総合型選抜とは

基礎知識

2024.04.30

早めの合格を得られるルートとして存在感を増す入試方式

かつて「AO入試」の名称で実施されていたが、入試改革に伴い2021年に「総合型選抜」と改称。学力試験を必要としない形式も多く、また一般選抜と比べて早期に合格を確保できるという魅力で年々志願者数を増やしてきた。現在では、私立大において一般選抜を経ての入学者数は半数を割っており、多くの受験生が「総合型選抜」を視野に入れている。

ポイント

  • 総合型は長期選考が多い
  • 併願の可否は要確認

総合型選抜の特徴

総合型選抜は、かつてのAO入試(アドミッシ ョン・オフィス入試)と同じく、大学・学部が求める学生像(アドミッション・ポリシー)と受験生の能力・適性・意欲・目的意識が合致しているかどうかを、学力試験のみによらず、時間をかけ丁寧に選考する。ただ、近年では入学者の基礎学力について問題を指摘されるケースもあり、調査書や共通テストを活用する方式が多くなってきている。

総合型選抜の出願は原則として9月1日以降。選抜のスケジュールは大学によってさまざまだが、1次選考と2次選考に分かれて行われるのが基本で、学校推薦型選抜と比べて選考期間が長くなることが多い。私立大の一部では本出願の前にセミナー等への参加や面談が必要というケースもある。

総合型選抜の
出願要件と選考方法

大学の「アドミッション・ポリシー」を
把握していることが大前提

総合型選抜を受験するにあたっては、大学が公表している「アドミッション・ポリシー」を把握していることが大前提となる。アドミッション・ポリシーは大学全体で掲げている場合と、学部・学科個別に存在している場合がある。

学業成績の要件

出願要件として学業成績が数値設定されているところはまだ少数派だが、今後は増加が見込まれる。

選考方法

  • 書類審査+面接
  • 書類審査+小論文+面接
  • 書類審査+学力試験+面接
  • 体験授業(セミナー)+書類審査+面接
  • エントリーシート+面談+書類審査+面接

総合型選抜の選考方法は、上記のようなパターン・組み合わせがある。国公立大では学校推薦型選抜と同様に共通テストを課すタイプが増加傾向。また、エントリーシートや活動報告書などの提出書類が総じて多い。

総合型選抜の
スケジュール例

3年1学期の中間・期末テストが勝負

現役生は、自分の志望大学・学部の成績基準がどうなっているかを進路指導室に置いてある資料などで調べ、あわせて現時点(2年まで)における自分の学習成績の状況を先生に確認しておこう。その数値が志望校の基準値に届かなければ、3年1学期(前期)の中間・期末テストでがんばってクリアすること。特に期末テストは「学習成績の状況」数値アップの最後のチャンスだ。

出典:『2024年度入試対策用螢雪時代4月臨時増刊より』