
文部科学省が5月に公表した「大学入学者選抜実施要項」で、学校推薦型選抜・総合型選抜のルール変更が発表された。
最大のポイントは、2027年度入試から面接が必須になったこと。
これまでの経緯を含めて、変更のポイントを確認しよう。
大学入学者選抜実施要項とは
文部科学省がその年の大学入試のルールを示すもの。今回は学校推薦型選抜・総合型選抜の変更が中心。昨年の実施要項では、学校推薦型選抜・総合型選抜は、条件付きで2月1日より前の学力試験実施が可能になる変更が行われていた。

※大学入学者選抜実施要項では、上記のほか、入試の実施体制や受験者の不正防止に関する記述が整理された。これまでは不正はカンニングが中心だったが、出願書類での虚偽記載やなりすましに対する記述が追加された。
実施要項によると、学校推薦型選抜・総合型選抜を実施する大学は、面接による評価を必ず行わなければならない。ただし、非公募型(指定校や付属校など)で、合格した場合は入学することを確約して受験する学校推薦型選抜は、面接なしでも入試を実施できる。
また、すでに面接を課さない学校推薦型選抜・総合型選抜を実施している大学は、遅くとも2029年度入試までには面接を導入しなければならない。つまり、従来面接なしで学校推薦型選抜・総合型選抜を実施していた大学には、猶予期間が与えられた形だ。しかし、2027年度入試から新たに面接を課さない学校推薦型選抜・総合型選抜の実施を予定していた大学は、対応が急務となる。
今回のルール変更の背景には、「学力試験型」の学校推薦型選抜・総合型選抜を巡る経緯がある。以前から、学力試験の実施は2月1日以降というルールがあった。これは一般選抜だけでなく、学校推薦型選抜・総合型選抜も同じ。しかし、これより前に学力試験を実施する大学が存在し、学力試験のみで合否がほぼ決まる学校推薦型選抜・総合型選抜も、関西地区の私立大を中心に行われていた。
同様の方式が2025年度入試から首都圏でも広がり始めていたところに、歯止めをかけようとしたのが昨年の実施要項における変更。これにより、学校推薦型選抜・総合型選抜では、「小論文・面接などや、本人記載の資料などと組み合わせて評価する」という条件付きで、2月1日より前の学力試験実施が可能になった。つまり、大学側に対して、「2月1日以前に学力試験を実施するならば、小論文や面接でも評価を」と求めた形だ。
だが、上記のルール変更を受けて行われた2026年度入試では、小論文や事前課題を課すも、学力試験の配点比率が大部分を占める大学が目立った。今回の実施要項における「学校推薦型選抜・総合型選抜の面接必須化」は、こうした事態に対応したものだろう。
面接を必須としたことで、学力試験重視の「実質的な一般選抜の前倒し」的な学校推薦型選抜・総合型選抜の実施を抑制する意図がうかがえる。該当する入試の志願者が数千人を超すような大学では、面接を行うことは困難なためだ。大学側は難しい判断を迫られる。大学によっては、2028年度入試では実施を取りやめる可能性もある。その場合、直近の2027年度入試に志願者が集中する可能性もあり、各大学の対応を注視する必要がある。

2023年以前
学校推薦型選抜・総合型選抜で2月1日以前に学力試験を実施する大学が、関西地区を中心に多く存在した。
2024〜25年
上記のような入試が首都圏でも広まり始める。
2025年6月
学校推薦型選抜・総合型選抜で、小論文や面接などと組み合わせる条件付きで2月1日より前の学力試験実施が可能になる。2026年度入試では、小論文や事前課題を課すも、学力試験の配点比率が大部分を占める入試を実施する大学が多かった。
2026年5月
2026年度入試を受け、学校推薦型選抜・総合型選抜で面接を義務化する。
学校推薦型選抜・総合型選抜で面接を必須化する変更を受け、2027年度入試から面接を課さない方式の導入を予定していた大学が対応を始めている。成蹊大は総合型選抜「基礎学力型」を導入予定だったが、2027年度は取りやめを決定した。一方、東海大は面接必須化を受け、特待生試験「プレトク」の内容を一部変更することを発表。面接実施のため、英語の筆記試験の代わりに英語外部検定試験の成績を利用する方針だ。また、試験場を当初予定していた全国13会場から、全国5会場(東海大のキャンパス)に集約する。志望校の発表をこまめに確認するよう心掛けたい。
※2026年7月中旬時点の情報です。詳細は各大学の公式サイト等を参照してください。

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