何を学ぶ
人体の仕組みやはたらきを研究し、病気の原因、診断、治療を学ぶ分野。医師や医学研究者を育成し、国民の健康を守る使命がある。

奈良 信雄(なら のぶお)先生
順天堂大学/医学部/客員教授、東京科学大学/医学部/名誉教授、日本医学教育評価機構(JACME)常勤理事
1950年生まれ。香川県高松市出身。東京医科歯科大学(現東京科学大学)卒。専攻は血液内科学、医学教育学、臨床検査医学。著書に『内科診断学』(共同編集)などの専門書のほか、『地獄の沙汰も医者しだい』『血液のふしぎ』『遺伝子診断で何ができるか』など、一般書多数。
医学部で何を学ぶか?
医学部では、患者の診療を行う医療について学んだり、医学研究を行う基本を学んだりします。
医学は人類の誕生とともに歩んできました。紀元前4世紀ころには、古代ギリシャでヒポクラテスが医療を行ったとされます。当時は科学的な根拠に基づいた医療というよりは、経験に基づいており、19世紀ころまでは伝承医療が主流でした。
20世紀以降、生物学、物理学、化学などの科学が急速に発展するにつれ、医学も科学を積極的に取り入れ、より効果のある理論的な医療が行われるようになってきました。単なる経験ではなく、科学的な理論に基づいた医療に進歩したのです。
細菌による感染症にかかった患者の場合、まずは感染を起こした細菌を特定し、その細菌に効果があると認められた抗菌薬を使って治療するといったものです。
現在の医学部では、科学的根拠に基づいた医療を実践できる医師を育てたり、医学の発展に貢献する医学研究者を育成したりするために6年間の教育が行われています。
医術とも言われた伝承的医学の時代には、医療は秘伝の技として後継者にのみ代々受け継がれました。
科学に基づく現代の医学には、「秘伝の技」などありません。有効な治療法が開発されれば、それを広く公開し、世界中の人びとが恩恵を受けられるようになっているのです。適切な教育を受けた医師なら、誰でもが同じレベルで適切な医療を実践できることが求められます。
このためには、系統だてられたカリキュラムに基づいて、医学的知識、医療技術を学ぶことになります。
医学は人類の誕生とともに歩んできました。紀元前4世紀ころには、古代ギリシャでヒポクラテスが医療を行ったとされます。当時は科学的な根拠に基づいた医療というよりは、経験に基づいており、19世紀ころまでは伝承医療が主流でした。
20世紀以降、生物学、物理学、化学などの科学が急速に発展するにつれ、医学も科学を積極的に取り入れ、より効果のある理論的な医療が行われるようになってきました。単なる経験ではなく、科学的な理論に基づいた医療に進歩したのです。
細菌による感染症にかかった患者の場合、まずは感染を起こした細菌を特定し、その細菌に効果があると認められた抗菌薬を使って治療するといったものです。
現在の医学部では、科学的根拠に基づいた医療を実践できる医師を育てたり、医学の発展に貢献する医学研究者を育成したりするために6年間の教育が行われています。
医術とも言われた伝承的医学の時代には、医療は秘伝の技として後継者にのみ代々受け継がれました。
科学に基づく現代の医学には、「秘伝の技」などありません。有効な治療法が開発されれば、それを広く公開し、世界中の人びとが恩恵を受けられるようになっているのです。適切な教育を受けた医師なら、誰でもが同じレベルで適切な医療を実践できることが求められます。
このためには、系統だてられたカリキュラムに基づいて、医学的知識、医療技術を学ぶことになります。
医学部に望ましい人とは?
医学部に望ましいのは、人間の健康を守り、患者の病気を治そうという尊い志を持つ人です。医療に情熱を持てる人といえます。また、人間が好きということも必要でしょう。あるいは、生命という現象を解き明かそうとしたり、医療行政に関心を持つ人も、医学部で学ぶにふさわしい人といえるでしょう。
医師は、休日でも、夜間でも、診療を行うことがあります。ですから、医師には、医療への情熱だけでなく、体力も、気力も十分に備えておくことが要求されます。
どの診療科を選ぼうとも、医師はまず健康で、十分な体力を持っていることが前提なのです。
医師は、休日でも、夜間でも、診療を行うことがあります。ですから、医師には、医療への情熱だけでなく、体力も、気力も十分に備えておくことが要求されます。
どの診療科を選ぼうとも、医師はまず健康で、十分な体力を持っていることが前提なのです。
医学部の教育カリキュラム
さて、ここでは医学部の教育カリキュラムをご紹介しましょう(下図参照)。
医学部は、医師という専門職業人(プロフェッショナル)を育てるという大きな使命を背負っています。医学部を卒業する時点において、医師として独り立ちできるだけの学識と、技量を備えておかなければならないのです。
そこで、医学部では、全国医学部に共通した「医学教育モデル・コア・カリキュラム」とよばれるカリキュラムが基本になって教育されます。
医学部への入学は、現在多様化していますが、高校卒業後、大学入学共通テスト、個別学力試験などに合格して入学する一般選抜が基本です。そして6年間の医学部教育を受けます。
他の学部を卒業した学士を、医学部の1年次あるいは2年次に編入させる大学もあります。他学部で学んだ学識を医学に応用してもらうのがねらいです。
このほか、地域医療の振興を目的とした地域入学枠を設ける大学や、推薦入学制度のある大学もあります。また、将来の医学研究者を養成するコースを設定している大学もあります。
医学部に入学すると、まず医師としてふさわしい教養を身につけるべく教養教育、あるいは準備教育として、倫理学、社会学、哲学、語学、数学、生物学、物理学、化学、保健体育などが教育されます。従来はほとんどの大学の医学部で、2年間を教養教育として医学生に教育してきました。しかし最近ではむしろ、医学の専門教育を入学後の早期から開始するという大学が大多数になり、教養教育は1年間程度に短縮されるようになっています。
教養教育を履修した後は、医学の専門教育が行われます。教養教育と専門教育が完全に分かれず、入学当初から医学専門教育をクサビ型に導入し、患者に対するコミュニケーション能力や診察技法を教育する大学も多くなっています。
専門教育では、人体の構造と機能がまず教育されます。すなわち、医学部の特徴である解剖学から始まり、組織学、生理学、生化学、分子生物学、免疫学、微生物学、医動物学、病理学、薬理学などが教育されます。いわゆる基礎医学とよばれるものです。
また、医学は社会との関わりが深く、感染症の広がりや予防を研究する衛生学、公衆衛生学、犯罪捜査にも関わりのある法医学などが社会医学として教育されます。これらは1〜2年間で教育されます。
基礎医学を学んだ後は患者と接し、疾病について学ぶ臨床医学が教育されます。医学部ならではの教育です。疾病についての知識だけでなく、診察の技法を学んだり、患者と接して診断のプロセスを学んだりします。
医学教育モデル・コア・カリキュラムでは、基礎医学と臨床医学を区別せず、たとえば心臓については構造と機能、そして病気を統合して学ぶように組まれています。
医学部は、医師という専門職業人(プロフェッショナル)を育てるという大きな使命を背負っています。医学部を卒業する時点において、医師として独り立ちできるだけの学識と、技量を備えておかなければならないのです。
そこで、医学部では、全国医学部に共通した「医学教育モデル・コア・カリキュラム」とよばれるカリキュラムが基本になって教育されます。
医学部への入学は、現在多様化していますが、高校卒業後、大学入学共通テスト、個別学力試験などに合格して入学する一般選抜が基本です。そして6年間の医学部教育を受けます。
他の学部を卒業した学士を、医学部の1年次あるいは2年次に編入させる大学もあります。他学部で学んだ学識を医学に応用してもらうのがねらいです。
このほか、地域医療の振興を目的とした地域入学枠を設ける大学や、推薦入学制度のある大学もあります。また、将来の医学研究者を養成するコースを設定している大学もあります。
医学部に入学すると、まず医師としてふさわしい教養を身につけるべく教養教育、あるいは準備教育として、倫理学、社会学、哲学、語学、数学、生物学、物理学、化学、保健体育などが教育されます。従来はほとんどの大学の医学部で、2年間を教養教育として医学生に教育してきました。しかし最近ではむしろ、医学の専門教育を入学後の早期から開始するという大学が大多数になり、教養教育は1年間程度に短縮されるようになっています。
教養教育を履修した後は、医学の専門教育が行われます。教養教育と専門教育が完全に分かれず、入学当初から医学専門教育をクサビ型に導入し、患者に対するコミュニケーション能力や診察技法を教育する大学も多くなっています。
専門教育では、人体の構造と機能がまず教育されます。すなわち、医学部の特徴である解剖学から始まり、組織学、生理学、生化学、分子生物学、免疫学、微生物学、医動物学、病理学、薬理学などが教育されます。いわゆる基礎医学とよばれるものです。
また、医学は社会との関わりが深く、感染症の広がりや予防を研究する衛生学、公衆衛生学、犯罪捜査にも関わりのある法医学などが社会医学として教育されます。これらは1〜2年間で教育されます。
基礎医学を学んだ後は患者と接し、疾病について学ぶ臨床医学が教育されます。医学部ならではの教育です。疾病についての知識だけでなく、診察の技法を学んだり、患者と接して診断のプロセスを学んだりします。
医学教育モデル・コア・カリキュラムでは、基礎医学と臨床医学を区別せず、たとえば心臓については構造と機能、そして病気を統合して学ぶように組まれています。
医学部での学習
医学部での学習法には、講義、チュートリアル、実習、自己学習などがあります。そのなかで中心となるのは、学生自身が頭を使って考える能力を養うチュートリアル教育や自己学習です。医学部では、知識を伝授するよりも、どのようにして情報を集め、直面する課題をどうやって解決するか、といった能力を学生が修得することに力点が置かれています。
中国の故事に、「人に魚を与えれば一日は生き延びられる。しかし、魚のとり方を教えれば一生食べていける」というのがあります。まさしく医学部では、日進月歩の医学を学ぶ方法を教育するのです。学生が資料を集め、自分で学習するわけです。教員はチュータとして、頭ごなしに教えるというよりも、学生の学習をサポートします。
たとえば、7名前後の学生がグループとして集まり、設定されたテーマに沿って分担を決めて自己学習し、それを持ち寄って互いに討論したり、教えあったりします。そこに教員が参加して助言するなど、知識を広げるようサポートします。この方式には、問題解決型学習(Problem-Based Learning : PBL)やチーム基盤型学習(Team-Based Learning : TBL)があり、多くの大学医学部で採用されています。反転授業を取り入れている医学部もあります。また、日々前進する最新の医学知識を伝授するために、インターネットを応用したe-learningも発展しています。
実習は、基礎医学、臨床医学ともに重要です。解剖学では、4〜6名の学生にご献体一体が割り当てられ、解剖実習が行われます。筆者が解剖実習を受けてから50年ほど経ちますが、それでも解剖実習の内容を鮮明に覚えています。それほど医学を学ぶのに中心となるものです。
臨床医学の実習では、患者と面接したり、診察し、病気を診断したり、治療法を考えるなどのトレーニングが行われます。もちろん、医師免許を持たない医学生がいきなり患者を診療するわけにはいきません。まずは学生同士で話を聞きとる練習をしたり、診察しあったりしてトレーニングを積みます。
さらに、近年では人体の構造と機能をコンピュータを使って精密に再現したシミュレータが開発され、心臓の雑音を聴いたり、採血や皮膚縫合などの練習を行ったり、救命救急処置を学ぶなど、臨床技能の修得に応用されています。
シミュレーション実習で自信をつければ、病室や外来で患者に接し、話を聞いたり(医療面接と言います)、診察をする真の臨床実習を受けます。実際の患者を診察するにあたっては、診療を行うのに必要な医学知識、医師としての態度、技能を身につけておかなければなりません。それを評価して確認するために、全国共用試験が導入されています。
知識はコンピュータを使った試験(Computer-Based Testing : CBT)で評価され、態度・技能は客観的臨床能力試験(objective structured clinical examination)で判定が行われます。共用試験には全国の医学部(大学校を含む)が参加し、全国規模で実施されます。この試験に合格すると、Student Doctor(学生医)として臨床実習を受けることができます。
多くの大学では、4年次後半から6年次にかけて臨床実習が行われます。従来は教授の診察を見て学ぶ見学型臨床実習が主でしたが、今日では医学生が医療チームの一員として患者の診療に参加するアメリカ式の診療参加型臨床実習(クリニカルクラークシップ)を取り入れている大学が多くなっています。
診療録(いわゆるカルテ)に記載したり、回診で診療内容を説明したり、外科系では手術を補助したりします。こうして医師になるための素養を磨いていくのです。
臨床実習は主に大学附属病院で行われますが、教育関連病院や地域の医療施設で実習を受けることもあります。病院だけでなく、地域の開業医の指導を受けたり、介護施設、ホスピス、保健所などで実習を受けることもあります。
医学部には他学部のような卒業研究は一般にはありません。医師になるのに必要な講義、演習、実習を受け、各科目試験に合格することが必要です。そして、内科、外科、小児科、産婦人科など、各診療科で臨床実習を受けた後、卒業試験を受けて合格すれば卒業できます。
医師になるには、医学部を卒業した後、医師国家試験に合格しなければなりません。医師国家試験には医師として必要な知識、態度、技能を問う問題が出題されます。
医師国家試験に合格すれば、臨床研修医として、厚生労働省から指定された研修指定病院で2年間の研修を受けます。いわば見習いとして修行を積むわけです。研修医は見習いといえども、すでに医師であり、責任があります。そこで責任をもって診療に当たることが求められます。
中国の故事に、「人に魚を与えれば一日は生き延びられる。しかし、魚のとり方を教えれば一生食べていける」というのがあります。まさしく医学部では、日進月歩の医学を学ぶ方法を教育するのです。学生が資料を集め、自分で学習するわけです。教員はチュータとして、頭ごなしに教えるというよりも、学生の学習をサポートします。
たとえば、7名前後の学生がグループとして集まり、設定されたテーマに沿って分担を決めて自己学習し、それを持ち寄って互いに討論したり、教えあったりします。そこに教員が参加して助言するなど、知識を広げるようサポートします。この方式には、問題解決型学習(Problem-Based Learning : PBL)やチーム基盤型学習(Team-Based Learning : TBL)があり、多くの大学医学部で採用されています。反転授業を取り入れている医学部もあります。また、日々前進する最新の医学知識を伝授するために、インターネットを応用したe-learningも発展しています。
実習は、基礎医学、臨床医学ともに重要です。解剖学では、4〜6名の学生にご献体一体が割り当てられ、解剖実習が行われます。筆者が解剖実習を受けてから50年ほど経ちますが、それでも解剖実習の内容を鮮明に覚えています。それほど医学を学ぶのに中心となるものです。
臨床医学の実習では、患者と面接したり、診察し、病気を診断したり、治療法を考えるなどのトレーニングが行われます。もちろん、医師免許を持たない医学生がいきなり患者を診療するわけにはいきません。まずは学生同士で話を聞きとる練習をしたり、診察しあったりしてトレーニングを積みます。
さらに、近年では人体の構造と機能をコンピュータを使って精密に再現したシミュレータが開発され、心臓の雑音を聴いたり、採血や皮膚縫合などの練習を行ったり、救命救急処置を学ぶなど、臨床技能の修得に応用されています。
シミュレーション実習で自信をつければ、病室や外来で患者に接し、話を聞いたり(医療面接と言います)、診察をする真の臨床実習を受けます。実際の患者を診察するにあたっては、診療を行うのに必要な医学知識、医師としての態度、技能を身につけておかなければなりません。それを評価して確認するために、全国共用試験が導入されています。
知識はコンピュータを使った試験(Computer-Based Testing : CBT)で評価され、態度・技能は客観的臨床能力試験(objective structured clinical examination)で判定が行われます。共用試験には全国の医学部(大学校を含む)が参加し、全国規模で実施されます。この試験に合格すると、Student Doctor(学生医)として臨床実習を受けることができます。
多くの大学では、4年次後半から6年次にかけて臨床実習が行われます。従来は教授の診察を見て学ぶ見学型臨床実習が主でしたが、今日では医学生が医療チームの一員として患者の診療に参加するアメリカ式の診療参加型臨床実習(クリニカルクラークシップ)を取り入れている大学が多くなっています。
診療録(いわゆるカルテ)に記載したり、回診で診療内容を説明したり、外科系では手術を補助したりします。こうして医師になるための素養を磨いていくのです。
臨床実習は主に大学附属病院で行われますが、教育関連病院や地域の医療施設で実習を受けることもあります。病院だけでなく、地域の開業医の指導を受けたり、介護施設、ホスピス、保健所などで実習を受けることもあります。
医学部には他学部のような卒業研究は一般にはありません。医師になるのに必要な講義、演習、実習を受け、各科目試験に合格することが必要です。そして、内科、外科、小児科、産婦人科など、各診療科で臨床実習を受けた後、卒業試験を受けて合格すれば卒業できます。
医師になるには、医学部を卒業した後、医師国家試験に合格しなければなりません。医師国家試験には医師として必要な知識、態度、技能を問う問題が出題されます。
医師国家試験に合格すれば、臨床研修医として、厚生労働省から指定された研修指定病院で2年間の研修を受けます。いわば見習いとして修行を積むわけです。研修医は見習いといえども、すでに医師であり、責任があります。そこで責任をもって診療に当たることが求められます。
研究者の育成
医学部の使命の二つ目の柱は、医学研究者を育成することです。現場で活躍する有能な医師を育成するのはもっとも重要ですが、10年あるいは20年以上も先を考えれば、医学に関する研究を行って、医学の向上を図らなくてはなりません。この目的には、ほとんどの大学が大学院を有しており、大学院生が研究に励んでいます。
さらに、卒業後に大学院に進むというより、医学生のうちから研究者を育てるべく、研究者養成のための特別なコースを設けている医学部もあります。
その一つがMD-PhDコースです。これは、医学生が在籍中にいったん医学部を休学もしくは退学し、大学院に入って研究に専念するコースです。MDは医学部を卒業したときに与えられる称号で、medical doctorのことです。PhDは研究して業績が認められて与えられる医学博士 doctor of philosophy (本来は学術博士のことですが、医学博士に慣用的に適用しています)を指します。
大学院で研究を終えてPhDを取得した後は元の医学部に戻り、残った期間の教育を受けます。つまり、医学士と医学博士の学位を在学中にとることのできる特別コースです。
また、医学生の間に、研究室で研究を行う制度があります。この制度も多くの医学部に導入されています。期間は2週間程度から半年近くまでさまざまです。
さらに入学時から研究者養成コースを設ける医学部もあります。学生が研究者としての研究を行うコースに属し、卒業後も研究者の道を歩めば返還が免除される奨学金が付与されることもあります。
さらに、卒業後に大学院に進むというより、医学生のうちから研究者を育てるべく、研究者養成のための特別なコースを設けている医学部もあります。
その一つがMD-PhDコースです。これは、医学生が在籍中にいったん医学部を休学もしくは退学し、大学院に入って研究に専念するコースです。MDは医学部を卒業したときに与えられる称号で、medical doctorのことです。PhDは研究して業績が認められて与えられる医学博士 doctor of philosophy (本来は学術博士のことですが、医学博士に慣用的に適用しています)を指します。
大学院で研究を終えてPhDを取得した後は元の医学部に戻り、残った期間の教育を受けます。つまり、医学士と医学博士の学位を在学中にとることのできる特別コースです。
また、医学生の間に、研究室で研究を行う制度があります。この制度も多くの医学部に導入されています。期間は2週間程度から半年近くまでさまざまです。
さらに入学時から研究者養成コースを設ける医学部もあります。学生が研究者としての研究を行うコースに属し、卒業後も研究者の道を歩めば返還が免除される奨学金が付与されることもあります。
医学生のキャリアパス
医学部を卒業した者のほとんどは病院勤務、医院・病院開業など、いわゆる臨床医として活躍しています。しかし、医学部を卒業したら全員が臨床医になるわけではなく、それ以外の職業に就く者もいます。
たとえば、大学などの教育機関に所属して、臨床医でありながら、教育や研究活動を行うこともあります。国内外の研究機関で研究を行う人も少なくありません。さらに、官公庁や保健所で行政、特に医療行政にかかわる人もいます。そのほか、製薬企業や保険会社などの企業に就職して研究職や管理職に就いたり、数は少ないですが、政治家や小説家の道を歩む人もいます。
たとえば、大学などの教育機関に所属して、臨床医でありながら、教育や研究活動を行うこともあります。国内外の研究機関で研究を行う人も少なくありません。さらに、官公庁や保健所で行政、特に医療行政にかかわる人もいます。そのほか、製薬企業や保険会社などの企業に就職して研究職や管理職に就いたり、数は少ないですが、政治家や小説家の道を歩む人もいます。
グローバル化への対応
どの領域、分野でも、国際化への対応が重要な課題になっています。現在では多くの外国人が日本を訪れ、居住しています。海外に出て活躍している日本人も数多くいます。国際的な視野を持ち、海外に積極的に出て活躍することは、きわめて大切でしょう。
医学部でもグローバル化への対応が重要です。日本の医学部を卒業し、アメリカやヨーロッパなどで医師や研究者として活躍する人はたくさんいます。また、海外の医学部出身者が日本の医師免許を取得して、日本で医師になる人もいます。日本の医療を受けるために、海外からやってくる患者もいます。
このような現況から、ほとんどの医学部では、グローバル化への対応を意識した教育も行われています。
アメリカで医師になるには、どの医学部を卒業しても、アメリカの医師国家試験(USMLEと略します)に合格すれば可能でした。ところが、2023年(新型コロナウイルス感染症世界流行のため2024年〜延期)以降は、世界医学教育連盟(WFME)が認定した医学部の卒業生に限るとの条件が2010年に加えられました。
いわゆる「2023年問題」に対応するべく、2015年に日本医学教育評価機構(JACMEと略します)が設立されました。そしてJACMEは、2017年3月にWFMEから国際評価機関としての認証を受けました。
この結果、JACMEが認定する医学部の出身者はアメリカで医師になるための申請資格を得られたのです。JACMEの認定を受けた医学部の卒業生は、世界に通用する医学教育を受けたことの証しになるわけです。
医学部を目指す皆さんは、将来、国内のみならず、海外でも活躍できるよう、しっかり勉学に励んでください。
医学部でもグローバル化への対応が重要です。日本の医学部を卒業し、アメリカやヨーロッパなどで医師や研究者として活躍する人はたくさんいます。また、海外の医学部出身者が日本の医師免許を取得して、日本で医師になる人もいます。日本の医療を受けるために、海外からやってくる患者もいます。
このような現況から、ほとんどの医学部では、グローバル化への対応を意識した教育も行われています。
アメリカで医師になるには、どの医学部を卒業しても、アメリカの医師国家試験(USMLEと略します)に合格すれば可能でした。ところが、2023年(新型コロナウイルス感染症世界流行のため2024年〜延期)以降は、世界医学教育連盟(WFME)が認定した医学部の卒業生に限るとの条件が2010年に加えられました。
いわゆる「2023年問題」に対応するべく、2015年に日本医学教育評価機構(JACMEと略します)が設立されました。そしてJACMEは、2017年3月にWFMEから国際評価機関としての認証を受けました。
この結果、JACMEが認定する医学部の出身者はアメリカで医師になるための申請資格を得られたのです。JACMEの認定を受けた医学部の卒業生は、世界に通用する医学教育を受けたことの証しになるわけです。
医学部を目指す皆さんは、将来、国内のみならず、海外でも活躍できるよう、しっかり勉学に励んでください。

