオサイエンスとバイオインダストリーの総合分野である農芸化学は、農学部のなかでも大きなウエートを占め、農芸化学科はほとんどの農学部に存在した。しかし、30年ほど前から始まった農学部の再編に伴い農芸化学科は次々と姿を消した。だが、これは農芸化学の衰退を意味しているのではなく、むしろ学問分野の発展的再編の結果であり、新しい学科が数多く生まれた。その結果、農学部以外の工学部などにも農芸化学に関連した学科が設置されている。また、2021年1月から実施された大学入学共通テスト導入に伴い、学部や学科の再編、あるいは入試の変更が行われた大学も多い。
大学説明会や模擬授業、キャンパスツアーなど、さまざまなプログラムが含まれるオープンキャンパスは進路選択のために多くの情報を提供してくれる。新型コロナウイルス感染症の影響もやや落ち着きを取り戻し、オンライン開催のみであった多くの大学もキャンパスでの対面式とのハイブリッド型となっている。可能であればぜひ大学のキャンパスを訪れてもらいたい。また、各大学ともホームページの充実には力を入れており、カリキュラムなども公開されている。志望校を決定する際には、こちらも大いに参考になる。
大学説明会や模擬授業、キャンパスツアーなど、さまざまなプログラムが含まれるオープンキャンパスは進路選択のために多くの情報を提供してくれる。新型コロナウイルス感染症の影響もやや落ち着きを取り戻し、オンライン開催のみであった多くの大学もキャンパスでの対面式とのハイブリッド型となっている。可能であればぜひ大学のキャンパスを訪れてもらいたい。また、各大学ともホームページの充実には力を入れており、カリキュラムなども公開されている。志望校を決定する際には、こちらも大いに参考になる。
実験重視のカリキュラム
農芸化学分野は学科再編によってさまざまな学科に変貌を遂げた。そのため各大学・学科ごとにカリキュラムに工夫を凝らし特色のあるものとなっている。ここでは農芸化学における標準的な教育内容を年次進行に沿って紹介する。
大学に入学すると1年次には化学、物理学、生物学、統計学、情報処理、およびこれらの実験・演習などの基礎科目と、教養科目として社会科学系科目(選択のことが多い)、語学などを履修する。1年次から専門基礎科目が取り入れられている大学もあるが、概してまだ農芸化学らしい科目は少ない。
2年次になると物理化学、有機化学、生物化学、分析化学、微生物学などの専門基礎科目が中心となる。
そして3年次では専門科目として土壌学、植物栄養学、植物生理学、応用微生物学、微生物生理学、発酵学、生体成分化学、食品化学、栄養生理学、分子生物学、細胞生物学など、より細分化された各分野の科目を履修することになる。
開設されている専門科目とその年次進行は各大学で異なっており、詳しくは前述のように各大学のホームページを参照されたい。
一方、農芸化学分野は実験を重視しており、2年次あるいは遅くとも3年次からは毎日午後は専攻実験という大学が多い。これは農学系は元来実学であり、得られた研究成果をいかに実社会に還元するかが重要視されているからである。理論のみではなく実験によって実証することが重要視されているので、実験や実習の授業に多くの時間が割り当てられている。その最たるものが大学における集大成としての卒業研究である。これは教員の指導のもとで特定のテーマについて研究を行い、卒業論文を完成させるものである。結果がわかっている学生実験とは異なり、自分の実験結果から新しい知見や理論を導きだす卒業研究では、知識だけでなく実験技術の正確さも必要である。毎日の結果に一喜一憂し、ときには壁に当たりながら、研究生活の一端を垣間見るのである。
大学に入学すると1年次には化学、物理学、生物学、統計学、情報処理、およびこれらの実験・演習などの基礎科目と、教養科目として社会科学系科目(選択のことが多い)、語学などを履修する。1年次から専門基礎科目が取り入れられている大学もあるが、概してまだ農芸化学らしい科目は少ない。
2年次になると物理化学、有機化学、生物化学、分析化学、微生物学などの専門基礎科目が中心となる。
そして3年次では専門科目として土壌学、植物栄養学、植物生理学、応用微生物学、微生物生理学、発酵学、生体成分化学、食品化学、栄養生理学、分子生物学、細胞生物学など、より細分化された各分野の科目を履修することになる。
開設されている専門科目とその年次進行は各大学で異なっており、詳しくは前述のように各大学のホームページを参照されたい。
一方、農芸化学分野は実験を重視しており、2年次あるいは遅くとも3年次からは毎日午後は専攻実験という大学が多い。これは農学系は元来実学であり、得られた研究成果をいかに実社会に還元するかが重要視されているからである。理論のみではなく実験によって実証することが重要視されているので、実験や実習の授業に多くの時間が割り当てられている。その最たるものが大学における集大成としての卒業研究である。これは教員の指導のもとで特定のテーマについて研究を行い、卒業論文を完成させるものである。結果がわかっている学生実験とは異なり、自分の実験結果から新しい知見や理論を導きだす卒業研究では、知識だけでなく実験技術の正確さも必要である。毎日の結果に一喜一憂し、ときには壁に当たりながら、研究生活の一端を垣間見るのである。
卒業後の進路
卒業後の進路は大きく分けて、大学院進学か学部卒での就職になる。大学卒での就職では民間企業が多くを占める。
民間企業への就職では、食品関連や化粧品、化学工業、製薬などの製造業を希望する学生が多い。しかし、大学で学んだ専門知識を生かして研究や開発を行う職種を希望する場合、学部卒では就職に苦労することもある。これは理系全般に言えることだが、学問分野が広がったため、学部で学ぶことは必要最小限の知識にとどまっているためである。また、早い時期からインターンシッププログラムに参加して、実際の企業の業務内容を把握するようにしている学生も多い。その一方で、マスコミや出版業界あるいは弁理士などで、専門知識を生かすケースもある。
公務員を目指す学生も少なくないが、国家あるいは各都道府県の公務員試験に合格する必要がある。試験区分としてほとんどの都道府県で農学全般を一つとして扱っているので、農学全般について勉強しておく必要がある。また、試験区分として「化学」の分野で受験することも可能である。
民間企業への就職では、食品関連や化粧品、化学工業、製薬などの製造業を希望する学生が多い。しかし、大学で学んだ専門知識を生かして研究や開発を行う職種を希望する場合、学部卒では就職に苦労することもある。これは理系全般に言えることだが、学問分野が広がったため、学部で学ぶことは必要最小限の知識にとどまっているためである。また、早い時期からインターンシッププログラムに参加して、実際の企業の業務内容を把握するようにしている学生も多い。その一方で、マスコミや出版業界あるいは弁理士などで、専門知識を生かすケースもある。
公務員を目指す学生も少なくないが、国家あるいは各都道府県の公務員試験に合格する必要がある。試験区分としてほとんどの都道府県で農学全般を一つとして扱っているので、農学全般について勉強しておく必要がある。また、試験区分として「化学」の分野で受験することも可能である。
大学院進学の勧め
理系の学部では大学院進学率が高く、それは農学部も例外ではない。特に、農芸化学分野は大学院への進学率が、ほかの農学関連分野に比べて高い。
これは学問分野の広がりに伴い、社会のニーズに応え得る人材の育成には大学の4年間では十分対応しきれなくなっているからである。高度な専門性を習得するためには少なくとも大学院修士課程に進学する必要があるのだ。実際、大手民間企業の技術系就職の場合、修士以上のキャリアでの募集であることも多い。
大学院は修士課程の2年とその後の博士課程3年で構成されるが、研究者を目指すのであるなら、博士課程まで進学することも視野に入れ、自分の将来を考えてほしい。そして、無限の可能性を秘めた若い力により、21世紀の人類に貢献する研究成果が上がることを期待している。
これは学問分野の広がりに伴い、社会のニーズに応え得る人材の育成には大学の4年間では十分対応しきれなくなっているからである。高度な専門性を習得するためには少なくとも大学院修士課程に進学する必要があるのだ。実際、大手民間企業の技術系就職の場合、修士以上のキャリアでの募集であることも多い。
大学院は修士課程の2年とその後の博士課程3年で構成されるが、研究者を目指すのであるなら、博士課程まで進学することも視野に入れ、自分の将来を考えてほしい。そして、無限の可能性を秘めた若い力により、21世紀の人類に貢献する研究成果が上がることを期待している。



