
医学博士・本郷赤門前クリニック院長
吉田 たかよし 先生
東京大学工学部卒、NHKアナウンサーとして活躍後、医学部に再入学し、東京大学大学院医学博士課程修了。受験生専門の医療機関・本郷赤門前クリニック院長。著書『合格させたいなら脳に効くことをやりなさい』(青春出版社)など。


メンタルの状態は学習に大きな影響を及ぼします。なぜなら、脳の仕組みがそうなっているからです。脳内において、記憶力を司る海馬(かいば)、集中力や思考力を発揮するうえで重要な前頭前野(ぜんとうぜんや)は、いずれも感情を司る扁桃体(へんとうたい)と連動して働く性質があります。そのため、受験への不安や現状への不満、「自分にはどうせ無理」といったネガティブな感情があると、記憶力や思考力は低下してしまい、集中力も持続しなくなってしまうのです。
一方、「できた!」「努力すれば合格できそう!」といったポジティブな感情があると、脳のストレス耐性や疲労からのレジリエンス(回復力)が高まり、脳にとって負担である勉強を続けても、疲労を溜め込まずに頑張り続けられます。1年間続く受験勉強では、持続性が大事。コツコツと努力を続け、最後の試験本番で最大のパフォーマンスを発揮するためには、年間を通してメンタルをポジティブな状態に保つことが不可欠と言えます。
受験生がメンタルをポジティブに保つために最も重要なのが、「成績は継続的な努力により向上する」という成長マインドに切り替えること。「今はまだ難しいけれど、目標に向かってコツコツと努力を続ければ志望校に合格できる」という感覚が得られると、努力できる量が増えるだけでなく、実際に脳の機能が向上することがわかっています。
これを体感するために有効なのが、「自分は受験生である」と強く意識したうえで、小さな成功体験を積み重ねること。「できた!」という感覚は、脳にとってはご褒美で、これがさらなる意欲を生みます。そして、「目標を立てる→達成する」を繰り返す中で、「やればできる」という自己効力感が高まり、次第に成長マインドが板についてくるのです。
また、イメージトレーニングも有効です。将来就きたい職業や大学でやりたいことなど自分が実現したい未来をノートに書き出し、具体的・写実的に脳内で妄想してみましょう。ただぼんやりとイメージするだけでなく、言葉にして可視化することが重要です。これを就寝前の習慣にすることで、朝起きたときに前向きな気持ちがみなぎる感覚が得られるようになります。
4月はこの先1年間のメンタルの方向性を左右する重要な時期。ポジティブ習慣を身につけて、フレッシュスタートを切りましょう。

この続きを読むには
に登録(無料)が必要です
さらに旺文社のサービスで
この他にも便利な機能が!
詳しくはこちら





