後期・中期の募集比率が高い国公立大の学部・学科はここだ！

平均は前期8割、後・中期2割だが、5割を超えるケースも

国公立大一般選抜は、第1志望校を前期日程で受験するのが基本。とはいえ、国公立大を目指す受験生にとって、後期日程と公立大中期日程（以下、中期）は貴重な併願先だ。

しかし、その募集枠はけっして大きくない。25年一般選抜の募集人員（総合計）の比率を見ると、前期が8割超を占めるのに対し、後期と中期、別日程は合わせても2割弱に留まる。

しかも、学校推薦型・総合型選抜の募集枠拡大に伴い、後期・中期は縮小の一途。25年入試では、和歌山大‐観光で後期を復活するが、京都大‐法、京都工芸繊維大‐工芸科学、茨城県立医療大‐保健医療、沖縄県立看護大‐看護は後期を募集停止する。

全体として選択肢が狭まりつつある後期・中期だが、それでも“最後の頼みの綱”に変わりはない。まして、募集枠が平均（2割）を大幅に上回る場合はなおさらだ。

そこで、募集人員全体に占める後期や中期などの比率が35％以上を占める、募集人員10人以上の学部・学科等について、共通テスト（以下、共テ）と個別試験（以下、2次）の概略、前年の実質倍率（受験者数÷合格者数）もあわせて、一覧表にまとめた（教科・配点等は11月末現在）。

自己採点の結果、第1志望校の前期で思ったような判定が出なかった人や、「どうしても国公立大へ行きたいから後期までがんばる」という人は、併願先を決めるにあたって、参考としてほしい。

国公立大一般選抜は、前期の合格者が入学手続きをすると、後期・中期には合格できない仕組みとなっている。そのため、実際には後期・中期の志願者の半数以上が欠席し、表中の「前年倍率」欄を見てわかるように、実質倍率が意外なほど低いこともある。出願締め切りの直後に発表される見かけの倍率（志願者数÷募集人員）に怖じ気づかないことが大切だ。

なお、募集人員や教科・科目・配点等は変更される可能性もあるので、必ず志望校の募集要項やホームページで最新情報をチェックしよう。

【ここに注目】
後期・中期の募集人員が前期を上回る主な例を、学部単位で挙げてみると、埼玉大‐理は「前期91人・後期108人」、大阪公立大‐工は「前期269人・中期442人」、兵庫県立大‐工は「前期120人・後期140人」、と、後期・中期が募集人員の半数以上を占める。また、山梨大‐医（医）、名古屋市立大‐総合生命理が「後期のみ」、公立薬学部は5大学中3大学（岐阜薬科大、静岡県立大、名古屋市立大）が「中期のみ」で実施する。

表の見方
①「募集人員」欄の「全体に占める比率」は、後期・中期などの割合を％表示で示した。
②「日程」欄の「別日」は別日程の略。
③「前年倍率」欄は24年の実質倍率（受験者数÷合格者数）で、#は2段階選抜を実施したことを示す。
④「共テ教科数」欄では、例えば「6教科8科目」は「6-8」、「6または7教科8科目」（地歴・公民の選択による）を「67-8」と示した。
⑤「2次教科数」欄では、学科試験は教科数を、その他の選抜方法は「総＝総合問題、小＝小論文、実＝実技、面＝面接、調＝調査書点数化、資＝本人記載の資料等」と略して記載した（11月末現在）。

ここに注意
（注1）北海道大は、理・薬・工・農の前期を全て、その他の学部も前期の一部を、一括募集の「総合入試」として実施するため、当表の対象から除外。
（注2）筑波大は全学（体育専門学群を除く）の前期の一部を、一括募集の「総合選抜」として実施するため、当表の対象から除外。
（注3）別日程実施の国際教養大・新潟県立大、芸術文化観光専門職大・叡啓大も対象とした。

後期・中期・別日程の比率が全体の50％以上

後期・中期の比率が全体の35％以上50％未満

この記事は「螢雪時代（2025年2月号）」より転載いたしました。
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