
国公立大の入試概要をまとめた「選抜要項」が全て出そろった。
新課程入試も2年目に入り、国公立大入試はどう変わるのか。
志願動向に影響しそうな変更点を紹介する。
国公立大の2026年(以下、26年。他年度も同様)入試「選抜要項」で、各大学の募集人員、入試科目・配点が正式に発表された。
ここでは、主に新増設・改組と一般選抜の変更点(募集人員、科目・配点の増減など)を紹介する。共通テスト(以下、共テ)の出願へ向け、『螢雪時代』10月号付録「2026年 全国 国公立大学 入試科目・配点一覧」と併せ、志望校決定の参考にしてほしい。ただし、これらは今後の変更もあり得るので、大学ホームページで最新の発表をチェックしよう。
【学部等の新増設】
文部科学省の理系人材育成強化支援政策により、理工系や文理融合の情報科学系の学部等新設が目立つ。国立大では山口大‐情報、佐賀大‐コスメティックサイエンス学環、熊本大‐共創学環が開設予定。公立大では旭川市立大‐地域創造、長野大‐共創情報科学、福井県立大‐地域政策が開設予定。一方、岡山大‐法・経済で夜間主コースを募集停止する。
なお、私立の東北公益文科大が公立大学法人へ転換し、新たに国際学部を開設する予定だ。
【学部の改組・統合】
山形大が地域教育文化学部を教育学部に改組、165人→145人に定員減。長野大では企業情報・環境ツーリズムの2学部を「地域経営学部」に統合・再編する。
【定員増】
埼玉大‐教養、横浜市立大‐理、京都大‐工、岡山大‐農などで定員増の予定。
【学科の再編】
既存の学部で複数の学科を整理するのが最近の傾向だ。北見工業大‐工が2→1学科、信州大‐工が5→1学科、名古屋市立大‐芸術工が3→1学科、兵庫県立大‐工が3→1学科、山口大‐工が6→2学科、九州工業大‐工が6→1学科、同‐情報工が5→1学科、熊本大‐文が4→1学科に統合・再編する。
また、佐賀大は教育学部の学校教育課程を、熊本大は教育学部の学校教育教員養成課程を、両大学の共同教員養成課程に改組する。
学校推薦型・総合型選抜(以下、推薦型・総合型)の募集枠拡大が続き、特に理工系・情報科学系における「女子枠」の新設・拡大が目立つ。京都大・大阪大・広島大・公立小松大などで新設、新潟大などでも募集枠を拡大する。
【日程変更】
山形大‐教育・医(医)、茨城大‐地域未来共創学環、群馬大‐共同教育、和歌山県立医科大‐保健看護、広島大‐法[昼・夜]・生物生産などで後期を募集停止。一方、筑波大‐日本語・日本文化学類で前期(学類・専門学群選抜)を新規実施する。
【募集人員】
兵庫県立大‐工で募集人員の比率を「後期重視→前期重視」に転換。一方、愛媛大‐工で前期を大幅減、後期を大幅増。前橋工科大も前期を大幅減、中期を大幅に増加する。
この他、旭川医科大‐医(医)、山形大‐医(医)、埼玉大‐教養、横浜市立大‐理、静岡大‐人文社会科学[昼]、岡山大‐農、広島大‐法[昼]、九州工業大‐工、長崎大‐薬(薬科学)などの前期で募集人員増。一方、推薦型・総合型の女子枠新設・拡大などの影響から、山形大‐教育、上越教育大‐学校教育、新潟大‐工、京都大‐理、大阪大‐基礎工、広島大‐工などの前期や、茨城大‐教育・理の後期などで募集人員を削減する。
東京科学大‐理工学系(全学院)の前期をはじめ、弘前大‐医(医)の前期、東京大‐理科三類の前期、前橋工科大‐工の中期、奈良県立医科大‐医(医)の後期で、2段階選抜の予告倍率を引き締める。また、岡山大‐医(医)の前期は得点条件を追加する。
一方、長崎大‐医(医)の前期、横浜市立大‐理の後期などで予告倍率を緩和。お茶の水女子大の全学の前・後期、香川大‐医(臨床心理)の前期で2段階選抜を廃止する。
新課程入試2年目で、共テの情報の扱いにも変化が見られる。北見工業大の前期で情報を選択→必須とし、共テを7→8科目に増加。富山県立大は全3学部の前・後期で情報を追加し、共テを5→6科目に増加する。
北海道大は全学の前・後期で共テの情報を配点化(25年は「配点化せず、同点者の順位決定に活用」)。高知大では人文社会科学(社会科学)・教育の前期と農林海洋科学の前・後期の共テで、情報の利用方法を「合否境界上の判定→配点化」に変更する。また、香川県立保健医療大は看護学科の前・後期と臨床検査学科の前期で、共テに情報を追加するが、配点化せず同点者の順位決定に活用する。
【共テ】
信州大‐教育の前・後期で、共テを「コースにより4~8科目→全コース8科目」に統一。また、北見工業大の後期で7→5科目、島根県立大‐看護栄養の前期で5→4科目に軽減する。
【2次】
室蘭工業大‐理工[昼・夜]の前期で、数学Cの出題範囲に「平面上の曲線と複素数平面」を追加。また、信州大・山口大・九州工業大の数学を課す(または選択可の)学部・学科・日程等で、数学Bの出題範囲に「統計的な推測」を追加。さらに、滋賀大‐教育の後期で、2次に「入学後の学修計画・志望動機書」を追加する。
一方、周南公立大‐情報科学の前期の2次で小論文を除外。九州大‐文の後期で志望理由書を除外。名桜大‐国際・人間健康の前・後期で、書類審査から実績報告書を除外する。
【学外試験場】
三条市立大‐工の前・中期で福岡に増設。一方、北海道教育大の前期で仙台会場、岩手大‐理工の後期で札幌会場を廃止する。
【受験料の減免】
高知工科大で、後期の受験料を1万5千円→5千円に減額する。
【学費増額】
名古屋工業大が授業料(年額)を535,800円→642,960円(基幹工学教育課程<夜間主>は各半額)に増額することを決定。また、埼玉大も授業料(年額)を535,800円→642,960円(経済[夜]はその半額)に増額することを検討中。
新課程2年目の一般選抜は、初年度に比べて大きな変更は少ない。ただし、近年の志願者増が顕著な推薦型・総合型選抜は各大学で変更点が多いので、注意が必要だ。
また、新課程初年度で平均点が上がった共テは、2年目は出題レベルの調整のため難化が予想される。25年入試は共テの平均点アップにもかかわらず、強い現役志向から「基本は初志貫徹だが、やや慎重」な出願傾向が見られた。共テの平均点ダウンが見込まれる26年入試では、より慎重な出願姿勢が予想される。
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