代々木ゼミナール個別指導 菅野 祐孝 先生
『ココが出る!! 日本史ノート 歴史総合,日本史探究』『タテヨコ 日本史 総整理 テーマ史』(いずれも旺文社)、『日本史図版・史料読みとり問題集』(山川出版社)、『共通テスト日本史〔文化史〕』(教学社)など著書多数。


共通テストでは歴史用語を問う一問一答的な出題はなく、思考力や類推力を試す問題がほとんどである。第1問の「歴史総合」では、世界史的背景に関する理解度も問われるので、特に世界史の近現代分野については基礎的な理解が不可欠だ。「日本史探究」では、第2問のテーマ史のほかに原始・古代、中世、近世、近現代から1題ずつ、1つのテーマに沿った考察問題が出題されている。会話形式による発表・討論・レポート・スライドなどを用いた授業のスタイルを取り入れたり、素材としては絵図・写真などの視覚資料を用いて、そこから必要な情報を的確に導く能力が求められる。そのため、図版については「読み取る」学習が大切だ。統計・グラフについては、統計上の数値の変化やグラフの形状の変化に注意しながら「時代背景を探る」学習を心がけよう。歴史の学習においては「なぜそうなったのか?」という視点が常に求められるためだ。初見史料に関する正誤判定問題も定着したが、注を手がかりに読み進めれば容易に意味がとれる内容なので、難易度的にはさほど心配ない。また、3文の年代整序問題も定番になっているので、基本的な西暦年代については暗記が必要だ。


受験日本史のハードルを突破する秘訣は、「教科書学習の積み重ね」にある。入試は教科書の本文から出題されるのが通常だが、本文以外のところにも注意が必要だ。欄外の注はもとより、地図・絵図・写真など図版の説明文も出題の宝庫となっているので、教科書は文字通り「端から端まで隈なく」学習しておく必要がある。因果関係やその後の展開・推移などは本文に明記されているので、文章もしっかり熟読しよう。また、記述問題・論述問題において答案は漢字で書くのが鉄則なので、纏向遺跡、讒謗律、坪内逍遙のような難しい漢字や、尊王攘夷、高峰譲吉、新島襄のような紛らわしい漢字は、正確に書けるまで何度も練習して確実にモノにしておこう。正誤判定は択一問題や組合せ問題として出題されるが、中には判定が難しい問題もあるので、歴史事象や難解な歴史用語が出てきたら、そのつど用語集で確認して理解を深めることが大切だ。国公立大2次や一部の私立大では、字数制限を設けた論述問題も出される。字数感覚を養うために、この時期からウォーミングアップとして、1つのテーマを決めて原稿用紙に200字程度の文章でまとめる練習を始めるとよいだろう。
視覚・聴覚をフル活用して記憶を定着させる
習得した知識を忘れないようにするには、復習が肝心だ。用語や年代などの基礎知識を確実に頭に入れるには、紙に書いて覚えるのが最も効果的である。その際、「口でしゃべりながら耳で聞いて、目で見ながら」記憶に落とし込むのが一番手っ取り早い。感覚をフル活用したこの方法で習得した知識のアウトプットを増やせば、記憶力はもちろん学力も確実にアップすること請け合いである。
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