それでは、自己分析の方法を学んでいこう。杉田部長によると、自己分析とは「これまでの自分」と「これからの自分」を見つめることだ。具体的には、過去・現在・志望校入学後・将来の4つの時点での「自分」を深掘りし、一本の線でつなげる取り組みを意味する。
将来何を目指しているのか、過去にはどんなきっかけがあったのか、将来のために現在自分はどんなことをしているか、大学入学後には将来のためどんなことをしたいか。最終的には、それらを一貫性・具体性のあるストーリーとして説明できることが求められる。ただし、最初は矛盾や不整合があっても問題ない。「なぜ」を深掘りする過程で、少しずつスムーズに話せるようになっていくという。

杉田部長によると、多くの受験生が自己分析で苦戦するポイントは、「何をどの程度盛り込むか」の判断だという。たとえば、高校時代の取り組みについて述べる際、ただ活動を羅列するだけになるケースがある。
「『探究活動や生徒会活動をやりました』という羅列で終わってはいけません。その活動で自分がどんな役割を果たしたか、どんな学びがあったかなどを深掘りしていくことが自己分析です」と杉田部長。また、河合塾では講師が寄り添いつつ生徒の自己分析を助けるが、その過程で「こんなことも盛り込んでいいのですか?」と生徒に驚かれることもあるという。深掘り自体にも難しさがあり、受験生単独での対策はハードルが高い。「もともと興味があった」は
志望理由としてはNG
大学・学部の志望理由にも注意が必要だ。たとえば、法学部の学校推薦型選抜・総合型選抜受験のための自己分析で、なぜ法学部を目指すのかと問われ、「もともと興味があったので」と受験生が答えることがあるという。これは答えになっていない。杉田部長は「『もともと』のさらに以前に、何かきっかけになった出来事があるはずです。きっかけになる出来事から何を感じ、なぜそれを極めたいと思ったか。自己分析でそれを見つけ出し、語れるようにしましょう」と説明する。自分だけで自己分析をしていると気付きにくい点なので、学校の先生や予備校の講師などに、助言をもらうのがいいだろう。
自己分析は出願書類作成のために取り組むものだが、いきなり文章にする必要はない。むしろ、最初は箇条書きでOKだ。過去の出来事や現在の取り組みなど、自分を知るための材料を箇条書きで書き出した後、少しずつ一貫したストーリーにまとめればいい。実際の文章には具体的なエピソードを盛り込み、他人事のような文章にならないようにしよう。
自己分析や書類作成には、学校の先生や予備校講師、保護者など信頼できる人の力を借りよう。時には耳の痛い意見をもらうかもしれないが、助言と捉えて自分を改善することが重要だ。学校推薦型選抜・総合型選抜は主体性が問われる入試のため、自己分析や大学分析は他人任せにしないように注意しよう。

Column
強みを引き出して将来のため挑戦しよう
学校推薦型選抜・総合型選抜は決して簡単な入試ではない。しかし、杉田部長は「挑戦することで受験の機会が増やせます。やりたいことが明確な人にはとてもいい入試です」とメリットを強調する。「学校推薦型選抜・総合型選抜のために新たに自分の強みを作るのは難しいですが、自分の中から強みを引き出すことはできます。将来のビジョンを掲げ、それに向けて頑張ることは大事です。ぜひ挑戦してほしいと思います」とエールを送る。

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