2026年国公立大入試の志願動向に影響しそうな変更点を速報する。
京都大や大阪大、名古屋大など難関大で学校推薦型・総合型の「女子枠」新設・拡大が続き、理工系学部で学科の統合が目立つ。
2026年(以下、26年。他年度も同じ)の国公立大入試の特徴と、志願動向に影響しそうな変更点を見ていこう。26年入試では、一般選抜の日程変更は25年とほぼ同程度だが、新増設・改組、募集人員の変更、学校推薦型・総合型選抜(以下、推薦型・総合型)の変更は増え、一般選抜の科目等の変更は減っている。
理工系を中心に学科の統合が目立つ。北見工業大‐工(2→1学科)、信州大‐工(5→1学科)、九州工業大‐工(6→1学科)・情報工(5→1学科)、熊本大‐文(4→1学科)、名古屋市立大‐芸術工(3→1学科)、兵庫県立大‐工(3→1学科)で学科を統合・改組する予定。
佐賀大‐コスメティックサイエンス学環、熊本大‐共創学環、旭川市立大‐地域創造、福井県立大‐地域政策が新設予定。また、山形大‐地域教育文化を「教育学部」に改組予定。佐賀大‐教育、熊本大‐教育では各教員養成課程を改組し、両大学が連携する「共同教員養成課程」を設置する予定。一方、岡山大‐法・経済で夜間主コースを募集停止する予定だ。
理工系で「女子枠」の設置が相次ぐ。京都大‐理・工、大阪大‐基礎工をはじめ、岩手大‐理工、埼玉大‐工、広島大‐理・工・情報科学、愛媛大‐工、高知工科大‐システム工学群の推薦型や総合型で女子枠を新設する。
また、名古屋大‐工の推薦型では女子枠の実施学科を「4→6」に増やし、新潟大‐工の推薦型で女子枠を募集人員増(5人→25人)、金沢大‐地球社会基盤学類の総合型でも女子枠特別入試の実施コースを「1→3」に拡大する。
この他、茨城大‐教育、群馬大‐共同教育、上越教育大、札幌医科大‐医、名古屋市立大‐芸術工などで総合型を新規実施する。
【入試日程】
旭川医科大‐医(医)、山形大‐教育・医(医)、茨城大‐地域未来共創学環、群馬大‐共同教育、広島大‐法[昼・夜]・生物生産、佐賀大‐医(医)、長崎大‐薬などで後期を募集停止。一方、筑波大‐日本語・日本文化学類で前期(学類・専門学群選抜)を新たに実施する。
【募集人員】
新潟大‐工で推薦型の女子枠拡大に伴い、前期の募集人員を削減。愛媛大‐工でも前期を削減、後期を増加。一方、兵庫県立大‐工は後期を削減、前期を増加。募集人員の比率を「後期重視→前期重視」に転換する。
【共通テスト】
信州大‐教育の前・後期で、コースごとに異なっていた科目数を8科目に統一。一方、北見工業大の後期で7→5科目、愛媛大‐医(看護)の前期で8→6科目に軽減する。
【個別試験】
滋賀大‐教育の後期で「入学後の学修計画・志望動機書」を追加。一方、北見工業大の後期、茨城大‐農の前期で理科を除外。福島大‐農学群の前期で「学科2科目→ペーパーインタビュー」に軽減。九州大‐文の後期で志望理由書を除外。熊本大‐文の前期で小論文を除外。兵庫県立大‐工の前期で英語を除外、理科2→1科目に軽減する。
【実施方式】
佐賀大‐理工の前・後期で「学部一括募集→分野別募集」に変更する。
【2段階選抜】
奈良県立医科大‐医(医)の後期で、予告倍率を募集人員の「14倍→12倍」に引き締める。
既卒者対応の経過措置が解除されるため、科目の扱いにも変化がある。共通テストの情報Ⅰは、北見工業大の前期など「選択→必須」とする大学もあり、北海道大では「配点化しない→配点化する」に変更。個別試験でも、数学Bの出題範囲に「統計的な推測」を追加するなど、新課程に対応した出題となる大学が見られる。
次ページに1月末までに判明した「2026年国公立大入試の主な変更点」を掲載した。今後、各大学が6~7月に発表する「選抜要項」(入試の概要を紹介した冊子)、10~12月に発表する「募集要項」(正式な入試要項)で必ず確認しよう。
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