『螢雪時代』アドバイザー 庄司 憲仁 先生
『全国大学入試問題正解 化学』の解答者であり、『螢雪時代』記事のほか、『10日間完成 文系のための分野別 センター化学基礎』(いずれも旺文社)、数研出版の教科書・チャート式など多数執筆している。


択一式問題の多くは、1つの設問に対して1つの知識で正解を得られるタイプである。しかし、多段階の組合せを考えるタイプの設問の場合、2つの事項を正しく選べないと得点にカウントされない。つまり、「AであるからBであり、BであればCなので、よってCが正解になる」というタイプの問題は、複数の正しい知識がないと容易に正答にたどり着けないため、広い範囲の知識の積み重ねがポイントになってくる。また、択一式の問題には大抵紛らわしい選択肢がいくつか混ぜてあるので、これにも注意が必要である。通常の演習において、正解になり得ない選択肢を除いてから検討する習慣をつけておくとよい。特にグラフ問題は、縦軸か横軸の範囲を限定することによって選択肢を半分程度に絞ることができる場合が多いので、普段から活用したい。さらに、共通テストは1題あたりに使える時間が非常に限られる。難問にぶつかった際は、やみくもに正解を得ようとして時間を浪費せず、一旦潔く諦めて他の問題を先に片づけてから時間が余っていれば再挑戦するくらいの勇気も必要だ。このため、普段から解答時間を設定して演習に取り組むなど、時間配分に考慮した訓練をしておきたい。


個別試験の形式は大学によって様々である。まず、問題冊子の表紙に記載されている原子量の数値の確認(Cuが63.5だったり64.0などの場合がある)や、諸定数(気体定数Rが8.3だったり8.31など)の確認をしておこう。また、問題ごとである場合が多いが、有効数字の指定や構造式の表し方などは多様なので、過去問でどのように指定されているかを確認しておくとよい。特に問題によって有効数字の指定が異なる場合は、個々に十分に注意を払いながら解答していく必要がある。せっかく答えを出せたのに指定を見落として減点されるのはもったいない。さらに、論述問題では字数の数え方が示されている場合も多いので、確認しておくこと。字数指定のない通常の記述問題・論述問題でも、自分で字数を設定して答案を書いてみるとよい練習になる。個別試験には大問ごとに長い導入文が設けられたタイプの問題もあるが、問題集ではその導入文が切り詰められていることが多いため、過去問を入手して実際の問題で感触をつかんでおこう。難関大では表面的な知識を問うのでなく、諸現象を複雑に組合せたり、難解な用語を使って表現した問題も多いので、普段からこうした問題に慣れておきたい。
初見の物質でも既習事項の応用で対処できる!
教科書にも参考書にも見たことのない物質が登場することがある。しかし、教科書の知識で解けない問題はないはずだ。稀に履修範囲を越えていると思われる問題もあるが、問題の本質を見極めて、内容をじっくりと解析していけば解法が見つかるものである。初見の物質でも類似物質を参考に、酸・塩基や酸化・還元の立場、官能基などを糸口に既習知識を活用して性質を推定し、問いに対処しよう。
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