

須貝:受験勉強で身についたのは、大学での高度な学びのための基礎体力です。受験勉強って、野球選手の素振りや筋トレ、走り込みと同じだと思うんです。大学では、新しい概念や難解な理論を理解したり、自分で考えたりすることが求められます。そのときに、読解力、計算力、語彙力といったものを自在に操れないと、ついていけません。当時、受験勉強が楽しかったとは言いませんが、試合に出るためにやるべきことをやるのは当然だろうという思いで、粛々とやっていましたね。
鶴崎:基礎体力と近いですが、受験勉強を通して、いわゆる「常識」のレベルが上がりました。知っていることが増えれば、そこから派生して興味・関心が広がったり、より深く調べたり学んだりもできますし、人とのコミュニケーションも「常識」を共有していればいるだけスムーズになります。それって、楽しいことだと思うんですよね。受験勉強をしていると「こんな知識は役立たないだろう」と思うこともあるかもしれませんが、高校までに習うことは知っておいて損はない、というか、知っておくべきだと思います。
須貝:何よりも、大学受験を通して得られる、頑張らないといけないときに最後までやり切る、目標に向かって努力するという経験は、めちゃくちゃ大事です。大学に入ってからも社会人になってからも、必ず活きます。よく、「どうしたら頑張れるか」と質問されるんですが、頑張ることに工夫はありません。やるしかない。この先どれだけAIが賢くなっても、根性をもって物事に打ち込むことは人間にしかできません。どうしたら頑張れるかを考える前に、まずは頑張ること。その先に、自分に合った頑張り方が見えてくるはずです。
鶴崎:僕自身は、高校1年生のときからある程度勉強をしていたので、いわゆる「受験勉強」をしたという感覚がなくて。ただ、やるしかないことはとにかくやるというマインドは、高校3年間の勉強を通して身についたと思います。考えすぎないことも大事ですね。

須貝:これからのAI時代を輝かしく生き抜けるのは、AIにはできない、意志と根性をもって頑張ることができる人だと僕は考えています。そして、受験の1年は、根性・努力のキャパシティを大きくできる絶好のチャンスです。周りも応援してくれて、勉強に集中できる条件が揃っている時期は、人生の中でそうありません。このチャンスを活かして、人としてでっかく成長するんだという気概をもって、思いっきり頑張ってほしいですね。
鶴崎:志望校に合格するためにはいろんな道がありますが、絶対に間違いないのが、一刻も早く始めることです。受験は、いわば相対評価で点を取るゲーム。勝つためには、最後まであきらめないこと、そして何より人より早くスタートすることが大事なんです。というわけで、さっそく今日から始めましょう!
須貝:「歴史や古典の知識って役に立つの?」って中高生に聞かれたら、なんて答えてる?
鶴崎:いや、役立つでしょ。古文が読めなければ、明治期に書かれた文章だってほぼ読めないし、歴史には人類の過去の失敗が詰まってるんだから、同じ轍を踏まないためには絶対に必要。自分は政治家にならなくても、選挙で選ぶ立場になるんだから、過去や歴史を学ぶのは当然だよね…って感じかな。
須貝:なるほどね。
鶴崎:須貝さんは?
須貝:鶴崎が言った「常識」と通じるんだけど、例えば、古典の『竹取物語』のストーリーを知っているかどうかで SF 作品の読み方が変わったり、歴史や科学の知識があることでフィクションや謎解き小説が倍楽しめたりする。つまり、人生の楽しみが増えて、豊かに過ごせるようになると思うんだよね。
鶴崎:まさに。教科云々じゃなく、いらない知識なんてないよね。

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