河合塾 藤田 貴志 先生
数学的読解力と計算力を向上させる独自の指導法を展開。認識に関する評価基準を取り入れた自己評価の仕組みを構築。高等学校の定期テストや実力テストにも双方向型学習が実現できる数学学習・評価支援システムを開発中。


共通テストは会話文や図表を含む長文形式の出題が多く、情報整理力と出題意図の把握が得点のカギとなる。問題文をそのまま順に読み進めるだけでは、設問の意図や必要な情報のつながりが見えにくく、対応に時間がかかってしまう。そこで、余白を活用して情報を図や矢印、囲みなどで視覚的に整理しつつ、後半の設問に備えておきたい。また、出題の形式にも注意が必要だ。特に空欄が二重枠で示されている択一式問題は、選択肢そのものがヒントになっていることも多いため、先に選択肢に目を通して着眼点を見極めてから設問に取り組むとよい。あるいは、手間のかかる計算を求められた際は、すぐに解き始めず、「前の設問の結果を使えないか?」「式の構造からうまく処理できないか?」「数値の意味を文脈から読み取れないか?」といった視点で効率のよい判断を心がけたい。近年の共通テストは、手順の暗記や計算力だけでは太刀打ちできない設計となっている。日頃の演習から、出題形式の特徴ばかりに気を取られず、「何が問われているのか?」「どこに注目するべきか?」など構造を意識しながら考える姿勢を養っておきたい。焦らず丁寧に向き合う学習が、確かな得点力につながるのである。


個別試験では、抽象的な設定や条件を基にした出題が多く、意味の把握に時間を要するケースも少なくない。特に難関大では、解法がすぐに見える問題は少なく、与えられた条件や設問の要求を丁寧に吟味しながら、柔軟に方針を構築していく力が問われる。こうした問題に対応するには、設定の意味を自分なりに言い換えたり、図や表を使って視覚化したりすることが有効だ。問題の構造や背景を正確に把握することで、次の展開の見通しが立つ。一方で、一見標準的に見える問題でも、途中で場合分けが必要だったり、論点が複数にまたがっていて、処理が複雑になることもある。このような時は、頭の中だけで進めようとせず、複数の可能性を比較しながら方針をメモに整理し、流れを組み立ていくこと。さらに、記述答案は、論理の筋道が明確でなければ得点に結びつかない。主張と根拠の対応が曖昧な答案や、結論だけを示した答案は大きく減点される。答案は「考え方を伝える文書」であることを意識しつつ、根拠・過程・結論の3点を整理して書く練習を重ねよう。「なぜその解法なのか?」「どう説明すれば伝わるか?」を自問する姿勢を、日々の学習に根づかせていきたい。
演習後、さらに一歩の“問い直し”で学びを深める
成績が伸びる人は、問題を解いた「後」の行動が違う。正解かどうかだけで終わらせず、「別の方法でも解けないか?」「出題者は何を問いたかったのか?」などもう一歩深く考える習慣を持っている。このような“問い直し”の視点が、考える力や視野を広げ、入試本番での対応力にもつながっていく。少しずつでよいので、解き終わった後の数分間を「思考力を高める学びの時間」に変えていこう。
この続きを読むには
に登録(無料)が必要です
さらに旺文社のサービスで
この他にも便利な機能が!
詳しくはこちら





