取り組む参考書を決め、勉強への気合いも十分。しかし、実際に勉強を始めると、独学・自習に「向いている人」「向いていない人」で差がつき始めると、中森先生は言う。
「独学・自習に向いているのは、素直で柔軟性がある人。やると決めたからにはまずは1冊やってみようと素直に取り組める人、計画通りに進まない日があれば別の日に巻き返せばいいと柔軟にとらえられる人は、向いていると言えるでしょう。なぜなら、受験勉強は長期戦であり、多少の波はあってもコツコツと続けることが何よりも大事だから。ある意味での気軽さや適当さも必要になるのです。逆に、こだわりが強い完璧主義な人は、独学・自習には向いていません。こうでなきゃダメというこだわりが強いと、思った通りにいかないとやる気を喪失し、投げ出してしまいます。そして、仕切り直しに参考書を途中で替えたがり、結果的に勉強が長続きしません。
加えて、『やった』と『できた』を混同している人も要注意。参考書学習の場合は特に、『(解説を)読んでわかった』と『(問題を)自力で解ける』の間には大きな溝があることを自覚しましょう。詳しくは後述しますが、『やった・わかった』を『できる・解ける』にするためには、演習が不可欠です」

独学・自習では、自分でPDCAを回し、改善を重ねていく努力が不可欠だ。参考書を使った学習におけるコツは、「2つのゴールを設定すること」と中森先生。1つは「直近のゴール」、もう1つは「最終的なゴール」だ。
「直近のゴールとは、今取り組んでいる参考書の到達目標のこと。つまり、いつまでに何を終わらせるか、終わったときにどのような状態になっているか、という目標です。一方、最終的なゴールとは、志望校の入試の到達目標のこと。どの科目のどんな問題で何点くらいとれたら合格できるのか、という目標です。大事なのは、早いうちから最終的なゴールを明確にすること。志望校の過去問に目を通し、最終的にどこを目指すのか、そのために何をどのような順番でやるべきか…と逆算して考えることが大切です(これを形にしたものが「参考書ルート」です)。それにより、なぜ今この参考書をやるのか、という理由が明確になり、目の前の勉強に対するモチベーションが大きく変わってきます」
モチベーションの点で、もう1点、中森先生が指摘したのが、受験勉強を本格スタートさせるこの時期の「成功体験」の重要性だ。
「参考書学習の第一歩として、1~2週間程度で終わる薄めの問題集に取り組むことをおすすめします。1冊やり切ったという達成感や、取り組む前とは自分自身が変わったという感覚は、必ず自信につながります。実際、初期の成功体験でスイッチが入り、その後、受験勉強への意欲がめちゃくちゃ上がった…という受験生をたくさん見てきました」

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