【大学受験】はじめの3ステップ

大学受験のスケジュールを頭に入れたら、学習計画を立てて受験勉強スタート!?
いえ、その前にやっておくべきことがあります。
ゴール、つまり、志望校を定め、合格するために必要な学力を知ること。
そして、スタート、つまり、いまの自分、現状の学力を把握すること。
最後まで息切れせず走り抜くためにも、まずはゴールとスタートを定め、合格までのルートを描きましょう。
大学受験まるわかり

ステップ1:ゴール(=志望校)を見定める

志望校は「外せない条件」で絞り込む

部活動でもなんでも、目指すゴールが明確でないと、何をすればよいか、どこに向かえばよいかわからず、具体的な計画が立てられませんし、モチベーションも上がりません。それは大学受験も同じ。効率よく勉強を進めるためにも、まずは目指すべきゴール、つまり、志望校を定めましょう。

数ある大学から志望校を選ぶ際には、「これは外せない!」という条件を決めておくと絞り込みやすいです。国公立大 or 私立大、学部(学びたい学問)、エリア(自宅から通えるかどうか)などが主なものですが、希望する条件は人それぞれ。自分にとって何が重要かを書き出してみましょう。「パスナビ」にも条件から検索できる機能があるので、いろいろと条件を変えて検索してみるのがおすすめです。なお、志望校の選び方については、5月掲載予定の記事で詳しく扱うので、そちらも参考にしてください。

入試方式、受験科目、配点などの入試情報をチェック

志望校が決まったら、入試方式、受験科目、配点、合格最低点などの入試情報を調べます。特に私立大学では同じ大学・学部でもさまざまな方式や日程がある場合がありますが、この時点ではそこまで細かく決める必要はありません。ただし、選抜(試験)の時期や対策方法が異なるため、一般選抜で受験するのか、学校推薦型選抜や総合型選抜で受験するのかだけは、早めに決めておくのがベターです。こうした入試情報も、「パスナビ」で調べられます。また、進路指導室などにある『螢雪時代臨時増刊』なども活用してみましょう。

入試情報をパスナビで検索してみよう!

入試問題で出題傾向・形式や難易度を知る

入試情報を押さえたら、次は実際にどのような入試問題が出題されているのかを確認します。高校の進路指導室や図書室に足を運び、大学ごとの「過去問集」に目を通してみましょう。過去問はパスナビからも見ることができます(過去問一覧はこちら)。

問題はできれば解いてみるのがよいですが、この時点では「こんな問題が出るんだ」と大まかにレベル、形式、問題数やボリュームを把握する程度で構いません。過去問集には出題の傾向や対策方針が書かれているので、そこも参考になります。合格するために必要な学力、つまり、ゴールに到達するために必要な力が見えてきます。

ステップ2:スタート(=いまの自分)を知る

模試の結果から現状の学力と課題を探る

受験勉強とは、「現状の学力」と「合格するために必要な学力」の差を埋めるための作業とも言えます。「合格するために必要な学力」が明確になったら、「現状の学力」がどれくらいなのか、分析していきましょう。

現状の学力を把握するには、2年次に受験した模試の結果が役立ちます。つい偏差値に目が行きがちですが、偏差値は相対的なもの(その模試の他の受験生との比較)なので、参考程度に留めます。大事なのは、各科目の得点や分野別の得点率。どの科目が苦手か、どの分野が弱いか、苦手や弱点の原因は何か、どれくらい伸びしろがありそうかを洗い出していきましょう。

余裕があれば、先に挙げた志望校の過去問もしくは共通テストの過去問を解いてみます。そして、自分の得点と合格最低点とを比較し、どのくらいギャップがあるのかを把握しましょう。ちなみに、合格最低点(合格ライン)は、国公立大の個別試験で6割、難関私立大で7割程度です(大学・学部により異なります)。現時点では大きな得点差があり、愕然とする人もいるかもしれませんが、ここから積み上げていけばよいのですから、焦る必要はありません。弱点の原因を分析し、見えてきた課題をひとつずつ攻略していきましょう。

ステップ3:ゴールとスタートの差を埋める計画を立てる

ゴールから逆算して目標を立て、「週単位」の具体的な学習計画を立てる

目指すべきゴールが定まり、自分がいまどこに立っているか、現在地が掴めたら、 ゴールから逆算して計画に落とし込んでいきます。例えば、国公立大学一般選抜(前期日程)を受験する場合は、試験がある2月下旬をゴールとし、そこまでに学力を完成させることが目標になります。そこから逆算し、いつまでにどのくらいの力がついていればいいのか、いつどのような学習に取り組むかを書き出してみましょう。

まずは、科目別に時期ごとの目標を立て、その達成のための具体的な計画をしていきます。最終的にはそれを週単位に小分けしていきましょう。ここでのポイントは「週単位」であることです。1日単位の細かな計画だと、急な予定変更に対応できず、すぐにうまくいかなくなってしまいます。また、毎週日曜日は、予備日として空けておくのがおすすめ。その週に予定通りに終わらなかったものを消化する日に充てると、計画が大きくズレることを防げます。


志望校を見定め、いまの自分、現状の学力を把握し、その差を埋めるための学習計画が立てられたら、いよいよ受験勉強スタート。具体的な学習法や日々のスケジューリングについては、月刊『螢雪時代』の学習アドバイス記事などを参考にしてみてください。忘れてはいけないのが、入試では満点を取る必要はないということ。志望校の合格最低点をクリアすればいいのですから、自分の学力をいかにそこに近づけるかが肝です。そのためにも、まずは「合格するために必要な学力」と「現状の学力と課題」を確認するところからはじめることが大事なのです。