本番まで60日。リスニング対策も正念場を迎えるが、1科目だけに多くの時間をかけられないのが実情だ。そこで今回、対策学習の“効率性”に注目!
少ない時間でもコスパよく最大限の効果を得られる効率的な「英語リスニング」対策の秘訣を伝授する。
じょうせん かずひろ◎1991年生まれ。神奈川県出身。東京外国語大学英語専攻卒業、同大学院英語教育学専修コースを早期修了。私学英語教員を経て、学習塾プラスティー英語科講師として小学生から大学受験生まで幅広く英語指導を担当する。
「英語リスニング」の対策効率を最大限に上げるために最も大切なのは、必要なリスニングの能力を理解したうえで、自分に足りない能力=“弱点”に狙いを定めて対策することだ。
リスニングの能力は大きく「聞き取る力」と「理解する力」に分かれ、試験ではこれに「解答する力」が加わる。「聞き取る力」は、相手が何と言ったのかわかることだ。「理解する力」は、相手が言った文の意味を理解したり、主張をとらえたり、情報を整理したりする「正確さ」と、相手の発話のスピードで内容をとらえる「速さ」の、2つの側面で考える必要がある。「解答する力」は、聞き取った情報をもとに選択肢の正誤を判断したり、空欄を埋めたりする力になる。
問題を解いたら、間違えた問題をただ解き直すのではなく、まずはどの部分でつまずいたのか検証し、自分の弱点を分析しよう。そして、そのポイントに見合った対策を講じていこう。
正しい発音の仕方を知らないと、読み上げられた英文を聞いても「何て言ったの?」とわからなくなることが多くある。アプリで再生速度を調整し、まずは遅めのスピードで音声を聞いて個々の単語の読み方や音声変化の特徴をとらえ、自分でも実際に声に出してみよう。
対策:アプリでスロー再生し、発音を完コピする
単語の意味を思い出したり、話の内容を頭の中で整理したりしているうちに話がどんどん進んでいってしまって理解が追いつかないという悩みも多い。混乱しやすい多義語の知識を強化したり、情報を素早く整理するコツを身につけるなど、原因に応じた対策を実行したい。
対策:多義語や情報整理など、原因に応じた対策をする
次の問題に備えるためにも、選択肢をスムーズに選ぶ力は重要だ。論点をとらえて一発で答えられればベストだが、迷ったときに消去法も使えるようにしよう。スクリプトと選択肢を見比べながら、不正解の選択肢がなぜダメなのかを分析し、引っかけのパターンに慣れよう。
対策:不正解の選択肢がダメな理由を言語化する
特に多人数による長い会話では、途中から話の展開を追い切れなくなることがある。会話の参加者を男性と女性に分け、相手の発言に対するリアクションの第一声や、その後に続く具体的な発言内容をもとに、話している人がテーマに対して賛成か反対かをとらえよう。
対策:具体的な論拠から話し手の立場をとらえる
1つの音声を聞いて複数の設問に答える第5問などの問題は、全体像をとらえながらワークシートを埋めたり図表と照らし合わせたりする必要があり、苦手とする受験生が多い。事前に問題冊子から的確に情報を読み取り、聞いている間も手早くメモをとれるように練習しよう。
対策:資料の読み取りやメモのコツを身につける
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