【解説】英語外部検定試験

国公立大・私立大や選抜方式を問わず、近年増えているのが、入試における「英語外部検定試験(以下、外検)」の利用です。
民間の企業・団体が実施する英語の検定試験の成績(級・スコア)を入試において評価する方式で、いくつかのパターンがあります。
主な外検の概要や入試における評価のパターン、受験生にとってのメリットなどについて解説します。
大学受験まるわかり

外検を利用した入試とは?

多くの受験生が受ける大学個別の入試においては、英語4技能(読む=Reading・聞く=Listening・書く=Writing・話す=Speaking)を総合的に評価することが難しいことから、民間の企業・団体が実施する外検が利用されるようになりました。

近年は導入する大学が増えており、2023年入試では全大学の半数強が外検を利用した入試方式を設けています。2025年から始まる新課程入試に向け、国としても外検の活用を推進しており、今後はさらに増加する見込みです。

英語外部検定試験の種類

大学入試で利用できる外検には、英検®、TEAP、GTEC、TOEFL、TOEIC、IELTS、ケンブリッジ英検などがあります。多くの大学では複数の検定を採用しており、受験生が選べるようになっています。

もっとも利用者が多いのは英検®で、2023年の一般選抜では、外検を利用した受験生のうち90%が英検®を利用しています(旺文社 教育情報センター調べ)。

旺文社教育情報センター『受験生が選んだ外部検定はどれ?<2023 年 一般選抜>』より作成

それぞれの検定の概要は、以下のとおりです。なお、受験方式としてはペーパーテスト(PBT)とコンピュータテスト(CBT)があり、検定ごとに異なります。

なお、パスナビでは、外部英語検定試験のうち、英検®、TEAP(TEAP CBT)、IELTSが利用できる入試を掲載しています。データの見方についてはこちらのページを参照してください。

外検入試のパターン

外検を利用した入試には、主に、①出願資格、②得点換算、③加点、④判定優遇・合否参考の4つのパターンがあります。

①出願資格
検定の級やスコアの保有が、出願の資格・条件として義務付けられているケース。例えば、「英検2級以上保有のこと」など。入試当日は英語の試験が免除される(英語以外の科目で合否を判定する)ことも多い。

②得点換算
検定の級やスコアを、英語(外国語)の点数として利用するパターン。例えば、「英検2級=80点」「英検準1級=90点」など。外検を換算した得点と実際の英語試験の得点のうち、高い方を採用するケースが多い。

③加点
検定の級やスコアにより、入試の成績に得点が加算されるパターン。得点換算と同様、段階別の加点が多いため、取得している級やスコアのレベルによってはかなりの高得点も期待できる。

④判定優遇・合否参考
出願書類の評価や合否判定の際に、検定の級やスコアの保有者は優遇される(有利になる)というパターン。主に、総合型・推薦型選抜で利用される。

なお、検定の級やスコアの利用方法については特にルールはなく、大学が独自に決めることができます。詳細は大学により異なるため、志望校の入試要項をよく確認しておきましょう。

大学入試に求められる検定の級・スコアの目安

大学入試で求められる検定の級・スコアは、英検®で言うと「準2級〜準1級」が目安。英検準1級を保有していれば、入試においてはかなり有利になります。

一方、英検®では級の合否のほかに「CSE」というより細かいスコアを出しており、大学によってはこのCSEを求めてくるケースもあります。「級+スコア(CSE)」を意識するようにしましょう。

なお、CSEは全体のほか英語4技能ごとにもスコアが出るようになっており、大学によっては各技能の最低基準を設けているところもあるので、注意が必要です。

外検利用のメリット

受験生にとって外検を利用するメリットは、まず一つが受験チャンスを増やせること。外検には複数回チャレンジすることができ、そのうちもっとも高い級やスコアを大学に提出できます。

また、級やスコアの有効期限は2年間というケースが多いため、高校2年生のうちに外検で一定の級・スコアを取得しておき、3年生になってからは英語以外の受験科目の勉強に集中する…という戦略も可能です。

さらに、一つの資格(級・スコア)を複数の大学で使用できる、対策が比較的立てやすいというのも、受験生にとってはありがたい点です。

外検の受験スケジュール

外検の受験に際しては、「大学の出願期間」(入試当日ではない点に注意!)というタイムリミットがあるので注意が必要です。

外検の利用を検討している人は、志望校がある程度絞り込めたタイミングで、必要な級・スコアを確認しておきましょう。

他科目の受験勉強に注力するためには、早期に外検対策に取り組むのが鉄則。高校2年生〜3年生の夏頃までに目標の級・スコアを取得しておくのが理想です。

一方、ギリギリまで粘りたいという人には、実施回数の多い検定の受験がおすすめです。

例えば、英検S-CBTは毎週土日(原則)に試験が実施され、1日で試験が終わる(英検®の従来型は1次と2次が別日程)ため、12月初旬の受験でも一般選抜の出願に間に合います(私立大の出願期限は大学により異なるため要確認)。


外検を活用してチャンスを広げよう!

これまで見てきたように、外検には、複数回受験が可能、もっとも高い級やスコアを利用できる、一つの資格を複数の大学で使用できる、他教科と受験対策時期をずらすことができる、対策が比較的立てやすい…といったメリットがあります。

また、外検は、英語が得意な人はもちろん、そうでない人にとってもチャンスを広げる手段になります。パスナビ検索も活用しつつ、外検をうまく利用して、戦略的に志望校合格をねらっていきましょう。

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