北海道・東北
北海道大・室蘭工業大・東北大・山形大・岩手県立大が志願者増、
北見工業大・弘前大・岩手大・秋田大が志願者減か。
文中、変更点は24年→25年で表記。学部・学科等の名称は、略称で「学部(学科)」と記載。国公立大は前期日程=【前】、後期日程=【後】、公立大中期日程=【中】、昼・夜間主コース=[昼][夜]、共通テスト=共テ、個別学力検査等(2次試験)=2次、学校推薦型選抜=推薦型、総合型選抜=総合型、共テを課さない(課す)=共テ免除(課す)、実質倍率(受験者数÷合格者数)=倍率、と略記。教科・科目数は「6または7教科8または9科目(科目選択による)=6(7)教科8(9)科目」のように略記。私立大も入試方式・日程等を略記した。
国公立大
● 旭川医科大
前年の反動(志願者増減や倍率の変動による。以下同じ)から、医(医・看護)【前】【後】とも志願者増が見込まれるが、2段階選抜の予告倍率引き締め(募集人員の5倍→4倍。以下、募集人員を略)が敬遠され、増加は小幅に留まりそうだ。
● 北海道大
前期の総合入試(文系・理系の大括りで募集。理・薬・工・農は同入試のみで実施)は、総合文系【前】が前年の反動から、やや志願者増が見込まれる。その他、前年の反動から、文【前】・教育【前】【後】・法【前】【後】・医(保健)【前】・歯【前】・薬【後】・農【後】で志願者増、文【後】・経済【前】・獣医【後】で志願者減の見込み。
なお、25年は共テの情報を点数化しないことも、志願動向に影響しそうだ。
● 北海道教育大
前年の大幅減の反動から、教員養成課程では札幌校【前】【後】・旭川校【前】【後】・釧路校【後】で、それ以外の学科では函館校【前】【後】で、志願者増が見込まれる。釧路校【後】は募集人員減(72人→63人)のため難化は必至。一方、岩見沢校【前】【後】は募集人員減(【前】94人→87人、【後】38人→31人)が敬遠材料となりそうだ。
● 室蘭工業大
前年の反動から、工[昼・夜]【前】【後】ともに志願者大幅増が見込まれる。北見工業大‐工【前】【後】、公立千歳科学技術大‐理工【前】などからの志望変更が予想される。
● 弘前大
志願者は全学で「23年15%減→24年7%増」と推移。その揺れ戻しから、人文社会科学【前】・教育【後】・医(保健)【前】・農学生命科学【後】で志願者減が見込まれる。医(保健)【前】は、募集人員減(122人→112人)も影響しそう。
一方、やはり前年の反動から、人文社会科学【後】・理工【前】【後】で志願者増の見込み。また、医(医)【前】は2次の科目変更(総合問題→数学・英語)で対策が立てやすくなることから志願者増が見込まれる。秋田大‐医(医)【前】から志望変更がありそうだ。
● 岩手大
理系で全学規模の改組を実施。農(共同獣医)を母体に「獣医学部」を開設し、農は6→4学科に改編、募集人員は「【前】150人→141人、【後】20人→26人」に変更。理工は3→1学科に統合され、定員減により募集人員減(【前】264人→256人、【後】74人→69人)。さらに、志願者は全学で「23年18%減→24年21%増」と推移、その揺れ戻しもあり、人文社会科学【後】・教育【前】【後】・理工【前】【後】・農【前】で志願者減、農【後】で志願者増が見込まれる。また、獣医は人気系統だけに、学部昇格でやや志願者は増えそうだ。
● 東北大
「国際卓越研究大学」に正式に選定されたことと、東京大の全学規模の2段階選抜予告倍率引き締めのため、理系を中心に、関東・甲信越から難関大志望者の流入が予想される。前年の反動もあり、教育【前】・法【前】・医(保健)【前】・歯【前】・工【前】・農【前】で志願者増、経済(文系)【前】【後】・同(理系)【後】・理【後】・薬【前】で志願者減が見込まれる。
● 秋田大
情報データ科学部を新設。注目度の高い分野のため志願者を集めそうだが、やはり新設の山形大‐社会共創デジタル学環の影響も受けそう。
一方、総合環境理工(理工を改組)は、定員減に伴う募集人員減(【前】205人→178人、【後】55人→48人)のため、前・後期とも志願者減の見込み。また、教育文化【前】も募集人員減(119人→106人)による志願者減が見込まれる。
この他、前年の反動から国際資源【前】【後】・医(医)【後】で志願者増、教育文化【後】・医(医)【前】・医(保健)【前】【後】で志願者減の見込み。医(医)【前】は募集人員減(55人→45人)も敬遠材料となりそうだ。
● 山形大
社会共創デジタル学環を新設。【前】12人・【後】3人と小規模だが、共テの数学(1科目選択)が人気材料となり、高倍率の激戦になりそう。
前年の反動から、人文社会科学【前】・地域教育文化【前】・理【前】【後】・医(医・看護)【前】・農【前】【後】で志願者増の見込み。特に、募集人員減の人文社会科学【前】(195人→186人)、地域教育文化【前】(93人→85人)、理【前】【後】(【前】130人→125人、【後】30人→25人)はやや難化が見込まれる。
一方、やはり前年の反動から人文社会科学【後】・工[昼・フレックス]【前】【後】、募集人員大幅減(22人→10人)で地域教育文化【後】の志願者減が見込まれる。
● 福島大
前年の反動から、行政政策【前】・共生システム理工【前】【後】・食農【前】で志願者増、人間発達文化【前】・経営経済【前】【後】は志願者減が見込まれる。共生システム理工は定員増に伴う募集人員増(【前】70人→102人、【後】42人→50人)も増加要因となり、特に前期は2次で数学が「必須→選択」になることもあり、大幅増は必至。一方、食農【後】は負担減(学科1科目・面接→ペーパーインタビュー)が、かえって敬遠材料となりそうだ。
● 釧路公立大
前年の反動から、経済【前】【中】とも志願者増が見込まれる。旭川市立大‐経済【前】からの志望変更が想定される。
● 公立はこだて未来大
システム情報科学【前】は前年の反動から志願者増の見込み。公立千歳科学技術大‐理工【前】からの志望変更が想定される。一方、同【後】は募集人員減(25人→15人)のため志願者減は必至だ。
● 岩手県立大
前年の反動から、看護【前】・社会福祉【前】【後】・ソフトウェア情報【前】・総合政策【前】【後】で志願者増、看護【後】・ソフトウェア情報【後】で志願者減が見込まれる。総合政策【前】【後】は、共テの数学が1科目であることも増加要因となりそうだ。
● 宮城大
前年の反動から、看護【前】【後】・事業構想【後】で志願者増、食産業【前】【後】で志願者減が見込まれる。
● 秋田県立大
前年の反動から生物資源科学【後】で志願者増、システム科学技術【前】【後】で志願者減が見込まれる。
この他、前年の反動などから、小樽商科大‐商[昼]【後】、帯広畜産大‐畜産【後】、宮城教育大‐教育【後】、札幌医科大‐医【前】、国際教養大‐国際教養A~C日程、福島県立医科大‐医【前】・看護【前】【後】・保健科学【前】で志願者増が見込まれる。
一方、やはり前年の反動などから、小樽商科大‐商[昼]【前】、札幌医科大‐保健医療【前】、会津大‐コンピュータ理工【前】で志願者減が見込まれる。
私立大
北海学園大は道内の国公立大の併願先として安定、東北学院大は前年の倍率ダウンの反動に加え、24年導入の「東日本地域別スカラシップ選抜」(北海道~北関東の11道県出身の前期A日程高得点者が対象)の認知度アップが要因となり、志願者増が予想される。この他、地区の志望動向に影響を与えそうな変更は次の通り。
北星学園大で一般Ⅱ期(3月実施)を新規実施。北海道科学大で学部増設(情報科学)、一般後期で総合評価型(学科1科目・総合問題・面接・書類審査)を新規実施。酪農学園大‐獣医学類で一般選抜(個別学力入試)を復活。東北工業大の一般B日程、東北福祉大の一般A日程で学外試験場を削減する(東北工業大=青森・盛岡・秋田・山形・郡山、東北福祉大=札幌・新潟)。