【解説】共通テスト

大学入学共通テスト(以下、共通テスト)の出願は、例年9月から始まります。共通テストの概要を押さえたうえで、全体のスケジュールや出願方法、出願時の注意事項などについても解説していきます。
大学受験の全体スケジュールに関しては、【大学受験の流れをCheck!】の記事を改めて確認しておきましょう。
大学受験まるわかり

共通テストってどんな試験?

約50万人の受験生が受ける一大試験!

共通テストは、独立行政法人大学入試センターが実施する試験です。「共通テスト+個別試験」で合否を判定する国公立大の一般選抜のほか、「共通テストのみ」or「共通テスト+個別試験」で合否を判定する私立大の共通テスト利用入試や、国公立大・私立大の学校推薦型・総合型選抜のうち共通テストを課す方式を受験する人が受けます。

2023年は、約47.4万人が受験(志願者数は約51.3万人)しました。

例年1月中旬に行われ、2024年は1月13日(土)・14日(日)に本試験が、1月27日(土)・28日(日)に追試験(何らかの事情で本試験が受けられなかった人のみが受験可能)が実施されます。

自宅や高校に近い試験会場で受けられるケースが多いものの、会場はその年の志願者の数や分布により決定されるため、必ずしも最寄りの会場が指定されるとは限りません。

受験教科・科目の数や種類は人それぞれ

2024年共通テストの出題教科は、国語、地理歴史・公民、数学(①・②)、理科(①・②)、外国語。出題科目は以下の表のとおりです。この中から、自分が受験する大学が指定する教科・科目を受験します。

なお、共通テストの検定料は受験する教科数により異なり、2教科以下なら12,000円、3教科以上なら18,000円となります(成績通知を希望する場合は、別途手数料800円が必要)。

共通テストとしての配点は教科ごとに決まっていますが、大学によって配点に傾斜をつけるケースもあります。志望校の受験科目・配点については、事前にしっかりと確認しておきましょう。

2024年共通テストのスケジュール&出願手順は?

「受験案内」は9月1日から配布

2024年共通テストの要項について書かれた「受験案内」は、2023年9月1日(金)から配布されています。現役生は学校を通じて配布されるケースが多いですが、既卒生は自分で取り寄せる必要があります(共通テストを利用する大学の窓口などでも入手可)。詳しくは大学入試センターのホームページ等で確認しましょう。

受験案内には、出願に必要な書類や禁止事項・注意点など重要な事項が書かれているので、しっかりと目を通しておきましょう。

大学入試センターHP
https://www.dnc.ac.jp/

出願期間は9月25日から10月5日まで

2024年共通テストの出願期間は、2023年9月25日(月)〜10月5日(木)です。現役生と浪人生で出願方法が異なるため、注意が必要です。

現役生は、在籍する学校を通じて出願します。そのため、出願書類は学校に提出します。提出期限は学校により異なり、早めに設定されているケースが多いので、しっかりと確認しておきましょう。

一方、既卒生は大学入試センターに簡易書留郵便で、直接郵送します。その際、出願資格を証明する書類(卒業証明書など)も必要になるため、事前に出身校に問い合わせておきましょう。

出願に際しては、「検定料」の振り込みが必須です。

受験案内に添付されている払込書を使い、郵便局や銀行の窓口で検定料を払います。ATMでの送金は不可なので注意しましょう。

先述のように検定料は受験教科数により異なり、2教科以下は12,000円、3教科以上は18,000円となります。また、後日(2024年4月1日以降)、成績通知を希望する場合は、手数料800円も払います。

窓口で手渡される「検定料受付証明書」は出願時に必要なので、なくさないよう保管しておきましょう。

「受験科目数」「科目選択方法」は出願時に決定!

共通テストでは、受験教科に加え、地理歴史・公民の科目数や理科の科目選択方法等について、出願時に申請する必要があります。試験当日には変更できないので、十分な検討が不可欠です。

地理歴史・公民は、「1科目受験する・2科目受験する・受験しない」の3択です。

特にややこしいのが、理科です。1グループ(理科①)から何科目、2グループ(理科②)から何科目受けるかによって、A〜Dの4つ(「受験しない」を含めると5つ)の選択肢があります。

「どの科目を受けるか」については試験当日に判断して構いません。ただし、地歴・公民、理科②(基礎を付さない)で2科目受験すると登録した場合、試験当日に1科目のみの受験に変更することはできません。また、1科目受験すると登録した場合、2科目受験することはできません。自分の受験校が指定した受験科目を網羅しているかどうか、必ず重ねてチェックしましょう。

また、共通テストの「英語(リスニング)」ではイヤホンを使用しますが、何らかの理由でイヤホンが装着できない人は、ヘッドホンを貸与してもらえます。ただし、試験当日にヘッドホンを貸してもらうためには、出願時に「イヤホン不適合措置」の申請が必要です。試験会場で申し出ても対応してもらえないので、必要な人は「受験案内」を確認して申請しましょう。

志願票の書き方・郵送方法は、ココに注意!

出願の準備が整ったら、「志願票」に記入していきます。間違いがないよう注意しつつ、黒のボールペンではっきりと丁寧に書いていきましょう。

成績通知を希望する場合は事前登録が必須なので、成績通知を「希望する」の欄に◯(まる)をつけるのを忘れずに(手数料の支払いも忘れずに)。

志願票が書けたら、提出です。現役生は、「志願票」(「検定料受付証明書」の貼付を忘れずに)を高校に提出します。既卒生は、「志願票」(「検定料受付証明書」の貼付を忘れずに)に「卒業証明書」などを添えて、郵送します。その際は、受験案内に添付された黄色い封筒を使い、「簡易書留郵便」で郵送すること。市販の封筒を使ったり、一般郵便として送ったりすると、受け付けてもらえません。

志願票

10月下旬頃に「確認はがき」、12月中旬頃に「受験票」が届く

出願書類が受理されると、10月25日までに「確認はがき」が届きます。内容に間違いがないかを確認し、万一、ミスや変更点があった場合は、すぐに大学入試センターに連絡します。

また、試験の約1か月前(12月14日)までに「受験票」が届きます。受験会場の場所や受験科目などが明記されているので、内容をよく確認し、なくさないよう保管しておきましょう(当日までに写真の貼付が必要です)。

受験票には、各大学への出願の際に必要になる「成績請求票」も付いています。これがないと出願できないため、保管が必須です。また、成績請求票が足りない場合は追加発行が可能です。詳しくは受験案内で確認しておきましょう。

●大学入試センターの問い合わせ先
大学入試センター事業第1課
TEL 03-3465-8600
9:30~17:00(土日祝日・12月29日~1月3日を除く)
※問い合わせは志願者本人が行うこと

受験票

1月13日・14日に、共通テスト実施!

2024年1月13日(土)・14日(日)の2日間にわたり、共通テストの本試験が実施され、正解等が発表されます。これをもとに自己採点を行い、出願校の最終判断の材料にします。

なお、病気やケガ、当日の天候や交通事情などやむをえない事情により本試験が受験できなかった場合は、1月27日(土)・28日(日)に行われる追試験の受験を申請できます。詳しくは受験案内に記されているので、万一に備えて読み込んでおきましょう。

その後、1月17日(水)には平均点等の中間発表があり、1月19日(金)には科目間の得点調整実施の有無が発表され、2月5日(月)には平均点等の最終発表が行われます(いずれも予定)。また、4月1日(月)以降には、成績の本人通知(出願時に希望した人のみ)が行われます。


共通テストの出願について、流れや注意点を確認できましたか? 特に重要なのが、「受験科目数」「科目選択方法」は出願後に変更ができないという点です。第1志望校のみならず、自分が受験するすべての大学の条件を満たしているかどうか、必ずチェックしましょう。

出願は非常に重要なステップです。つい受験勉強に気持ちが向きがちですが、出願準備にしっかりと時間をとって慎重に進めてください。