《昨年度の受験生向けの記事です》
2025年「新課程入試」を直後に控え、「後がない」と言われる2024年入試。
一般選抜の志願者数は、国公立大が約1%減、私立大が約3%減と予測される。
チャレンジ志向が強まる一方、経済不安もあって「年内入試」人気が高まり、全体に二極化が進みそう。学部系統別では、情報系の新設、理工系の定員増もあって、理・工・農の高人気、文・国際・教員養成の人気低迷など、「文低理高」が続きそうだ。
ここでは、高校・予備校の進路指導のベテラン先生方へのアンケートを参考に、さまざまな変動要因を総合し、2024年(以下、24年。他年度も同様)一般選抜の動向を予測する。
『螢雪時代』編集部推定では、23年は4(6)年制大学の受験生数(以下、大学受験生数)が64万3千人と、前年比1.2%減少した模様。24年は高卒者数の減少幅(4.4%減)が前年より大きい。国の学費減免制度の対象範囲拡大などもあり、大学現役志願率はややアップしそうだが、大学受験生数は『螢雪時代』編集部推定で62万4千人と、前年より3.0%減少すると見られる(図表1)。
それでは、大学入学共通テスト(以下、共テ)の出願者数はどうなるか。
23年共テは前年度の大幅難化の揺れ戻しで、数学を中心に易化した。24年は、出題傾向がほぼ定まったことに加え、25年新課程入試を控えるため、出題レベルの大きな変動はなさそう。
一方で、国際情勢の悪化などによる家計不安の影響もあり、学校推薦型選抜(以下、推薦型)や総合型選抜(以下、総合型)の「年内入試」で、早期に合格を確保したい受験生の増加が見込まれる。
さらに一般選抜でも、私立大専願型の受験生にとって独自入試との対策の違いが大きい共テを敬遠する「共テ離れ」が見られる。
こうした要素を考えあわせ、24年共テの出願者数は、50万人前後(約3%減)と予測する。
24年入試は、25年新課程入試を直後に控える。25年は既卒者に対し手厚い経過措置(現行課程の科目や選択問題、出題範囲の配慮など)が取られるので、決して既卒者(浪人)が不利とはいえない。そのため、24年は当初予想されたほど「後がない」入試ではなく、受験生の「後がない」意識もさほど強くない模様だが、それでも不安から安全志向になりがちで、前年の入試結果(志願者増減や倍率アップダウン)の反動が強く作用する。
先生方のアンケート回答では、国公立大志向について「やや強まる」「変わらない」に集約された。前述の状況と「現役志向」から、共テを課す推薦型も視野に入れつつ、後期・中期まで見据え、息長く「最後まで粘る」展開となりそうだ。
24年の主な大学・学部等の新増設・改組を図表2に示した。まず注目は、東京医科歯科大と東京工業大が統合し、24年秋に「東京科学大(仮称)」として発足予定であること(24年入試自体は各大学で実施される)。次に、情報科学系の学部等の“新設ラッシュ”だ。特に千葉大-情報・データサイエンスは、地区を越えて注目度が高い。また、下関市立大-データサイエンスと周南公立大-情報科学は、同県内に開設されるため、志願者が分散しそうだ。
図表2以外では、既存の学部で複数学科を1学科に統合するケースが目立つ。富山大-経済が3→1学科、同-理が5→1学科に統合。また、山梨大-工が7→1学科、三重大-生物資源が4→1学科、大分大-経済が4→1学科、鹿児島大-農が3→1学科に統合。山梨大・三重大の場合、入学時はコース別募集となるが、入学後に専門を決定する募集枠を別途設ける。
国立大で定員増が相次ぐ。「高度情報専門人材」の確保に向けた、国の「大学・高専機能強化支援事業」により、国立9大学の理工系学部で定員増が行われる。北海道大-工(50人増)、東北大-工(40人増)、東京工業大-情報理工学院(40人増)、電気通信大-情報理工学域(30人増)、金沢大-スマート創成科学類(35人増)・電子情報通信学類(40人増)、岡山大-工(30人増)、愛媛大-工(30人増)、佐賀大-理工(30人増)、大分大-理工(40人増)の、計365人増と規模が大きい。この他にも、地方創生を目的とした政策に基づく「魅力ある地方大学の実現に資する地方国立大学の定員増」に、24年は金沢大-観光デザイン学類(35人増)が選ばれた。
国公立大で推薦型・総合型が拡大している。文部科学省発表の「令和6年度国公立大学入学者選抜の概要」では、日程・方式別の募集人員は、後期日程の106人減に対し、総合型は252人増、推薦型は564人増。前述のように定員が増えた分は、推薦型・総合型に多く振り向けられている。その最たるものが理工系「女子枠」の導入だ。
国は「大学入学者選抜実施要項」で、「理工系分野における女子」も例に挙げ、学生の多様性の確保を大学に促している。男子比率が高い理工系学部への「女子枠」設置は、この流れに沿ったものだ。24年は、東京工業大の4学院(物質理工、情報理工、生命理工、環境・社会理工)や、北見工業大-工、電気通信大-情報理工学域、金沢大-理工学域、山梨大-工、熊本大-情報融合学環、大分大-理工、琉球大-工、高知工科大-データ&イノベーション学群の推薦型や総合型で「女子枠」を新設する。
この他、日程変更については、埼玉大-教育、広島大-薬の後期復活、23年から公立化した旭川市立大の前・中・後期への新規参入、一方で埼玉県立大-保健医療福祉の後期募集停止が注目される。
科目等の変更を見てみよう。共テについては、愛媛大‐教育の前期で7(8)科目→6(7)科目に軽減する。
2次では、山梨大‐医(医)の後期で英語を追加。三重大‐医(看護)の前・後期で面接を点数化。香川大‐教育の前期で面接を追加、後期を「小論文→面接」に変更。一方、山形大‐医(医)の前期で国語を除外。鹿児島大‐農の前期で3→2科目に軽減。奈良県立医科大‐医(医)の前期で学科3科目を小論文に変更する。
2段階選抜では、東北大‐医(医)の前期や、東京医科歯科大‐歯(歯)、横浜国立大‐経営、徳島大‐歯(歯)、大分大‐医(看護・先進医療科学)、鹿児島大‐医(医)の各後期など、予告倍率を緩和するケースが目立つ。また、長崎大‐多文化社会の前期で2段階選抜を廃止。一方、新設のお茶の水女子大‐共創工の前・後期で実施し、岐阜大‐医(医)、徳島大‐歯(歯)の各前期で予告倍率を引き締める。また、京都大‐理の前期で2段階選抜の基準を「得点率→倍率」に変更する。
以上の点も踏まえると、24年国公立大一般選抜の志願者は1%程度の減少が見込まれる。
先生方のアンケート回答は、私立大志向についても、国公立大と同様に「やや強まる」「変わらない」に集約された。23年と異なる傾向で、「後がない」意識が垣間見える。「やや強まる」は推薦型・総合型人気の反映と言えるが、一般選抜志望者も現役合格のため、併願増を念頭に置いていると思われる。
私立大一般選抜はコロナ禍に突入した21年以降、全体に易化傾向にあるが、23年はやや合格者を絞る動きが見られた。そのため、難関校への「チャレンジ志向」が続く一方、中堅校では推薦型・総合型で「早く確実に」決める傾向が強まり、一般選抜の受験者層が薄くなりそう。このため24年は、大都市圏のブランド校とそれ以外の大学で、志願状況の二極化が23年以上に見られそうだ。
23年入試では、大都市圏の難関~準難関校で、21・22年のように追加・補欠合格の増加で実質倍率(受験者数÷合格者数。以下、倍率)が軒並みダウンするようなこともなく、倍率アップダウンが相半ばする状態となった(図表3)。定員管理の方式が「入学定員の単年度管理」から「収容定員の複数年度管理」に変わり、柔軟な運用が可能になったため、 23年は合格者数を調整したものと見られる。
とはいえ、成績上位者のチャレンジ志向は変わらず、国公立大志望者層も縮小する後期の代わりに、私立大難関校の併願を増やす可能性がある。
23年入試の併願パターンは、合格確保校を精選しつつ、大都市圏ではチャレンジ校を加えた「凸字型」にする傾向が見られた。24年入試では、弱いとはいえ「後がない」意識と現役志向から、チャレンジ校だけでなく合格確保校も押さえる、従来に近い「十字型」の出願パターンが増えそうだ。
一般選抜の変更を俯瞰すると、共テ利用方式における「多科目型」の導入が目立つ。近畿大の共テ利用前期では、法・薬など6学部に5教科7科目型、情報に5教科6科目型、産業理工・国際に5教科5科目型を追加。また、立命館大‐映像の2月選考に7科目型を追加する。23年共テの3科目受験者の減少(6%減)を受け、国公立大併願者に照準を定めた模様。さらに、日本赤十字系列の6看護大で共テ利用の共通入試を新規実施(同時併願可)する。要注目は近畿大で、京阪神の「台風の目」となりそうだ。
一方、独自・共テ併用方式の導入は、工学院大のB日程共テプラス型が目立つ程度。逆に、成蹊大‐経済では共テ併用のM方式を廃止する。
青山学院大‐理工の個別学部日程B方式で共テ併用を廃止し、英語を「共テ→独自試験」に移行。社会情報の個別学部日程B~D方式でも共テ併用を廃止し、独自入試の2教科入試に変更。21年に個別学部日程の共テ併用化を進めたが、独自試験に戻しつつある。また、23年まで共テ利用方式のみだった豊田工業大が個別学力試験入試、産業医科大‐医もB方式と、初めて独自試験のみの方式を行う。
関西学院大では学部個別日程を、傾斜配点型と均等配点型に複線化。文系10学部で均等配点型を新規実施し、併願を可能とする。また、専修大でスカラシップ入試の実施を2→3回に、全学部入試の実施を1→2回に増加する。大妻女子大の一般A方式Ⅰ期、共立女子大の一般2月日程、大東文化大・東京経済大の共テ利用前期など、英語外部検定利用の導入も多い。その他、東京電機大で情報系資格が対象の「情報系外部試験利用」を新規実施する。
経済面の支援では、国際基督教大で入学前予約採用型「ICU Cherry Blossom奨学金」を新設。東北学院大で「東日本地域別スカラシップ選抜」、大東文化大も「桐門の翼奨学金試験」を導入。神戸学院大で共テ利用の受験料を減額(1万円→5千円)する。
情報科学系や理工系、看護・医療系、心理系の新増設が目立つ。芝浦工業大‐工の学部改組(9学科→5課程)も要注目。
実践女子大‐国際、日本女子大‐建築デザイン、京都女子大‐心理共生、神戸女学院大‐心理・国際など、女子大における活発な増設・改組も24年の特徴だ。2大学が募集停止など、女子大は転機を迎えている。女子受験生の志望分野の多様化や共学志向の強まりを受けた「生き残り戦略」として注目される。
以上の変動要因も考えあわせ、私立大一般選抜全体の志願者数は3%程度の減少と予測する。
コロナ禍以降、「文低理高」傾向が定着し、文、国際・外国語など文系学部や、教員を取り巻く環境などから教員養成系は、人気低迷が続きそう。一方、経済系は就職状況の改善から人気復活。地方公務員を目指し、法の人気も根強い。
理系では、国立大の理工系定員増なども追い風となり、理・工・農の志願者増が見込まれ、特に新設が相次ぐ情報科学系は人気を集めそうだ。また、医・歯や医療系も志願者増が見込まれるが、薬は中堅校で人気低下が予想される。
なお、24年から国の修学支援新制度(学費減免、給付型奨学金)が拡充され、年収600万円までの、多子世帯(3人以上)と私立理工農系の学生のいる世帯が新たに対象となる(従来は年収380万円未満)。大学進学、特に国公立大と学費の差が大きい私立大理工系への出願を後押しするものとして、限定的ながら志願動向に影響しそうだ。
以下、各地区の主な大学について、24年一般選抜の変動要因と志望・難易動向を見ていこう。文中、変更点は23年→24年で表記。学部・学科等の名称は、略称で「学部(学科)」と記載。国公立大は前期日程=[前]、後期日程=[後]、公立大中期日程=[中]、昼・夜間主コース=[昼][夜]、共通テスト=共テ、個別学力検査等(2次試験)=2次、学校推薦型選抜=推薦型、総合型選抜=総合型、共テを課さない(課す)=共テ免除(課す)、実質倍率(受験者数÷合格者数)=倍率、と略記。教科・科目数は「5または6教科7または8科目(科目選択による)=5(6)教科7(8)科目」のように略記。私立大も入試方式・日程等を略記した。
弘前大・岩手大・東北大・宮城大・東北学院大が志願者増、北海道教育大・宮城教育大・秋田大・山形大が志願者減か。
●旭川医科大
前年の反動(志願者増減や倍率の変動による。以下同じ)から、医(医・看護)[前][後]とも志願者大幅減が見込まれる。医(看護)[前]は、旭川市立大-保健福祉[前]の新規実施の影響も受けそうだ。
●北見工業大
前年の反動から、工[前][後]ともに志願者大幅増が見込まれる。室蘭工業大-理工[昼][前][後]・同[夜][前][後]からの志望変更が予想される。
●北海道大
前期の総合入試(文系・理系の大括りで募集。理・薬・工・農は同入試のみで実施)は、工(情報エレクトロニクス)の定員増(180人→230人)により、総合理系[前]が募集人員増(984人→1,034人)、やや志願者増が見込まれる。前期の学部別入試や後期では、前年の反動から、文[前]・経済[前][後]・獣医[後]・水産[前]で志願者増、文[後]・教育[後]・法[前][後]・理[後]・医(保健)[前]・工[後]・農[後]・獣医[前]で志願者減が見込まれる。
●北海道教育大
前年の大幅増の反動から、教員養成課程(札幌校・旭川校・釧路校)では札幌校[後]・旭川校[前][後]・釧路校[後]で、それ以外の学科では函館校[前][後]で、志願者大幅減が見込まれる。旭川校[前]は、2次の加点対象である「学びの履歴と志望理由書」が敬遠材料となりそう。一方、釧路校[前]は前年の反動から増加が見込まれるが、やはり「学びの履歴と志望理由書」が加点対象であるため、小幅に留まりそうだ。
●弘前大
23年は全学で志願者15%減。その反動から、人文社会科学[前]・教育[前][後]・医(保健)[前]・理工[前][後]で志願者増が見込まれる。岩手大‐人文社会科学[前]・教育[後]、秋田大‐理工[前][後]から志望変更がありそうだ。また、農学生命科学[後]は、2次の科目変更(小論文→理科)と共テ・2次の配点比率変更(1,200点:100点→900点:500点)で2次逆転の可 能性が高まることから、やはり志願者増が見込まれる。一方、やはり前年の反動から、人文社会科学[後]・医(医)[前]・農学生命科学[前]で志願者減が見込まれる。
●岩手大
23年は全学で志願者18%減。その反動から、理工[前][後]・農[前][後]で志願者増が見込まれる。一方、やはり前年の反動から、人文社会科学[前]・教育[後]で志願者減が見込まれる。
●東北大
23年は全体で志願者8%減。その反動に加え、「国際卓越研究大学」に選定されたため、成績上位層のチャレンジ志向から、理工系を中心に、関東・甲信越からの難関大志望者の流入が予想される。文[前]・法[前]・経済(文系)[後]・経済(理系)[ 前][後]・理[後]・医(保健)[前]・工[前]で志願者増が見込まれ、特に工[前]は定員増による募集人員増(567人→595人)もあって、大幅増は必至だ。また、医(医)[前]も2段階選抜の予告倍率緩和(募集人員の約3倍→約3.5倍。以下、募集人員を略)が人気材料となり、志願者増が見込まれる。一方、やはり前年の反動から、教育[前]・歯[前]・薬[前]・農[前]で志願者減が見込まれる。
●秋田大
前年の反動から国際資源[前][後]・教育文化[前][後]・医(保健)[前]で志願者増、医(医)[前][後]・理工[前][後]で志願者減の見込み。復活2年目の医(保健=看護学)[後]も23年の低倍率が増加要因となりそうだ。
●山形大
前年の反動から、人文社会科学[前]・地域教育文化[前][後]・理[前][後]・医(医)[後]・医(看護)[前]・農[前][後]で志願者減、人文社会科学[後]・医(看護)[後]・工[昼・フレックス][前][後]で志願者増が見込まれる。また、医(医)[前]は2次負担減(国語を除外)が人気材料となり、志願者増の見込み。秋田大‐医(医)[前]、福島大‐共生システム理工[前]などから志望者が流入、一方で秋田大‐教育文化[前][後]、福島大‐人間発達文化[前]、秋田県立大‐生物資源科学[前]などへ流出しそうだ。
●福島大
前年の反動から、行政政策[前][後]・共生システム理工[前][後]で志願者減、人間発達文化[前][後]・経営経済[前][後]・食農[前][後]は志願者増が見込まれる。
●旭川市立大
4月から「私立→公立」に移行し、一般選抜は経済が前期・後期、保健福祉が前期・中期で新規実施。募集人員は「経済[前]30人・[後]10人、保健福祉[前]40人・[中]10人」で、経済[前]は2次を課さない。釧路公立大‐経済[前]、旭川医科大‐医(看護)[前]などへの影響が予想される。ただし、保健福祉[前][中]は2段階選抜の予告が歯止めになり、超高倍率の恐れはなさそう。
●釧路公立大
経済[前][中]とも「学科別募集→学部一括募集」に移行(2年次進級時に所属を決定)。前年の反動に加え、旭川市立大‐経済[前]の影響もあり、経済[前]で志願者減、同[中]で増加が見込まれる。
●公立千歳科学技術大
前年の反動に加え、前期の学外試験場の変更(盛岡・名古屋を廃止、仙台・大阪に新設)もあり、理工[前][中]とも志願者増が見込まれる。
●岩手県立大
前年の反動から、看護[後]・総合政策[前][後]で志願者増、社会福祉[前][後]・ソフトウェア情報[前]で志願者減が見込まれる。社会福祉[前][後]は「学科別募集→学部一括募集」の移行、前期の募集人員減(45人→40人)も敬遠材料となりそうだ。
●宮城大
前年の反動から、事業構想[前][後]・食産業[前][後]で志願者増、看護[前]で志願者減が見込まれる。
●秋田県立大
前年の反動から、システム科学技術[前]・生物資源科学[前]で志願者増、生物資源科学[後]で志願者減が見込まれる。
●会津大
コンピュータ理工前で方式別の募集人員を、A(共テ1教科)で138人→96人に削減、B(共テ5教科)で36人→48人に増加。全体では174人→144人に削減され、推薦型の募集枠を拡大。私立理系型の志望者層への影響が予想され、高人気の分野ながら志願者減が見込まれる。
この他、前年の反動などから、小樽商科大‐商[昼][後]、公立はこだて未来大‐システム情報科学[前][後]、札幌医科大‐保健医療[前]、国際教養大‐国際教養B・C日程で志願者増が見込まれる。
一方、やはり前年の反動などから、帯広畜産大‐畜産[前][後]、札幌医科大‐医[前]、宮城教育大‐教育[前][後]、福島県立医科大‐医[前]・看護[後]・保健科学[前]で志願者減が見込まれる。
北海学園大は前年の倍率ダウンの反動、東北学院大は23年の学部増設(地域総合・情報・人間科学・国際)や全学部・学年の仙台市中心部への集約の認知度アップに加え、「東日本地域別スカラシップ選抜」(北海道~北関東の11道県が対象)の導入が要因となり、いずれも志願者増が予想される。この他、地区の志望動向に影響を与えそうな変更は、北海道医療大の一般選抜・共テ利用で全6学部に特待奨学生制度を拡大、医療系の仙台青葉学院大が新設、東北工業大の共テ利用2期を3→2科目に軽減、東北福祉大の一般入試の募集を3→2日程に削減する。
東京工業大が難化か。宇都宮大・千葉大の情報系増設が影響大。私立大は青山学院大・東京理科大が志願者増、中央大が減少か。
●茨城大
23年は大学全体で志願者19%減。その反動で、人文社会科学・教育・理・工・農の前・後期とも志願者増が見込まれる。工でフレックス(夜間主)コースを募集停止。一方、地域未来共創学環を開設するが、文理融合型で募集枠も小規模([前]24人・[後]7人)のため、初年度は様子見で志願者は少数に留まりそうだ。
●筑波大
総合選抜(大括り募集。2年次から志望する学群・学類に所属)は、前年の反動から、文系[前]・理系Ⅰ[前]で志願者増、理系Ⅱ・Ⅲ[前]で志願者減が見込まれる。また、学類・専門学群選抜は、人文学類(以下、学類を略)[後]・国際総合[前]・障害科学[前]・化学[前]・社会工[前][後]・知識情報図書館[後]・医[前]・芸術専門学群[後]で志願者増、社会[前]・教育[後]・心理[後]・障害科学[後]・生物[前]・生物資源[前][後]・地球[前]・数学[前]・化学[後]・応用理工[後]・情報科学[前]・看護[前]・医療科学[前]で志願者減が見込まれる。国際総合[前]は共テの負担減(地歴・公民を2→1科目に)も志願者増の要因となりそうだ。
●宇都宮大
データサイエンス経営学部を開設。一般選抜は[前]40人・[後]8人。人気分野だけに文理双方から志願者を集めそう。一方、工で募集人員を[前]235人→217人、[後]40人→20人に削減(総合型を新規実施)するが、前期で募集単位を学部一括から2系(化学系、機械・情報電子系)に分割、化学系は配点比率を「共テ重視→2次の理科重視」に変更。募集対象が明確になるため、後期は志願者大幅減も、前期は前年並みを保ちそう。この他、前年の反動から、国際[前]・共同教育[前]で志願者増、地域デザイン科学[前]・農[前][後]で志願者減が見込まれる。農[前]は募集人員減(138人→126人)も要因となり、茨城大-農[前][後]、福島大-食農[前][後]へ流出しそうだ。
●群馬大
前年の反動から理工[前]で志願者増、医(保健)[前][後]・理工[後]で志願者減が見込まれる。また、情報[前][後]は宇都宮大・千葉大の情報系学部新設の影響から、やはり志願者減が見込まれる。
●埼玉大
教育で後期を新規実施し、前期で募集人員減(291人→274人)。後期は学内と千葉大-教育[前]からの併願者を集め、前期はやや減少か。この他、前年の反動から経済[昼][前][後]で志願者増、理[前]・工[前][後]で志願者減が見込まれる。
●千葉大
情報・データサイエンス学部を開設。一般選抜は前期のみ90人だが、地区を越えて多くの志願者を集めそう。一方、工は新学部へのコース移行もあり、[前]456人→407人、[後]124人→104人に募集人員減。前・後期とも志願者減が見込まれる。また、園芸で募集人員を[前]121人→133人に増加、[後]41人→29人に削減。前期は前年の反動もあり志願者増が見込まれ、後期は緑地環境・食料資源経済の2学科の2次で「小論文→理科2科目」に変更するため、対策が立てやすくなり、志願者はほぼ前年並みか。この他、前年の反動から、文[前]・法政経[後]で志願者増、国際教養[前]・文[後]・理[後]で志願者減が見込まれる。
●お茶の水女子大
共創工学部を開設。募集人員は[前]33人(総合型等を含む)・[後]5人。一方、生活科学で人間・環境科学科を募集停止する。共創工は2段階選抜の実施(予告倍率= [前]約6倍、[後]約10倍)もあり、初年度は様子見で志願者は伸び悩みそう。この他、前年の反動もあり、文教育[前][後]で志願者増、理[後]・生活科学[前][後]で志願者減の見込み。
●電気通信大
情報理工学域(Ⅰ類=情報系)で定員増のため、情報理工学域[昼]で募集人員を[前]349人→354人、[後]250人→270人に増加。前年の反動もあり、いずれも志願者増が見込まれる。
●東京大
チャレンジ志向から安定した人気が続きそう。特に、文科三類[前]・理科一類[前]は前年の反動から、やや志願者増が見込まれる。
●東京医科歯科大
東京工業大との統合予定で注目度は高まったが、前年の反動で医(医)[後]・医(保健衛生)[前]・歯(歯)[後]は志願者減の見込み。歯(歯)[後]は募集人員減(15人→10人)も要因となりそうだ。
●東京外国語大
23年の共テ負担増(数学1→2科目)の影響が続き、国際情勢による逆風を受ける分野ということもあり、言語文化[前]・国際社会[前]・国際日本[前]のいずれも志願者減が見込まれる。
●東京海洋大
海洋工[前][後]で出願要件の英語外部資格・検定の成績を廃止。人気材料となりそう。前年の反動もあり、海洋生命科学[後]・海洋工[後]・海洋資源環境[前][後]で志願者増の見込み。
●東京工業大
東京医科歯科大と統合し、2024年度中に「東京科学大学」に名称変更予定。推薦型・総合型における大規模な「女子枠」新設も相まって注目度が高まり、全体に人気アップ。特に、情報理工学院[前]は定員増に伴う募集人員増(86人→112人)のため、大幅増は必至。ただし、同じく女子枠を設ける他の3学院は、一般選抜の募集人員減(物質理工[前]160人→138人、生命理工[前]135人→105人、環境・社会理工[前]92人→80人)のため、難化の見込み。あわせて、一般選抜では複数学院間の志望制度を「第3志望まで可→第2志望まで可」に縮小するため、情報理工学院以外の志願者増は小幅に留まりそうだ。
●東京農工大
前年の反動から、農[前]・工[前]で志願者減の見込み。千葉大‐園芸[前]、電気通信大[前]などへの志望変更がありそうだ。
●一橋大
開設2年目のソーシャル・データサイエンス[前][後]は、文理双方から認知度・評価が高まり、23年に続き高倍率の激戦が予想される。一方、前年の反動から商[前]・経済[後]・法[前]で志願者増、経済[前]・社会[前]で志願者減が見込まれる。
●横浜国立大
2年連続の志願者大幅増(22年32%増→23年30%増)の反動から、経済[前][後]・経営[前][後]・理工[前][後]・都市科学[前]で志願者減の見込み。また、都市科学[後]は、都市社会共生学科で2段階選抜を新規実施(予告倍率:約10倍)、建築・都市基盤の2学科間の第2志望制度の廃止が敬遠材料となり、志願者減は必至。一方、経営[後]は2段階選抜の予告倍率緩和(約8倍→約10倍)のため、小幅な減少に留まりそうだ。
●新潟大
隔年現象(21年13%減→22年15%増→23年12%減)から、24年は志願者増の年に当たり、人文[後]・経済科学[後]・理[前]・歯[前][後]・工[前][後]・農[前][後]・創生[前]で志願者増が見込まれる。一方、やはり前年の反動から、理[後]・医(保健) [前][後]で志願者減が見込まれる。
●山梨大
工を「7→1学科(7コースと総合工学枠)」に統合。総合工学枠は、入学後に「総合工学クラス」に所属し、2年次以降は各専門コースに所属する。制度の変更に加え、推薦型の導入に伴う募集人員減([前]242人→213人、[後]43人→30人:総合工学枠のみ)もあり、工[前][後]とも志願者減は必至。また、医(医)[後]は2次負担増(英語を追加、「集団面接→グループディスカッション」に変更)が敬遠され、やはり志願者減が見込まれる。この他、前年の反動から、教育[後]・生命環境[前][後]で志願者増、医(看護)[前][後]で志願者減が見込まれる。
●信州大
医(医)[前]95人→85人、同(保健)[前]103人→95人に募集人員減(推薦型を増加)で、いずれも志願者減か。また、前年の反動から、人文[後]・工[前]で志願者増、経法[前]・理[前][後]・医(保健)[後]・工[後]・農[前][後]・繊維[前][後]で志願者減の見込み。繊維は募集人員減([前]132人→127人、[後]89人→79人:推薦型を増加)と前期の2次負担増(応用生物科学で理科1→2科目、他3学科で数学を追加)も敬遠材料になりそう。
●埼玉県立大
保健医療福祉で後期を募集停止、前期で募集人員増(197人→210人)。茨城県立医療大[後]、東京都立大‐健康福祉[後]の志願者増、千葉県立保健医療大[前]の志願者減に結びつきそう。
●東京都立大
前年の反動から、人文社会[前]・法[前][後]・理[前]・健康福祉[後]で志願者増、経済経営[後]・理[後]・都市環境[前][後]・システムデザイン[後]で志願者減の見込み。ただし24年度から授業料無償化の年収制限を緩和予定で、志願者大幅増の可能性も。
●横浜市立大
前年の反動から、国際教養[前]・理[前]・医(看護)[前]で志願者増の見込み。ただし国際教養[前]は募集人員減(160人→150人)でやや難化しそう。一方、データサイエンス[前][後]は、地区内の情報科学系の新設等の影響を受け、やや志願者減か。
●都留文科大
比較文化・国際教育の2学科を文から教養に移行。募集枠の増減(文=[前]68人→35人・[中]128人→80人、教養=[前]50人→83人・[中]114人→162人)に比例した志願者増減が見込まれる。
●国際医療福祉大
成田薬学部を開設。また、一般前期・共テ利用選抜を特待奨学生S・Aの対象に追加(S=授業料相当額全額支給、A=50%支給)する。
●獨協医科大
医の一般前期で地域枠(埼玉県、茨城県、新潟県。各2人)を新設し、1次試験で本学会場を廃止(東京会場のみで実施)。また、一般後期を新規実施し、共テ利用を5→6科目に負担増。看護も一般A日程で募集人員増(45人→70人)。
●獨協大
一般選抜の2・3科目学科別で、英語外部検定利用の「外検+(プラス)」併願時の受験料を無料に(従来は1万円)。また、法で「外検+」を導入し、「外部検定試験活用型」を廃止。
●青山学院大
理工の個別学部日程B方式で共テ併用を廃止し、外国語を「共テ→独自試験」に移行。また、社会情報の個別学部日程B~D方式で共テ併用を廃止し、独自試験の2教科入試(B・C=数学・英語、D=英語・総合問題)に変更する。
●大妻女子大
一般A方式Ⅰ期で英語外部検定を新規利用。文・人間関係(人間関係)・比較文化で一般A方式Ⅰ期の2/1・2両日実施を導入(併願可)。
●国際基督教大
入学前予約採用型の「ICU Cherry Blossom奨学金」を新設。首都圏(1都3県)以外の出身者対象で、採用候補者は20人。
●上智大
TEAP利用方式、学部学科試験・共テ併用方式で、出願締切日を「1/18→1/22」、試験日程を「2/3~7→2/6~11」に繰り下げる。また、文・総合人間科学の学部学科試験・共テ併用方式の試験日を、学科により2日間に分割。
●清泉女子大
一般A日程で2教科選択方式を追加、共テ併用のB日程を新規実施(共テ1科目+小論文。従来のB日程はC日程に移行)。併願受験料割引の範囲をA~C日程の間にも拡大。
●専修大
スカラシップ入試(奨学生入試)の実施を2→3回に増加(2/12を追加)し、全学部入試の実施も1→2回に増加(2/9を追加)。また、経営で前期にB方式(選択科目重視)を追加。
●大東文化大
共テ利用前期で英語外部検定を新規利用。また、独自入試2科目の「桐門の翼奨学金試験」を新規実施。奨学金対象(100人)の他、一般選抜免除合格(各学科入学定員の10~12%程度)もある。
●中央大
総合政策の共テ併用方式で個別の英語の基準点(平均点に該当)を廃止。また、経済の共テ単独方式で募集人員減(40人→20人)。
●東京女子大
現代教養(数理科学)に「情報数理科学専攻」を増設。また、現代教養の文系10専攻の共テ利用3教科型で、国語から漢文を除外。
●東京電機大
一般選抜で情報系外部試験利用を新規実施。指定の情報系有資格者が対象で、理科を免除。一般前期との併願時は受験料を減額する。
●東京薬科大
薬を3→1学科に統合し、男女別募集を廃止。一般B方式Ⅱ期をT方式に改称し、薬・生命科学の2学部共通試験に変更(併願可)。
●東洋大
生命科学と食環境科学を「群馬県板倉町(生体医工学科は埼玉県川越市)→埼玉県朝霞市(一部、東京都北区)」にキャンパス移転し、学科も増設(食環境科学-フードデータサイエンス)。
●日本大
生物資源科学のA個別方式1・2期で学科間の第2志望を廃止し、学外試験場を削減(1期=札幌・長野、2期=仙台・福岡)。また、生産工でN全学統一方式2期を新規実施する。
●日本赤十字看護大
共テ利用の「6看護大学連携併願選抜」を新規実施。日本赤十字学園が設置する6大学の共通試験で、1回の出願で複数を同時併願できる。
●神奈川大
法・経済・外国語(英語英文IES、スペイン語)・国際日本・人間科学で共テ利用後期を新規実施。また、外国語(英語英文GEC)で一般B方式(得意科目型)を新規実施する。
上記の他、千葉工業大-情報変革科学・未来変革科学(情報科学・社会システム科学を改組)、麗澤大-経営・工、実践女子大-国際、順天堂大-薬、日本女子大-建築デザイン、明治学院大-情報数理、北里大-健康科学を学部増設する。
亜細亜大-経済・経営(ホスピタリティ・マネジメント)の一般入試(学科別)で2教科型を廃止。共立女子大の一般2月日程で外部英語検定利用方式を導入。工学院大は全学部でB日程共テプラス型(共テ1科目と独自B日程2科目の併用)を新規実施。成蹊大-経済で独自・共テ併用のM方式を廃止。芝浦工業大-工で学部改組(9学科→5課程に統合)を実施。東海大-体育の一般選抜に筆記試験型(実技なし)を追加。東京経済大の共テ利用前期で英語外部検定を新規利用。日本医科大-医(医)で共テ併用方式を「後期→前期」へ日程変更し、英語外部検定を新規利用する。
定員増の金沢大や、福井大・岐阜大・愛知県立大が志願者増、静岡大・三重大・静岡県立大・名古屋市立大が志願者減か。
●富山大
経済・理で学部改組を実施。経済は3→1学科に統合し、夜間主コースを募集停止。理は5→1学科に統合し、定員増(193人→208人)により募集人員増([前]124人→134人、[後]45人→50人)。また、工も定員増(380人→395人)により募集人員増([前]277人→288人、[後]56人→58人)。こうした改組・定員変更や、金沢大の定員増、富山県立大-情報工の新設の影響に加え、前年の反動もあり、経済[後]・理[前][後]・医(看護)[前][後]・薬[後]で志願者増、人文[前]・教育[前][後]・経済[前]・薬(薬)[前]・工[前][後]・芸術文化[後]・都市デザイン[後]で志願者減が見込まれる。薬(薬)[前]は募集人員減(40人→35人)、工の関東(大宮)会場の廃止も影響しそうだ。この他、理[後]では共テを5科目に統一(物理・化学・生物の旧3学科志望者は4→5科目に負担増)するが、影響は限定的と見られる。
●金沢大
融合学域の観光デザイン学類(以下、学類を略)で20人→55人、スマート創成科学で20人→55人と大幅定員増。一般選抜の募集人員は観光デザイン[前]18人→40人、スマート創成科学[前]18人→42人と増加するため、志願者大幅増は必至。一方で、理工学域でも電子情報通信で定員増(76人→116人)したが、全体として総合型を拡大(女子枠特別入試、デジタル人材選抜を新規実施)。前期の募集人員を486人→454人に削減するが、影響は小さそう。融合学域の上記2学類以外の学類別募集では、前年の反動から先導[前]・法[前]・学校教育[前]・国際[前]・数物科学[前]・物質化学[前]・地球社会基盤[前]・生命理工[前]・薬[前]・医薬科学[前]・保健[前]で志願者増、人文[前]・経済[前]・医[前]で志願者減の見込み。また、文系・理系一括入試(学類別募集と別枠で実施。同入試による入学者は、2年次から各学類に配属)も、文系・理系とも前年の反動から志願者減が見込まれる。
●福井大
23年は全学で志願者39%減。その反動から、教育・医(医・看護)・工・国際地域の前・後期とも志願者増が見込まれる。岐阜大‐医(医)[前]から志望者が流入しそうだ。また、北陸新幹線の敦賀延伸(24年3月予定)により、関東地区からの流入が増えるものと見られる。
●岐阜大
23年は全学で志願者25%減。その反動から、教育[前]・地域科学[後]・医(看護)[後]・工[前][後]・応用生物科学[後]・社会システム経営学環[前]で志願者増が見込まれる。工[前][後]には、静岡大‐工[前][後]、名古屋工業大[前][後]から志望変更がありそう。一方、医(医)[前]は2段階選抜の予告倍率引き締め(9倍→3倍)が敬遠され、志願者大幅減は必至。また、医(看護)[前]も前年の反動から志願者減が見込まれる。医(医)[前]からは、福井大‐医(医)[前]、三重大‐医(医)[前]へ志望変更しそうだ。
●静岡大
23年は全学で志願者11%増。その反動から、教育[後]・情報[後]・理[前][後]・工[前][後]・農[前][後]で志願者減が見込まれる。工[後]は募集人員増(191人→199人)もあり、やや易化しそうだ。一方、やはり前年の反動から、人文社会科学[前][後]・情報[前]で志願者増の見込み。また、開設2年目のグローバル共創科学[前]も前年の低倍率(2.3倍)が人気材料となり、志願者増が見込まれる。
●名古屋大
前年の反動から、文[前]・教育[前]・経済[前]・理[前]・工[前]で志願者増、情報[前]・医(医)[前][後]・農[前]で志願者減が見込まれる。
●三重大
生物資源学部を「4学科(9コース)→1学科(4コース)」に統合・改組。4コース中「生物資源総合科学コース」は、1年次に志望分野を検討し、2年次以降は他の3コースに所属する。また、生物資源[後]で55人→48人に募集人員減。前年の反動もあり、前・後期とも志願者減が見込まれる。この他、やはり前年の反動から、人文[前]・教育[前]・工[後]で志願者減、人文[後]・医(医)[前]・工[前]で志願者増が見込まれる。さらに、医(看護)[前][後]は、2次で面接を新たに点数化(100点)するため、志願者減の要因となりそうだ。
●富山県立大
情報工学部を開設予定。工から知能ロボット工・情報システム工の2学科を移行、データサイエンス学科を増設し、一般選抜の募集人員は[前]106人・[後]13人。一方、工は募集人員減([前]245人→153人、[後]36人→22人)により志願者減も、難易はほぼ前年並みか。ただし、三条市立大‐工[前][中]の名古屋会場新設が、本学の名古屋会場に影響しそうだ。この他、前年の反動から、看護[前][後]で志願者減が見込まれる。
●公立小松大
全学の志願者が2年連続で大幅減(22年27%減→23年22%減)。その反動から、生産システム科学[前][中]・保健医療[中]・国際文化交流[中]で志願者増の見込み。一方、保健医療[前]・国際文化交流[前]では志願者減が見込まれる。
●福井県立大
全学の志願者増減(22年22%増→23年22%減)の揺れ戻しから、経済[前][後]・生物資源[前][後]・海洋生物資源[前][後]・看護福祉[前]で志願者増が見込まれる。
●静岡県立大
全学の志願者増減(20年17%減→21年13%増→22年13%減→23年16%増)の揺れ戻しから、薬[中]・食品栄養科学[前]で志願者減、経営情報[後]・看護[前]で志願者増の見込み。薬[中]から岐阜薬科大‐薬[中]へ志望変更がありそうだ。
●愛知県立大
前年の反動から、日本文化[前]・教育福祉[前]・看護[後]・情報科学[前][後]で志願者増、外国語[後]・看護[前]で志願者減が見込まれる。
●名古屋市立大
データサイエンス[前]は開設2年目の反動と、富山県立大‐情報工(名古屋会場を設置)をはじめ「情報科学系新設ラッシュ」の影響から志願者減の見込み。この他、前年の反動から、医[前]・薬[中]・経済[前]・人文社会[前]で志願者減、経済[後]・芸術工[前]・看護[前]で志願者増が見込まれる。医[前]では、2段階選抜の得点基準を「共テ550点満点中、概ね71%以上→73%以上」に引き上げることも敬遠材料となり、志願者大幅減は必至だ。
23年に合格者を絞り込み、倍率アップした愛知大・名城大はやや志願者減、一方で倍率ダウンした中京大・南山大はやや志願者増が見込まれる。ただし、名城大は 6 学部(法・経営・経済・人間・都市情報・農)で一般K方式を新規実施(A方式の受験が必要)するため、志願者減は小幅に留まりそう。この他、志望動向に影響を与えそうな、主な変動要因は次の通り。
金沢学院大で情報工学部を増設。愛知医療学院大が新設。愛知工業大で前期Aw方式(最高得点重視型)を新規実施。前期A方式(受験必須。均等配点)の高得点科目を 2 倍にして判定する。愛知淑徳大で食健康科学部を増設、健康医療科学に理学療法学・臨床検査学の 2 専攻を増設。また、一般前・後期の国語の出題範囲から漢文を除外する。椙山女学園大は外国語学部を開設。また、一般入試Aで従来型(2 教科型)に加え、3 教科型を新規実施。大同大が建築学部を新設。23 年まで共テ利用方式のみ実施していた豊田工業大が、独自試験の「個別学力試験入試」を新規実施する。
大阪教育大と京都府立大で全学規模の学部改組を実施。私立大では同志社大・近畿大・関西学院大が志願者増か。
●滋賀大
経済[夜]で一般選抜(前・後期)を復活。募集人員は[前]17人・[後]3人で、地区内の貴重な夜間主コースとして志願者を集めそう。この他、前年の反動から、経済[昼][前]で志願者増、教育[前][後]・データサイエンス[前][後]で志願者減が見込まれる。経済[昼][前]には和歌山大‐経済[前]からの志望変更、教育[前]からは奈良教育大[前]への志望変更がありそうだ。
●京都大
前年の反動から、総合人間(理系)[前]・教育(文系)[前]で志願者増、総合人間(文系)[前]・教育(理系)[前]・法[後]・経済(文系・理系)[前]・理[前]・医(医) [前]・医(人間健康科学)[前]で志願者減が見込まれる。理[前]の場合、2段階選抜の基準を「共テ900点満点中概ね70%以上→予告倍率(3.0倍)」に変更されるのも、やや敬遠材料となりそうだ。
●大阪大
前年の反動から、人間科学[前]・外国語[前]・理[前]・医(医)[前]・医(保健)[前]・工[前]で志願者増、文[前]・基礎工[前]で志願者減が見込まれる。
●大阪教育大
教育学部で3課程(初等教育教員養成課程、学校教育教員養成課程、養護教諭養成課程。5専攻22コース)を2課程(学校教育教員養成課程、養護教諭養成課程。5専攻14コース)に統合。次世代教育専攻(教育探究コース、ICT教育コース)を新設する。前年の反動から、教育[後]・同[夜][前][後]で志願者減が見込まれる。
●神戸大
工で募集人員を[前]452人→423人に削減、[後]100人→129人に増加。前期の志願者減、後期の志願者増に結びつくものと見られる。この他、前年の反動から、文[前]・国際人間科学[後]・法[前]・理[前]・医(保健)[前]・農[前]・海洋政策科学[前]で志願者増、法[後]・経済[前]・海洋政策科学[後]で志願者減が見込まれる。ただし、医(保健=看護学)[前]は2次負担増(面接を追加)が敬遠材料となる可能性がある。
●兵庫教育大
前年の反動から学校教育[前][後]で志願者減の見込み。鳴門教育大[前][後]へ志望変更もありそう。
●奈良女子大
前年の反動から、文[後]・理[前][後]・生活環境[前]・工[前][後]で志願者増、文[前]・生活環境[後]で志願者減が見込まれる。ただし、共学志向の強さから、志願者増は小幅に留まりそうだ。
●和歌山大
前年の反動から教育[後]・経済[前][後]・システム工[後]・観光[前]、さらに開設2年目の社会インフォマティクス学環[前]で志願者減が見込まれる。一方、教育[前]は学校教育=文科系の2次で国語の出題範囲から漢文を除外するため、やや志願者増の要因となりそうだ。
●滋賀県立大
前年の反動から、環境科学[前][後]・工[前][後]で志願者増、人間文化[前][後]・人間看護[前][後]で志願者減が見込まれる。人間看護[前]は募集人員減(40人→30人:推薦型を増加)も要因となりそうだ。
●京都府立大
生命環境学部を改組、文から和食文化学科を移行し、農学食科学・生命理工情報・環境科学の3学部に分割する。一般選抜の募集人員は、農学食科学=[前]66人・[後]7人、生命理工情報=[前]39人・[後]3人、環境科学=[前]50人・[後]5人。3学部の志願者合計は、23年の生命環境と比べ、前期・後期ともに志願者増が見込まれる。また、文[前][後]は改組に伴い募集人員減([前]73人→58人、[後]19人→14人)も、前年の反動から志願者増が見込まれ、公共政策[後]もやはり前年の反動から志願者増が見込まれる。
●京都府立医科大
前年の反動から、医(看護)[前]で志願者増、医(医)[前]で志願者減が見込まれる。医(医)[前]は滋賀医科大‐医(医)[前]への志望変更が想定される。
●大阪公立大
前年の反動から、現代システム科学域[前][後]・工[前][中]・獣医[前]で志願者増、文[前][後]・法[前][後]・経済[前]・商[前][後]・理[前]・医(医・リハビリテーション)[前]・農[前][後]・看護[前][後]で志願者減の見込み。医(医)[前]は募集人員減(80人→75人)も要因となりそうだが、医(リハビリテーション)[後]は2段階選抜の予告倍率緩和(約17倍→約27倍)の影響はなさそう。なお、26年までに府内出身者は段階的に学費無償化の予定で、府内出身者の志願者増が見込まれる。加えて、地区内での人気が根強いため、共テの難易次第では大阪大・神戸大からの大幅な志望変更が想定される。
●神戸市看護大
23年に入学金の大幅減額による志願者大幅増の反動から、看護[前][後]ともに志願者減が見込まれる。後期は募集人員減(15人→10人:推薦 型を増加)も要因となりそうだ。
●兵庫県立大
前年の反動から、国際商経[後]・工[前]で志願者増、社会情報科学[前][中]・工[後]・環境人間[前]・看護[前][後]で志願者減が見込まれる。なお、26年までに県内出身者は段階的に学費無償化の予定で、県内出身者の志願者増が見込まれる。
●奈良県立医科大
医(医)[前]で、2次を「数学・理科・英語→小論文」に変更。対策が立てにくくなり、前年の反動もあり、志願者大幅減が見込まれる。また、前年の反動から、医(医)[後]で志願者増、医(看護)[前]で志願者減が見込まれる。
●和歌山県立医科大
前年の反動から、医[前]・保健看護[前]で志願者増、保健看護[後]で志願者減が見込まれる。
この他、前年の反動から、滋賀医科大‐医(医・看護)[前]、奈良教育大[前]、福知山公立大‐地域経営[前][後]・情報[前][後]、神戸市外国語大‐外国語[前]、奈良県立大‐地域創造[前][中]で志願者増、京都教育大[前]で志願者減が見込まれる。
大都市圏志向が強まり、関西の難関~中堅上位校の人気は高い。
「関関同立」では、同志社大は難関国公立大からの併願増で高嶺安定、立命館大は映像・情報理工の交通至便なキャンパスへの移転、関西学院大は文系10学部の学部個別日程の配点による複線化で志願者増が見込まれる。一方、「産近甲龍」では、23年に「志願者増・合格者減」で倍率アップの京都産業大・龍谷大・甲南大がやや志願者減、共テ利用で多科目型を一挙に導入する近畿大で志願者増の見込み。中堅校は選抜の主軸が推薦型・総合型にシフトし、一般選抜の志願者層が薄い状況は変わらないため、一部を除き、志願者大幅減が珍しくない状況が続きそうだ。
以下、志望動向に影響を与えそうな、各大学の主な変更点を紹介する。
●京都橘大
一般前期A・B日程で学外試験場を福井に新設。共テ利用前期で4科目型を新規実施。合格者は新設の給付型「共通テスト受験奨励奨学金」(年間40万円)の受給対象となる。
●同志社大
政策の全学部日程で、選択科目の配点を200点→150点に変更。社会(メディア)の共テ利用方式で共テを3→4科目に増加し、小論文を廃止。スポーツ健康科学の共テ利用(スポーツ競技力加点方式)で19人→15人に募集人員減。
●立命館大
映像を京都市、情報理工を滋賀県草津市から大阪府茨木市へキャンパス移転。映像の共テ方式(2月選考)に7科目型、スポーツ健康科学の共テ方式(2月・3月選考)に3教科型を追加。
●龍谷大
一般選抜で、先端理工と農の同日同時併願が可能に。文(英語英米文)で一般前・中期に英語重視方式(500点中、英語400点)を追加。また、一般前期に共テ併用リスニング方式(共テ=英語リスニング、独自=英語)、一般中期に共テ併用外国語方式(共テ=外国語、独自=英語)、共テ利用後期に外国語1教科方式を追加。さらに先端理工の一般後期を3→2教科に軽減する。
●追手門学院大
共テ利用前期で4教科型を追加。一般前期に地歴公民重視型を追加。また、国際の一般前・後期に、英語1教科の国際学部独自型を追加。
●関西大
外国語の全学日程2の2教科型で、英語外部検定の利用方法を変更。基準を満たした場合、「満点とみなし、個別の英語を免除」→「点数化し、個別の英語と比較し、高得点の方を利用」。全学日程2と共テ併用で滋賀・米子・沖縄に会場を増設。環境都市工の共テ併用で「4科目型(個別=数学、数学または理科、の2タイプ)」、共テ前期で4科目型を追加。
●関西医科大
看護の共テ利用で5教科型、リハビリテーション(理学療法)の共テ利用で4教科型を新規実施。リハビリテーション・看護の一般選抜で英語外部試験利用制度を導入(得点換算)。
●近畿大
法・経営・建築・薬・文芸・総合社会の共テ利用前期に5教科7科目型を追加。情報の共テ利用前期に5教科6科目型を追加。国際の共テ利用前期で2教科2科目型を廃止し、5教科5科目型を追加。また、共テ利用中期(3教科3科目型)で英語・国語を「必須→選択」に変更。工の共テ利用前期で4教科4科目型・4教科5科目型を廃止し、5教科5科目型を追加。また、共テ利用中期(4教科4科目型)で数学・理科を「必須→ 選択」に変更。産業理工の共テ利用前期に5教科5科目型を追加。建築・農の共テ併用A日程で、共テを3→2科目に軽減する。
●摂南大
共テ利用中期を3→2科目に軽減、同後期に2科目型を追加。一般前期(1/20・21)に2科目型を追加し、従来の前期2科目型(2/9)は「一般中期」に名称変更する。
●関西学院大
学部個別日程を「傾斜配点型(2/3・4)、均等配点型(2/6・7)」に複線化。文系10学部で均等配点型を新規実施し、共テ併用日程(英語)との同時併願減額制度(2出願目が3万5千円→1万円)を導入する。国際・教育で共テ併用日程(数学)を新規実施。また、法・経済・商・国際・総合政策・理・工・生命環境・建築で、英数日程と共テ併用日程(数学)の同時併願減額制度(同上)を導入する。
●神戸学院大
テ利用入試の受験料を減額(1出願目=1万円→5千円、2出願目=5千円→2千円:同一日程に限る)。薬の共テ利用前・後期で、共テの数学・理科を各2→1科目に軽減。また、前期共テプラス型で共テを「2~4科目」→2科目、中期共テプラス型で共テを3→2科目に軽減。
京都女子大が心理共生学部、大阪経済大が国際共創学部、大阪歯科大が看護学部、大阪電気通信大が建築・デザイン学部、神戸女学院大が心理・国際の2学部を新設予定。
大阪医科薬科大-薬の一般入試Bで募集枠を縮小(50人→40人)し、学外試験場を変更(広島・高松・福岡を廃止、岡山に増設)。甲南大はグローバル教養学環を新設し、一般後期で理工(物理)は面接を、マネジメント創造は面接から「英語での質疑応答」を除外。兵庫医科大で共テ利用面接併用型を廃止、看護・リハビリテーションで共テ利用後期を追加する。
下関市立大・周南公立大・高知工科大の情報系新設が影響大。島根大・広島大・徳島大が志願者増、山口大が志願者減か。
●鳥取大
前年の反動から、地域[前][後]・医(保健)[前][後]・工[前][後]・農[後]で志願者増が見込まれる。工[後]は募集人員減(123人→116人)のため、やや難化しそう。一方、医(医)[前]・医(生命科学)[前][後]・農[前]で志願者減が見込まれる。
●島根大
23年は全学で志願者16%減。その反動などから、教育[前][後]・人間科学[前][後]・医(看護)[前][後]・総合理工[前][後]・材料エネルギー[前][後]・生物資源科学[前][後]で志願者増が見込まれる。総合理工[前]は地球科学科の共テ負担減(理科2→1科目)も要因となりそう。募集人員減の教育[前](75人 →68人)、人間科学[前](45人→40人)はやや難化しそうだ。一方、やはり前年の反動から、法文[後]・医(医)[前]で志願者減が見込まれる。
●岡山大
工で定員増(610人→640人)、情報工学先進コース(学部・大学院の6年一貫。一般前期で40人募集)を増設するため、前期の志願者増が見込まれる。この他、前年の反動から、文[前]・法[昼][前]・医(医)[前]・歯[前]で志願者増、教育[前]・医(保健)[前]・薬(薬)[前]・農[前]で志願者減が見込まれる。ただし、医(保健)[前]は看護学専攻で募集単位を文系・理系に分割し、共テの理科を「文系=基礎2科目、理系=発展2科目」とする一方、いずれも2次から理科を除外。このため、学科全体の志願者減は小幅に留まりそうだ。
●広島大
薬(薬科学)で後期を新規実施。学部内併願に加え、岡山大-薬[前]からの併願が想定される。前年の反動から、総合科学[前][後]・文[前][後]・教育[後]・法[昼][前][後]・経済[夜][前]・理[後]・医(医)[前]・薬[前]・工[後]・情報科学[前][後]で志願者増、教育[前]・法[夜][前]・経済[昼][前]・工[前]・生物生産[前][後]で志願者減が見込まれる。
●山口大
23年は全学で志願者27%増。その反動から、人文[前][後]・教育[前]・経済[前][後]・医(医)[前]・医(保健)[前][後]・工[前][後]・農[前][後]で志願者減が見込まれる。一方、やはり前年の反動から、国際総合科学[後]・理[前][後]・医(医)[後]・共同獣医[前]で志願者増が見込まれる。
●徳島大
23年は全学で志願者27%減。その反動から、総合科学[前][後]・医(保健)[前][後]・理工[昼][前][後]・生物資源産業[前][後]で志願者増が見込まれる。一方、やはり前年の反動から、医(医・医科栄養)[前]・歯[前][後]・薬[後]・理工[夜][前]で志願者減が見込まれる。歯の場合、歯学科の前期で2段階選抜の予告倍率を「10倍→8倍」に引き締め、口腔保健学科の後期で2次の面接を新たに点数化するのも敬遠材料となりそうだ。
●香川大
前年の反動から、法[昼][前]・経済[昼][前][後]・医(医・臨床心理)[前]・創造工[前][後]・農[前]で志願者増が見込まれる。一方、教育[前]は2次に面接が追加されるため、志願者減の見込み。また、やはり前年の反動から、同[後]でも志願者減が見込まれる。教育[後]は2次の変更(小論文→面接)と、小学校教育コースの募集人員減(18人→13人:推薦型を拡大)も要因となりそうだ。
●愛媛大
教育で学校教育教員養成課程を「3コース(2サブコース、10専攻)→2コース(6サブコース)」に改組。また、教育[前]では特別支援サブコースを除き、共テを7(8)科目→6(7)科目に軽減。さらに、前期の初等中等教科コース(国語、社会、英語、算数・数学、理科、技術・情報)で、2次を「国語・数学・理科・英語から1」に統一。入試科目がわかりやすく整理されたため、前年の反動もあり、志願者増が見込まれる。工で定員増(500人→530人)、「デジタル情報人材育成特別プログラム」を新設(募集人員=[前]15人・[後]10人)。前年の反動もあり、法文[夜][前][後]・社会共創[前]・医(医)[前]・医(看護)[前]・工[前]・農[前]で志願者増、法文[昼][後]・教育[後]・理[後]・工[後]・農[後]で志願者減が見込まれる。
●高知大
前年の反動から、人文社会科学[後]・教育[前]・理工[前][後]・農林海洋科学[前][後]・地域協働[前]で志願者増、医(医)[前]で志願者減が見込まれる。理工[後]は、数学物理学科で2次の面接から口頭試問を除外することも要因となりそうだ。
●島根県立大
前年の反動から、国際関係[前][後]・看護栄養[前]・人間文化[前]で志願者増、地域政策[前][後]で志願者減が見込まれる。
●岡山県立大
前年の反動から、保健福祉[前][後]で志願者増、情報工[前][中]は地区内の同分野の新設ラッシュも影響、志願者減が見込まれる。
●県立広島大
前年の反動から、地域創生[前]・保健福祉[前][後]で志願者増、生物資源科学[前][後]で志願者減が見込まれる。
●山陽小野田市立山口東京理科大
工で医薬工学科を増設も、学部全体の募集人員は前・中期ともほぼ前年と同数(推薦型を増加)。そのため、前年の反動から前期で志願者大幅減、中期で大幅増が見込まれる。一方、薬[中]は募集人員減(64人→52人)のため志願者減か。なお、学外試験場の変更(前・中期で大阪・岡山に増設、中期で松江を廃止)も影響しそうだ。
●下関市立大
データサイエンス学部を開設予定。募集人員は[前]40人・[中]10人。人気分野だが、新設の周南公立大‐情報科学[前][中]と志願者が分散し、それほど高倍率にはならない見込み。一方、経済[前][中]は募集人員減([前]A方式65人→53人・B方式65人→53人、[中]180人→144人)のため、志願者減が見込まれる。
●周南公立大
2学部(経済、福祉情報)を3学部(経済経営、人間健康科学、情報科学)に改組。募集人員は「経済経営=[前]46人・[中]30人、人間健康科学=[前]75人・[中]15人・[後]10人、情報科学=[前]40人・[中]30人」。前・中期で岡山会場を増設する。一般選抜の募集人員が「117人→246人」に急増し、しかも増設学部・学科は人気分野だけに、山口県立大‐看護栄養など、県内外の国公立大に広く影響を及ぼしそうだ。
●高知工科大
データ&イノベーション学群を開設予定。募集人員は「[前]A方式25人・B方式5人、[後]5人」で、下関市立大・周南公立大の新設学部と競合、志願者が分散しそうだ。経済・マネジメント学群で、募集人員を「[前]A方式40人→45人・C方式15人→20人、[後]15人→10人」に変更するが、前年の反動から前・後期ともに志願者増の見込み。一方、やはり前年の反動から、理工[前][後]で志願者増、システム工[前][後]・情報[後]で志願者減が見込まれる。
●京都橘大
広島修道大で一般前期を5日間→3日間実施に短縮、全日程で1日1学科につきスタンダード方式(受験必須。全学科共通問題の3科目型)など3方式を実施し、3方式セット割引(7千円減額)を導入。大規模な入試改革のため、志願者増が見込まれる。この他、岡山理科大の一般最終日程(3月)の新規実施、広島工業大の一般A日程受験者のB・C日程併願受験料割引導入と共テ利用の受験料減額(2万円→ 1万5千円)が注目される。
熊本大で情報融合学環を開設。理工系の定員増も注目度大。佐賀大・長崎大・大分大が志願者増、宮崎大は志願者減か。
●九州大
前年の反動から、共創[前]・文[前][後]・法[前][後]・経済[前][後]・医(医)[前]・工[後]・農[前]で志願者増、理[前][後]・医(生命科学・保健)[前]・薬[前][後]・農[後]で志願者減が見込まれる。
●福岡教育大
前年の反動から、教育[前][後]ともに志望者減が見込まれる。募集人員の変更([前]386人→379人、[後]102人→107人)の影響は小さそう。
●佐賀大
前年の反動から、教育[前][後]・経済[前][後]・理工[前][後]・医(看護)[前][後]で志願者増、農[後]で志願者減が見込まれる。理工では、定員増に伴う募集人員増([前]269人→291人、[後]88人→96人)も増加要因となり、前期は長崎大‐工[前]から志望変更がありそうだ。全学の前・後期で、共テの英語外部検定利用について「共テの英語リーディング・リスニングの合計点が100点未満(50%未満)の場合は得点換算を行わない」制限を設けたが、影響は小さそう。
●長崎大
医(医)[前]で募集人員増(71人→76人:推薦型の研究医枠を縮小)。多文化社会[前]で2段階選抜を廃止。また、情報データ科学[前][後]を、選抜方法A(文系受験)・B(理系受験)に複線化。前期はAが「共テ=7(8)科目、2次=数学(Ⅰ・Ⅱ・A・B)・英語・ペーパーインタビュー」、Bが「共テ=7科目、2次=数学(Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ・A・B・C)・英語・ペーパーインタビュー」を課す。後期はAが「共テ=6(7)科目、2次=小論文・ペーパーインタビュー」、Bが「共テ=6科目、2次=小論文・ペーパーインタビュー」を課す。前年比で、2次は前期で理科を除外、後期が「数学→小論文」に変更する。こうした変動要因に加えて、前年の反動もあり、多文化社会[前]・教育[前]・医(医)[前]・歯[前]・情報データ科学[前][後]・環境科学[後]・水産[後]で志願者増、経済後・医(保健)[前]・工[前]で志願者減が見込まれる。
●熊本大
情報融合学環(定員60人:学部等連係課程実施基本組織)を開設(DS半導体・DS総合の2コースで構成)。一般選抜は前期のみ45人を募集する。地域への半導体メーカー等の進出を背景にしての設置だけに注目度は高く、高倍率の激戦になりそうだ。また、工に「半導体デバイス工学課程」を増設するが、学部全体の募集人員は「[前]335人→314人、[後]47人→45人」に減少。工[前]は募集人員減の影響が大きく、志願者減が見込まれ、九州工業大‐工[前]への志望変更もありそう。この他、前年の反動から、文[前][後]・法[前]・医(医)[前]・薬[前]・工[後]で志願者増、教育[前]・法[後]・理[前][後]で志願者減が見込まれる。薬[前]は2次の理科(2科目)で化学が「選択→必須」になることも増加の、理[前]は募集人員減(150人→140人)も減少の要因となりそうだ。
●大分大
経済を「4→1学科(6コースで構成)」に統合・改組。また、理工で定員増(355人→395人)、「DX人材育成プログラム」を新設予定。前年の反動もあり、経済[前]・理工[前][後]は志願者増が見込まれる。この他、やはり前年の反動などから、教育[前][後]・医(看護)[前]・福祉健康科学[後]で志願者増、医(医)[前]・医(看護)[後]・医(先進医療科学)[後]で志願者減が見込まれる。ただし、医(看護・先進医療科学)[後]は2段階選抜の予告倍率を「約7倍→約10倍」に緩和するため、小幅な減少に留まりそう。
●宮崎大
教育で定員増(120人→140人)。農は定員減(285人→265人)となり、募集人員を削減([前]161人→149人、[後]75人→69人)。畜産草地科学科で共テから地歴・公民を除外するものの、前・後期とも志願者減が見込まれる。この他、前年の反動から、教育後・医(医)[前][後]・地域資源創成[前][後]で志願者減、医(看護)[後]・工[前]で志願者増が見込まれる。医(医)[前]からは、長崎大・熊本大の医(医)[前]に流出しそうだ。
●鹿児島大
農の一部コースを移行して、共同獣医に4年制の「畜産学科」を増設。一般選抜は[前]14人・[後]5人を募集する。一方、農を「3→1学科(この他、23・24年とも特別コースも設置)」に統合・改組し、定員減(205人→175人)。2年次進級時に4プログラムに分属する。こうした制度変更に加え、農[前]は募集人員減(154人→118人)のため、志願者減が見込まれる。ただし、農[前]では2次を3→2科目に軽減(数学・理科・英語必須→数学・理科・英語から2科目選択)するため、小幅な減少に留まりそうだ。こうした変動要因に加えて、前年の反動もあり、法文[前][後]・教育[前]・医(医)[後]・工[前]で志願者増、理[前][後]・医(医・保健)[前]・歯[前][後]・工[後]で志願者減が見込まれる。医(医)[後]は2段階選抜の予告倍率を「約8倍→約10倍」に緩和するのも増加要因となりそうだ。
●琉球大
前年の反動から、国際地域創造[昼・夜][前][後]・教育[前]・理[後]・医(保健)[前][後]・工[後]で志願者増、医(医)[前][後]・工[前]で志願者減が見込まれる。
●北九州市立大
前年の反動から、外国語[前][後]・経済[前]・文[前][後]・国際環境工[前]で志願者増、経済[後]・法[前][後]で志願者減が見込まれる。国際環境工[前]は、環境化学工学科が共テによりA(7科目)・B(4科目)の2方式に複線化することも、志願者増の要因となりそうだ。
●福岡県立大
前年の反動から、人間社会[前][後]・看護[後]で志願者減が見込まれる。
●長崎県立大
前年の反動から、経営[後]・地域創造[前][後]・情報システム[後]で志願者増、経営[前]・国際社会[前][後]で志願者減が見込まれる。国際社会[前]から長崎大‐多文化社会[前]への志望変更がありそうだ。
●熊本県立大
総合管理で専攻制を導入し、公共・ビジネス・情報の3専攻を設置(入試は学部一括募集。2年次進級時に所属決定)。前年の反動もあり、文・環境共生・総合管理の前・後期ともに、志願者増が見込まれる。
●宮崎公立大
人文[前]で学外試験場を大阪・大分に増設。前年の反動もあり、人文[前][後]で志願者増が見込まれる。
●名桜大
人間健康[前]は、開設2年目の健康情報学科も他学科と同じく、学外試験場(東京・大阪・福岡・那覇)を設置するため、やや志願者増の見込み。また、前年の反動から、人間健康[後]も志願者増が見込まれる。
国公立大との併願が多い大学のうち、福岡大は前年の「志願者減・合格者増」の反動から志願者増、西南学院大は志願者大幅増による倍率アップの反動からやや志願者減が見込まれる。福岡大は、理の一般前期の複線化(物理科学科に「物理重視型」、化学科に「化学重視型」を追加)、スポーツ科学の一般前期・共テ併用型、薬の共テ利用Ⅲ期の新規実施も要因となりそうだ。
また、九州産業大・福岡工業大や、英語重視方式で英語外部検定を新規利用する立命館アジア太平洋大も、やや志願者増が見込まれる。
この記事は「螢雪時代11月臨時増刊」より転載いたしました。
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