夏休みを前に、各大学の2024年(以下、24年。他年度も同様)入試結果データがほぼ出そろった。
ここでは、国公立大、私立大それぞれの一般選抜の結果を最終チェック。
さらに、新増設や科目変更など、25年新課程入試の最新情報も紹介する。
国公立大の24年一般選抜の実施結果を『螢雪時代』編集部で調査したところ、全体の集計では23年に比べ、国立大が「志願者・合格者ともに前年並み」で、倍率(実質倍率。受験者÷ 合格者)は2.4倍→2.4倍(23年→24年。以下同じ)で変動なし。一方、公立大(別日程実施の大学を除く)は「志願者1%減、合格者1%増」で、倍率は2.7倍→2.6倍とややダウンした。
日程別に見ると(グラフ2)、公立大中期のダウンが目立つが、その他は前年並みだった。
大学入学共通テスト(以下、共テ)の平均点が2年連続でアップ(グラフ1)。特に国語、英語リスニングの易化が文理ともに影響を及ぼし、国公立大への出願を後押しし、「初志貫徹」の出願傾向に結びついた。
また、新型コロナウイルスの扱いが他の感染症と同じ「5類」に移行したことで遠隔地受験への心理的ハードルが下がり、「大都市圏志向」が強まったことも、難関~準難関校の志願者増につながったと見られる。一方、共テの平均点アップで目標ラインが上がり、公立大にぎりぎり手が届く学力層が、募集枠が小さい後期・中期の出願をあきらめた模様だ。
各大学の実質倍率(全学の合計。受験者数÷合格者数。ただし、*は志願者数÷ 合格者数)の変動を見てみよう。
難関校では、「国際卓越研究大学」に選ばれた東北大(2.3倍→2.9倍*)の倍率アップが目立つ。また、京都大(2.8倍→3.0倍*)・神戸大(2.9倍→3.0倍)・九州大(2.5倍→2.6倍*)もややアップ。一方、北海道大(2.8倍→2.6倍)・大阪大(2.4倍→2.3倍*)はややダウンした。なお、東京医科歯科大と統合予定で、「東京科学大」に名称変更予定の東京工業大(4.3倍*)をはじめ、東京大(3.1倍*)・一橋大(4.6倍*)・名古屋大(2.3倍*)は前年並みを保った。
準難関校では、横浜国立大(3.6倍→3.2倍)の倍率ダウンが目立つ。2年連続倍率アップ(21年2.1倍→22年2.6倍→23年3.6倍)の反動と見られ、やや易化した模様。この他、東京都立大(4.0倍→3.7倍*)がダウン、埼玉大(2.6倍→2.4倍)もややダウン。一方、理系学部増設の千葉大(3.3倍→3.5倍*)・お茶の水女子大(2.7倍→2.9倍)や、筑波大(3.0倍→3.2倍*)・岡山大(1.8倍→2.0倍)がややアップした。
各地区の中堅校では、毎年繰り返されるのだが、弱いとはいえ「後がない」意識が働き、安全志向から前年の極端な反動が見られた。倍率の変動が目立った主な大学は次の通り。
【倍率アップ】国立大=北見工業大1.1倍→1.6倍、茨城大1.8倍→2.2倍、宇都宮大1.9倍→2.6倍、山梨大3.4倍→4.0倍*、福井大1.8倍→2.8倍*、三重大2.7倍→3.2倍*、滋賀大2.5倍→2.9倍、奈良教育大2.1倍→2.5倍、鳥取大1.8倍→2.5倍*、島根大2.2倍→3.1倍*、長崎大2.0倍→2.5倍*
公立大=福井県立大2.0倍→2.4倍、兵庫県立大2.6倍→2.9倍、広島市立大2.1倍→2.8倍、北九州市立大2.1倍→2.8倍、熊本県立大1.9倍→2.3倍
【倍率ダウン】国立大=北海道教育大1.9倍→1.4倍、室蘭工業大3.3倍→2.2倍、富山大2.5倍→1.9倍、岐阜大2.8倍→2.5倍*、兵庫教育大2.2倍→1.9倍、和歌山大2.5倍→2.2倍、山口大2.6倍→1.9倍*、宮崎大3.7倍→2.5倍*、琉球大2.6倍→2.3倍*
公立大=岩手県立大2.8倍→2.1倍、高崎経済大3.0倍→2.6倍、富山県立大2.8倍→1.9倍、滋賀県立大2.5倍→2.2倍、岡山県立大3.1倍→2.5倍、周南公立大4.8倍→2.6倍
学部系統別に見ると(グラフ3)、志願状況に比例して、人気復活した国際・国際関係の倍率アップが目立つ。他方、農・水畜産・獣医、薬と、理系が倍率ダウンし、学部等の増設が相次いだ工の倍率が前年並みに留まったことも含め、全体に弱めの「文高理低」といえる。
『螢雪時代』編集部の私立大一般選抜結果調査(492大学集計:志願者288.6万人)によると、23年に比べ全体で「志願者1%減、合格者1%減」、倍率は2.8倍→2.8倍(ここでは志願者÷ 合格者。以下、特に注記のない場合は同じ)と前年並み。入試方式別に見ると、各大学の独自入試は「志願者2%減、合格者5%減」で倍率は3.1倍→3.2倍とアップ。一方、共テ利用方式(独自入試との併用を含む)は、「志願者1%増、合格者4%増」で、倍率は2.4倍→2.3倍とダウンした。
当初は、25年新課程入試を控えた「後がない」意識から、学校推薦型・総合型選抜(以下、推薦型・総合型)の志願者大幅増が予想されたが、実際には微増に留まり(後述)、一般選抜の大幅減にはつながらなかった。
その要因として、私立大では新課程科目(情報、歴史総合など)による変更が最小限に留まると認識されたことが挙げられる。既卒者に対する経過措置もとられることから、浪人回避の「後がない」意識が強まらなかったと見られる。
また、私立大一般選抜の実質倍率(受験者数÷ 合格者数)は「21年2.8倍→22年2.7倍→23年2.6倍」(文部科学省集計)と低下し続け、「私立大は易化した」との意識が浸透した結果、「チャレンジ志向」に結びつき、大都市圏志向の強まりもあって、首都圏や京阪神の難関~中堅上位校が人気アップしたと見られる。
さらに、共テの2年連続の易化が共テ利用方式に影響。本試験日の前に締め切る「事前出願」の大学では23年の、後に締め切る大学では24年の易化が追い風となった。このため、主に国公立大志望者が併願を増やしたと見られ、共テ利用の志願者は微増。合格者は、入学手続率の低さを見越して4%増となった。
一方、推薦型・総合型は「志願者2%増、合格者8%増(126大学:『螢雪時代』編集部集計)」で易化した模様。中堅校は募集の比重を一般選抜から推薦型・総合型に移しつつあり、早期の入学者確保のため合格者を増やし、一般選抜(独自入試)の合格者を増やす余地がなくなったと見られる。
志願者数の上位10大学(表1)の入試結果を見ると、4大学で実質倍率(*を付した大学は志願者÷ 合格者)がアップしたのに対し、5大学でダウンと拮抗。特に、近畿大の合格者増による倍率ダウンに対し、法政大・立命館大の合格者絞り込みによる倍率アップが目立つ。
この他、主な大学のうち、実質倍率のアップダウンが比較的大きかった大学は次の通り。
【倍率アップ】上智大2.8倍→3.5倍、成蹊大3.3倍→3.6倍、成城大2.7倍→3.0倍、専修大2.7倍→3.0倍、東京都市大3.6倍→4.5倍、武蔵大3.2倍→3.5倍、関西学院大2.4倍→2.7倍、甲南大3.0倍→3.5倍
【倍率ダウン】工学院大4.4倍→3.3倍、明治学院大2.9倍→2.6倍、中京大2.8倍→2.3倍、京都産業大3.2倍→2.7倍
地区別の集計をみると(グラフ4)、関東・甲信越の倍率アップに対し、その他の5地区はダウン、または前年並み。関西では、京都産業大・龍谷大・近畿大の倍率ダウンが影響した。また、中国・四国が志願者・合格者とも増えたのは、広島修道大の入試改革(同時併願と受験料併願割引の拡大)による大幅増(志願者55%増、合格者56%増)の影響が強い。
学部系統別に見ると(グラフ5)、国公立大と似た傾向で、やはり弱めの「文高理低」といえる。文系では人気復活した外国語、国際関係の倍率アップが目立つ。また、私立大の主軸といえる経済・経営・商は、志願者減だが合格者も絞り込み、倍率は前年並みを保った。他方、理系では医と農・水畜産・獣医が倍率アップ、特に医が突出しているが、その他は志願者・合格者とも減少傾向で、歯・薬は倍率ダウンで易化した模様。学部等の増設が相次いだ工も志願者減で、倍率が前年並みに留まった。
グラフ6で文理別・難易ランク別の志願者・合格者分析(6月7日現在:駿台予備学校の集計)を見てみよう。ここでいう難易ランク(第3回駿台・ベネッセ共通テスト模試での合格可能性60%ライン偏差値によるグループ分け)は、同じ大学内でも学部によって異なるが、おおむね、Aランクは難関校や難関医科大、Bランクは準難関校、Cランクは中堅上位校、D~Eランクは中堅クラスを指す。
文系では、A~Dランクが志願者・合格者とも小幅な増減で安定、特にCランクは志願者・合格者ともやや増加し、難関~準難関校からの併願増を物語る。一方、理系はAランクが「志願者増・合格者減」、Cランクで志願者減が目立つが、Dランクは志願者・合格者とも増加。Aランクは医学部人気を反映し、Cランクは理工系の人気低下が影響、Dへのランクダウンも見て取れ、ここにも「文高理低」傾向が示されている。なお、文系・理系ともEランクは志願者・合格者とも減少が顕著。推薦型・総合型で入学者の多数が決まる大学が多く、Eランクでは一般選抜は規模縮小の一途だ。
また、全国の私立大を、大学単位の競争率(実質倍率)グループ別に分類し、23・24年で比較すると(グラフ7)、3倍台はやや増加しているが、2倍台が減少、1倍台が増加と低倍率校で動きが目立った。難関~準難関校の倍率安定に対し、学生募集の重心が推薦型・総合型に移行しつつある中堅校は、一般選抜の受験者層が薄くなり、低倍率化が進んだと見られる。
「倍率」とともに気になるのが、合格者の最低点や平均点といった「合格者データ」だろう。
合格最低点は合否の分かれ目になる、いわゆる「ボーダーライン」。合格平均点は、総じて最低点より得点率(%)にして5~10p(ポイント)程度高い。合格最低点は「最低目標」として重要なデータなのだが、確実に合格を目指すには、「合格者平均点」のレベルまで学力アップしておくことが望まれる。
24年入試の例として、岡山大の前期日程の合格者データを見てみよう(表2)。
総合点を得点率(%)に換算し、各学部・学科等を分野別にまとめて平均すると、文系・教員養成系で「最低61%・平均67%」、理工農系で「最低55%・平均60%」、医療系で「最低65%・平均70%」となる。合格するには、文系・教員養成系で60%台、理工農系で60%前後、医療系で70%前後(医は80%前後)の得点が必要だったのだ。
また、合格者平均点を共テ・2次(個別試験)ごとに平均すると「文系・教員養成系=共テ70%・2次63%、理工農系=共テ69%・2次54%、医療系=共テ74%・2次66%」となる。マーク式の共テに比べ、記述式の2次の方が得点しにくかったことがわかる。
このうち、配点が共テ重視の文学部と、2次重視の理学部化学科を比較してみよう。
文学部の配点は「共テ750点、2次400点、総合1,150点」。合格者は、共テでは得点率68%~85%(平均75%)に分布し、最高・最低の差は17p。2次では得点率55~84%(平均69%)に分布し、最高・最低の差は29p。配点の少ない2次の方が最高・最低の差が大きく、共テの得点である程度合否が決まったといえる。
一方、理学部化学科の配点は「共テ900点、2次1,400点、総合2,300点」。合格者は、共テでは得点率61~78%(平均69%)に分布、最高・最低の差は17p。2次では得点率47~63%(平均55%)に分布し、最高・最低の差は16p。配点の少ない共テと配点の多い2次で、最高・最低の差がほぼ変わらず、2次の得点力も合否に強く影響したことがうかがえる。
次に、私立大一般選抜の「合格ライン」付近の状況を見てみよう。国公立大と同様、合格への道標となる大切なデータだ。
グラフ8に、龍谷大‐ 経営(前期日程:文系型スタンダード方式)の24年入試で、合格ライン付近の人数分布を示した。同方式の科目・配点は「英語」「国語」「世界史、日本史、政治・経済、数学から1」の3科目で各100点、計300点。受験者数1,683人に対し合格者数251人で、実質倍率は6.7倍。合格最低点は193点(得点率64.3%)だった。その分布状況を見ると、
①合格最低点を含め、上10点幅のゾーンに106人と、全合格者の約42%が集中している。
②不合格者の最高点(192点)を含め、下10点幅のゾーンに136人もいる。
③合格最低点で合格したのは15人、1点差での不合格者も8人いる。
合格ライン付近では、総合的にほぼ同じ学力の受験生がひしめき合い、わずか1点差で合否が決まる。では、“1点差” を争う合格ラインを、どうやって突破するのか?
グラフ8の右側に、合格最低点とその1点下の受験者から、特徴のある得点パターンをピックアップした(科目ごとの得点は、中央値補正法を行った得点調整後の点数で小数第2位まで表示)。ここからわかるのは、「得意科目」の大切さと、「苦手科目」克服の必要性だ。
3科目入試では、1科目で得点が伸びなくても、他の科目でカバーできることが多い。Aさんのように得意科目があれば、他に多少の苦手があっても心強い。ただし、Cさん、Dさんのように苦手科目の失点が大きすぎると、カバーしきれず1点差に泣くことになる。
得意科目の優位を生かすには、苦手科目を「やや苦手~普通」までにレベルアップし、最低でも5割以上の得点はほしい。私立大一般選抜で合格確実なライン(7割台)をクリアするためには、得意科目(7~8割台)を持ち、残り2科目で6~7割台をキープしよう。
全体的に初志貫徹で波静かだが、中堅校で前年の反動や低倍率化も
弱めの「文高理低」で、文・国際がやや難化、薬・医療系が易化か
ここからは、国公立大・私立大の25年入試について、『螢雪時代』5月号で既報の新課程移行に伴う変更を除き、6月中旬までに判明した主な変更点の一部を紹介する(以下、新増設大学・学部等については全て予定)。なお、推薦型・総合型と一般選抜の変更、国公立大の新増設・改組については、5・6月号に掲載したものを除いた。
以下に紹介する変更点については、国公立大の選抜要項、私立大の入試ガイド(印刷物、あるいはホームページ)などで必ず確認してほしい。
24年に続き、入学者中の女子比率が低い理工系学部や、新設が相次ぐ情報系学部の推薦型・総合型で「女子枠」の新設が目立つ。5月号で紹介した国立大(福島大・茨城大・千葉大・神戸大・長崎大・宮崎大)に加え、次の大学・学部等で新設する。国立大では15校が一挙に女子枠を新設することになる。
【国公立大】室蘭工業大‐ 理工[昼]の共テ免除総合型に女子枠を新設/秋田大‐ 総合環境理工で共テ課す総合型を廃止し、共テ免除推薦型(女子枠)を新規実施/新潟大‐ 工で、知能情報システムプログラムの共テ免除推薦型に女子枠を新設/福井大‐ 工(機械・システム)の共テ免除推薦型と共テ課す総合型に女子特別枠を新設/三重大‐ 工(電子情報工学)で女子特別推薦を新規実施/滋賀大‐ データサイエンスの共テ免除総合型(オンライン講座受講型)に女子枠を新設/和歌山大‐ システム工で共テ免除推薦型(女子枠)を新規実施/香川大‐ 創造工の共テ免除総合型に女子優先枠を新設/佐賀大‐ 理工の共テ免除推薦型と共テ課す総合型に女子枠を新設する。
【私立大】北海道科学大‐ 工・情報科学の自己推薦型で女子特別枠を新設/金沢工業大で総合選抜(女子奨学生)を新規実施/関西大‐ システム理工の総合型で女子特別入試を新規実施/福岡工業大‐ 工・情報工の総合型でタイプⅠ(理工系女子)を新規実施(同校のAI学習プログラムの修了が必要)。この他、長浜バイオ大・大阪産業大・大阪成蹊大・大和大・九州産業大・長崎総合科学大でも女子枠を新設する。
滋賀大では、データサイエンスで定員増(100人→150人)の一方、経済で夜間主コースを募集停止する予定。また、経済[昼]は募集人員を「前期172人→164人、後期150人→140人、総合型18人→30人」に変更。この他、佐賀大‐医(医)で「後期10人→4人、佐賀県推薦入学特別選抜4人→10人」、福山市立大‐ 教育でも「後期20人→10人、推薦型10人→20人」と、一般選抜から推薦型・総合型への移行が目立つ。
県立広島大‐ 地域創生、山口県立大‐ 国際文化・社会福祉で総合型を新規実施/山陽小野田市立山口東京理科大‐ 工(数理情報科学以外)で総合型を「共テ免除→課す」に移行する。
富山大‐ 工の後期では、全5コースで2次を「学科試験(生命工学は面接も)→小論文」に変更/滋賀大‐ データサイエンスの後期で面接型(共テ=3教科4科目、個別=オンライン面接。2段階選抜を実施)を追加/佐賀大‐ 医(医)の後期で2次から課題論文を除外/高知県立大‐看護の前期で、共テの配点を数学・外国語とも200点→100点に下げ、「5教科中の高得点2教科を2倍に換算」する方式に変更。また、同‐ 社会福祉の前期でも、均等配点から「3教科中の高得点1教科を2倍に換算」する方式に変更する。
私立大の新設予定、学部・学科の増設予定が文部科学省から発表された(表3)。3大学の設置(うち2大学が通信制)、14大学で学部・学科の増設を認可申請中だ。
その他に設置届出として、亜細亜大‐ 社会(都市創造を改組予定)、日本女子大‐ 食科学、神戸女学院大‐ 生命環境、武庫川女子大‐ 環境共生などの学部等が増設・改組予定。全体に心理・教育・医療・理工といった分野や、女子大における増設が目立つ。また、龍谷大‐ 社会の学科統合(3→1学科)なども注目される。
【首都圏】共立女子大の総合型で基礎学力方式を新規実施(併願可)/芝浦工業大‐ 工で総合型選抜を新規実施/東京医科大‐ 医(医)で推薦型(英語検定試験利用)を新規実施/東京理科大で推薦型(公募制)を廃止し、昼間学部対象の総合型(英語資格検定+特定教科評価)と理二部対象の総合型を新規実施/日本大‐ 文理は社会など6学科で総合型を新規実施、医の推薦型で公募制を新規実施する。
【京阪神】京都産業大の公募推薦で総合評価型・基礎評価型の同時併願が可能に/大阪工業大は公募制推薦で、英語外部検定有資格者への加点制度を導入/関西外国語大で公募制推薦後期を新規実施/神戸薬科大で総合型(専願制)と推薦型「公募制専願型」を新規実施/武庫川女子大は公募制推薦で「英語外部検定利用型」「調査書重視型」を追加し、MUKOJO 未来教育総合型選抜の実施学科を8→18に増加。
【その他の地区】北海学園大‐ 経済1・2部で推薦型(公募制)を廃止/金城学院大で総合型を新規実施/南山大‐ 経営・理工で総合型を新規実施/名城大は公募制推薦で、経営・経済・人間・都市情報・薬に併願可の方式を、法・外国語・情報工・理工・農に専願の方式を追加し、全学部が専願と併願可の2方式実施になった。また、農で専門高校等推薦を新規実施/岡山理科大の総合型A日程でオープンキャンパス利用方式を新規実施/福岡大‐ 理で総合型を新規実施。
文中、「共テ併用」とは大学の独自入試と共テ利用入試の成績を組み合わせて合否判定する「独自・共テ併用型」を示す。
【首都圏】亜細亜大では全学統一入試前・中期で英語外部検定を新規利用(得点換算)/國學院大は一般A日程で英語外部試験利用型を導入(出願資格)/国際基督教大で一般A方式を人文・社会科学選択、自然科学選択、日英バイリンガル面接利用の3タイプに分割/実践女子大で1月実施の一般Ⅰ期を新規実施/中央大‐ 商の学部別選抜で英語外部試験利用方式を新規実施。また、同‐ 国際経営が6学部共通選抜の募集から離脱/津田塾大の一般A方式で英語外部試験利用型を新規実施(出願資格)/東京都市大の理工(電気電子通信工)、情報工、メディア情報(情報システム)、デザイン・データ科学で一般前期情報型を新規実施。共テ2教科と独自入試「情報Ⅰ・Ⅱ」(外部試験利用可)で合否判定/東洋大で一般中期を廃止し、一般後期2教科型を3教科型に増加。また、文(教育=人間発達)、文2部(教育)、福祉社会デザイン(社会福祉)、健康スポーツ科学(栄養科学)、生命科学(生命科学・生物資源)、食環境科学で多面的評価入試(英語外部検定利用、小論文、面接等で選抜)を新規導入/日本大‐ 文理のA個別方式で2期を廃止し、英語外部検定が利用可に(得点換算)。芸術でA個別方式を廃止し、N全学統一方式1期で学力検査型・専門試験併用型を新規実施。また、国際関係のA個別方式1・2期で英語外部検定が利用可に(得点換算)/明治大‐ 国際日本の学部別入試で、3科目方式を2科目方式・共テ併用型3科目方式に分割し、英語4技能試験活用方式にも共テ併用型を追加。
【京阪神】同志社女子大の一般前期で共テプラス方式を新規実施(独自2教科+共テ1科目)/佛教大の一般B日程3科目型・共テ利用前期で「英語民間試験方式」を導入/大阪医科薬科大‐ 薬の一般入試Bを3→2科目に軽減(英語を除外、数学が選択→必須)/関西大の全学日程1の2教科型(英語外部試験利用方式)で、利用方法に「加点」を追加(従来は出願資格)/関西医科大‐ 医で地域枠を「推薦型→一般前期」に移行。また、看護の一般3教科型で活動実績報告による加点制度を導入/神戸学院大の一般前期で2科目評価型(3科目受験必須)、後期で1科目評価型(2科目受験必須)を新規実施/武庫川女子大の一般前・後期で「英語外部検定利用型」を新規実施する。
【その他の地区】酪農学園大‐ 獣医学類で一般選抜(個別学力入試)を復活/金沢工業大の一般選抜で「都道府県選抜試験」を新規実施。また、一般試験Aを「3→2教科」に軽減/岡山理科大の一般前期A日程3科目型・B日程2科目型で「高得点科目重視型」を導入。
【首都圏】千葉工業大で独自・共テ併用のSB日程を「総合問題→タイプⅠ=情報選択方式、Ⅱ=国語選択方式」に変更/青山学院大‐ 教育人間科学の共テ利用で、教育学科は5科目型を追加、心理学科は「3→5科目」に負担増/共立女子大は共テ利用方式で基準点型を新規実施/聖心女子大で共テ利用方式を新規実施(2教科型)/東京電機大の共テ利用前・後期で4教科方式(情報)を追加/東洋大で共テ利用中期を廃止/日本大‐ 文理のC共テ利用方式で2期を廃止。また、工のC共テ利用方式を3→2教科型に軽減/北里大‐ 医療衛生で一般後期を廃止し、共テ利用選抜を新規実施。未来工の共テ利用選抜で数学力重視型を新規実施する。
【京阪神】龍谷大‐ 社会の共テ利用前期で数学1教科方式を新規実施/大阪工業大の共テ利用前期C日程・後期C日程文系型で「文理5科目総合型」を追加/近畿大‐ 情報の共テ利用前期で6教科7科目型、中期で4教科4科目型、後期で3教科3科目型を追加。建築の共テ利用中・後期でも5教科7科目型を追加/関西学院大の共テ利用(1月出願)では、全学部で8科目型を、理・工・生命環境・建築で3教科型を新規実施/神戸女学院大で授業料等の減免を伴う共テ利用スカラシップ5科目型を新規実施する。
【その他の地区】南山大‐ 理工の共テ利用前期で5→6教科型に増加(情報を追加)。国際教養の共テ利用前期に3教科型を追加/名城大‐ 法・農・薬の共テC方式前期で5教科型を新規実施し、農は4→3教科型に軽減/岡山理科大の共テ利用Ⅰ期で5教科方式を追加/福岡工業大の共テ利用前期で情報必須のB(情報型)を追加。
理工系・情報科学系の推薦型・総合型で女子枠の新設が相次ぐ
私立大では推薦型・総合型も一般選抜も英語外部検定利用の導入が進む
この記事は「螢雪時代(2024年8月号)」より転載いたしました。
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