2023年 国公私立大入試 学部別&日程別 志願者動向最新レポート

国公立大一般選抜の地区別の確定志願状況と、私立大一般選抜の志願状況をお伝えする。
共通テストの平均点アップでも、国公立大の志願者は1%減、前年の反動が目立った。
私立大一般選抜は2%減(2月20日現在)だが、共通テスト利用方式は微増となった。
入試動向分析

◎凡例

(1)本文中の表記について
◎前期日程=【前】、後期日程=【後】、公立大中期日程=【中】、昼・夜間主コース=[昼][夜]、共通テスト=共テ、個別学力検査等(2次試験)=2次、と略記。
◎変更点は「2022年→2023年」で表記。
◎学部・学科名は略称で「学部〈学科〉」と記載。

(2)国公立大の志願者増減について
志願者増減は、一般選抜の確定志願者数(2月21日発表)について、2022年の志願者数(2023年に募集しなかった旧学部・学域、日程を含む)と比較し、%で表示。ただし、専門高校・総合学科卒業生選抜、欠員補充2次選抜、追試験等を除く。

(3)私立大の志願者増減について
志願者増減は、2月20日現在で判明した確定志願者数について、2022年と比較(一部未確定を含む)し、%で表示。

国公立大

共通テスト平均点アップでも
志願者減、前年の反動が顕著

志願者数は全体で約42万3千人と、前年(2022年)に比べ1%減。共通テスト(以下、共テ)の平均点アップ(=易化)にもかかわらず、大学受験生数の減少(約2%減。旺文社推定)に見合った結果となった。
前年同様、「初志貫徹」の傾向が見られ、一橋大・京都大や、横浜国立大・大阪公立大など難関〜準難関校の志願者が増える一方で、コロナ禍に伴う家計不安などによる安全志向も根強く、前年の反動(志願者増減や倍率の変動による)が顕著に見られた。また、後期は国立大1%減、公立大4%減。募集枠縮小もあるが、最後まで粘る姿勢は前年に比べやや弱まったといえる。

●北海道・東北地区

地区全体で志願者は前年並み。北海道大は前年比で3%増(以下、大学名の後のカッコ内に増減を表示)。前期の総合入試(文系・理系の大括りで募集)は理系がやや減少、前年の反動と見られる。一方、学部別募集の後期は10%増、難関大志望者の貴重な併願先として狙われた模様。
東北大は8%減、後期で関東地区の難関〜準難関校への志望変更があった模様だ。歯【前】・薬【前】・農【前】の増加、文【前】・経済【後】・理【後】の減少が目立つ。経済【後】以外は前年の反動と見られる。
この他、前年の大幅減の反動から、北海道教育大(22%増)・宮城教育大(49%増)・福島大(11%増)が大幅増。また、室蘭工業大(41%増)は2年連続で大幅増、北見工業大(42%減)の激減に影響した。一方、前年の大幅増の反動で、弘前大(15%減)・岩手県立大(27%減)が大幅減。岩手大(18%減)の大幅減も目立った。

●関東・甲信越地区

地区全体で志願者1%増。情報系学部を増設した一橋大(14%増)が大幅増。また、2024年以降に統合予定の東京医科歯科大(17%増)・東京工業大(10%増)も大幅増となった。
一方、東京大は2%減、文科三類【前】(5%減)では2段階選抜を実施しなかった(他の5科類は実施)。
準難関校では、東京農工大(16%増)・横浜国立大(30%増)が大幅増、埼玉大も7%増。筑波大・千葉大・東京都立大はほぼ前年並み、東京外国語大は前期の共テ負担増(数学1→2科目)のため28%減となった。
この他、信州大(12%増)・高崎経済大(17%増)が大幅増、宇都宮大(2%増)・群馬大(9%増)も増加。一方、茨城大(19%減)・新潟大(12%減)・山梨大(18%減)・都留文科大(12%減)が大幅減となった。

●北陸・東海地区

地区全体で志願者3%減。名古屋大(1%減)では、前年の反動から情報【前】・医〈医〉【前】【後】が大幅増、経済【前】が大幅減。医〈医〉【前】【後】は2段階選抜の基準緩和も要因となった。
学部改組(地域創造学環→グローバル共創科学部)した静岡大は11%増。また、前年の反動から名古屋工業大(21%増)・三重大(8%増)・静岡県立大(16%増)、情報系学部を増設した名古屋市立大(8%増)も増加した。
一方、金沢大はスマート創成科学類を増設したが2%減。医〈医〉で後期を募集停止した岐阜大(25%減)や、福井大(39%減)・福井県立大(22%減)が大幅減となった。

●関西地区

地区全体の志願者は前年並み。京都大は3%増、特に総合人間〈文系〉【前】・法【後】・経済【前】・理【前】・医〈人間健康科学〉【前】が増加した。一方、大阪大は1%減、文【前】・基礎工【前】の増加と人間科学【前】・医〈医〉【前】の減少が目立った。また、神戸大は2%減で、法【後】・経済【前】・海洋政策科学【後】が大幅増、文【前】・国際人間科学【後】・法【前】・理【前】・農【前】が大幅減となった。
大阪公立大は7%増、市立大・府立大の統合2年目で認知度が高まった模様で、文・法・経済・商・農・看護は前・後期とも大幅増となった。
この他、滋賀大(8%増)・奈良教育大(10%増)・和歌山大(9%増)・兵庫県立大(11%増)が増加。一方、京都工芸繊維大(25%減)は後期募集枠縮小、京都府立大(12%減)は前年の反動のため大幅減。工学部開設2年目の奈良女子大も8%減となった。

●中国・四国地区

地区全体で志願者6%減。特に、岡山大(27%減)は後期募集停止のため大幅減。前期では文・医〈医〉の減少が目立つ一方、教育・医〈保健〉・薬・工・農は大幅増となった。また、広島大(4%減)は医〈医〉・薬の前期、総合科学・文・教育・理の後期が大幅減、教育・経済[昼]・工・生物生産の前期は大幅増となった。
この他、鳥取大(22%減)・島根大(16%減)・徳島大(27%減)・香川大(21%減)・高知大(24%減)と軒並み大幅減。その中で、山口大(27%増)は前年の反動から大幅増となった。

●九州地区

地区全体では志願者2%減。九州大(5%減)は理【前】・農【後】で大幅増、法【後】・経済【後】・共創【前】・医〈医〉【前】が大幅減となった。また、佐賀大(10%減)・長崎大(12%減)・長崎県立大(10%減)が大幅減、大分大(8%減)・琉球大(2%減)・北九州市立大(6%減)も減少した。一方、宮崎大(27%増)、定員増を行った名桜大(23%増)が大幅増、鹿児島大(6%増)も増加した。

私立大

弱めのチャレンジ志向
独自入試が人気ダウン

2月20日現在の、主に2月入試の志願状況(集計数:195大学・約254万6千人)を見ると、志願者数は前年比2%減。前年の合格者増による易化を見越してチャレンジ志向が見られる一方、コロナ禍による家計不安、学校推薦型・総合型選抜の志願者増・合格者増などから、合格確保校の併願を絞り込む「逆T字型」の出願傾向が見られた。
各大学の独自入試が3%減、独自・共テ併用方式が4%減。一方で、共テ利用方式は1%増。共テの後に出願を締め切る方式では、平均点アップが追い風になった模様だ。
以下、誌面の都合上、一覧表に掲載できなかった大学や方式等も含め、主な大学の志願状況を紹介する。

●首都圏

難関〜準難関校では、前年大幅減の上智大が18%増、中央大も5%増。上智大は共テ利用3科目型の新規実施、中央大は法学部の「都心回帰」のキャンパス移転も要因となった。また、学習院大(9%増)・明治大(5%増)も人気アップした。
一方、慶應義塾大(1%減)はほぼ前年並みだが、青山学院大(8%減)・東京理科大(6%減)・法政大(9%減)が前年の反動から志願者減、国際基督教大(10%減)・立教大(7%減)・早稲田大(3%減)も減少した。また、津田塾大(6%減)・東京女子大(16%減)・日本女子大(2%減)と、女子大上位校も反動で志願者減となった。
中堅上位校のうち、いわゆる「日東駒専」は、駒澤大(6%増 )・日本大(6%増)が増加、専修大(2%減)・東洋大(9%減)は減少と明暗が分かれた。また、前年の反動から明治学院大(20%増)が大幅増、國學院大(5%減)・成蹊大(5%減)・成城大(8%減)・武蔵大(5%減)は減少した。
その他、東京電機大(18%増)が大幅増の一方で、国士舘大(19%減)・東海大(11%減)は大幅減となった。

●京阪神地区

いわゆる「関関同立」では、関西学院大(14%増)が大幅増、同志社大(9%増)・立命館大(5%増)も増加したが、関西大は微減(1%減)となった。また、いわゆる「産近甲龍」では、甲南大(15%増)の大幅増、京都産業大(2%増)・龍谷大(8%増)の増加に対し、私立大で志願者数トップの近畿大は6%減となった。龍谷大は心理学部の増設、甲南大は一般中期と外部英語試験活用型の導入が、志願者増の主な要因となった。
その他の中堅校は、佛教大(37%減)・大阪経済大(18%減)・大阪工業大(10%減)・摂南大(20%減)・桃山学院大(44%減)・神戸学院大(17%減)など軒並み大幅減。その中で、学部・学科増設の関西外国語大の40%増が注目される。

●その他の地区

東北学院大は、学部改組(教養を4学部に分割)や仙台市中心部のキャンパス新設にもかかわらず、前年大幅増の反動から1%減。この他、西南学院大(12%増)の大幅増に対し、北海学園大(9%減)・愛知大(3%減)・中京大(10%減)・南山大(5%減)・名城大(2%減)・福岡大(7%減)など、志願者減が目立った。




この記事は「螢雪時代(2023年4月号)」より転載いたしました。